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1517:食物

2012/02/15 (Wed) 20:06
「れいむ、朝だぞ」

人間の青年の声でれいむは目を覚ました。
ゆっくりの朝は普通の人間に比べると遅い。
特に食事の心配が無くなってしまったゆっくりは、誰かに起こされるまで起きない程である。

「ゆぅ」
「ゆっくりしていってね!!!」

れいむは顔を二三横に振って眠気を吹き飛ばすと、飼い主の青年におはようの挨拶をした。
飼い主のお兄さん。れいむを最も可愛がってくれている人。そしてれいむが一番好きな人。
人間とゆっくりでは本格的な恋が芽生えるはずもなく、年頃のれいむには番の用意が考えられていた。
そう、れいむは既に成体ゆっくり。十分大きく育ち、子供が作れる時期を迎えていた。

「ゆ~ん…」

れいむはまだ寝ぼけた頭でそのまま思いに耽っていた。
ゆっくりショップで飼われていた時に聞いた話によると、世の中には人に飼われないゆっくりもいるらしい。
彼らは空腹に耐え、、天敵からも身を隠し、雨の脅威に晒されて生きていると言う。
生まれたゆっくりで無事に"立派なおとなゆっくり"になれるのは10匹に1匹だと言う。
れいむはそれを聞かされた時、涙した。一緒にお話を聞いていたみんなが涙した。
そして自分達は幸せだと思った。

自分を買ってくれたお兄さんに感謝していた。
たまには喧嘩しながらも、お兄さんは懸命に自分を育ててくれた。
今まで何度かこの家を逃げ出したくなることもあったが、今のれいむの心にそんな思いは微塵も無かった。
今はここでとってもゆっくりできている。
お相手を見つけて、子供を作って、死ぬまでここでゆっくりと暮らす。それが許される幸せ。

れいむは何時の日か、青年に恩返しをしたかった。

「れいむー 今日は近所のゆっくりショップに行くから、早めに朝ご飯食べとけー」
「ゆっ! ゆっくりわかったよ!!」

青年に呼ばれ、ハッと我に返ったれいむは、元気よく彼の呼ぶ方に向かった。


   ○
      □

「ゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくりしていってね!!!」

れいむは、今日初めて会うまりさと面と向かい合っていた。
青年がれいむのためにゆっくりショップで買ってやったまりさだ。
先ほどから互いに「ゆっくりしていってね」の応酬である。
お互いの表情に気を配りながら、ゆっくりゆっくりと言い合っている。それはまるで会話をしているようであった。

「ゆっくり ゆっくり していってね!!! いってねっ!!」

徐々に言うタイミングを合わせ始める。
しかし、呼吸のタイミングが微妙なズレを生んでしまう。
気まずい空気が流れる。青年は固唾を飲んで見守っていた。

「ゆっ ゆっくりしていってね ね!」

「ゆ、ゆっくりしていってね!!!」

「「ゆっくりしていってね!!!」」

―合った。
青年は心の中で「良し!」と呟いた。
声に出さなかったのは、二匹の間だけの特別な雰囲気を壊したくなかったからだ。
れいむとまりさが、僅かに赤面しているのが見て取れた。

しばらくして…

「「ゆっくりしていってね!!!」」

今度は二匹とも向かい合って、青年に向かって。
彼もまた穏やかに「ゆっくりしていってね」と答えた。

「「ゆっくりしていってね!!!」」

もう言葉がズレることは無い。
どうやら生涯添い遂げる相手として馬が合ったようである。
彼らはその晩、生まれて初めて番としての営みを終えた。


   ○
      □

「ゆー!! おにいさん!! れいむのあかちゃんがうまれるよ! みててあげてね!!!」

その日は珍しくいつもと逆だった。
まりさが家に着てからも寝坊気味だったゆっくり達だったが、
朝7時、布団を引っぺがして青年を眠りから呼び覚ましたのはまりさだった。

青年は布団から抜け出し、まりさの言われるがまま彼らの寝床へと向かった。
ゆっくり達の寝床である段ボールハウスの中を見てみると、れいむの頭の上に生った小さな実がプルプルと揺れている。
「ゆっ」と短く鳴きながら、プルッと体を震わせる。今にも茎との細い接点を断って落ちそうである。
青年はれいむの下にタオルを敷き、これで子供が落下しても大丈夫だとれいむに伝えた。
れいむは穏やかに微笑んだ。

いよいよ恩返しをする時が来た。
れいむの恩返し。
それは生まれ落ちた自分たちの子供を、真っ先にお兄さんに見せてあげることだった。
人間に飼われているゆっくりは飼い主に感謝の意を籠めて、生まれた赤ゆっくりの元気な姿を見せようとすると言われる。
食費や巣のスペースなどには考えが及ばず、自らの喜びを共有することだけにゆっくりは意味を見出す。
「ゆっくり」の価値。その本質は共感だ。人間であろうとなんであろうと、"ゆっくりした時間"が流れるのを共に感じられればそれでいい。
そして彼らは気持ちを籠めて言うのだ。誰それ構わず、「ゆっくりしていってね」と。

お兄さんにれいむ達の可愛い赤ちゃんを見せて、ゆっくりさせてあげたい。
それはとっても"ゆっくりしている"んだから、お兄さんだって喜んでくれる。
―皆でお歌を唄えばもっと喜んでくれるかもしれない。
れいむは我が子と触れあえる期待と同じくらい、青年に感謝できる期待を持っていた。

「ゆっくちうまれりゅよ!」

親れいむに生ったただの実が、親から離れて生命として自立する瞬間。
ブルンと大きく体をスイングさせ、一匹目のゆっくりれいむが落下する。
グッと目を瞑って着地の衝撃に備えたようだが、そこはタオルの上で痛みは無い。
キョトンとした顔で目を開け、辺りをぐるりと見渡した。
そしてこの世に生まれた喜びを表現するように笑って、口を開いた。

「ゆっくちしちぇってにぇ!!」
一回目は、親れいむに

「ゆっくちしちぇってにぇ!!」
二回目は、親まりさに

「ゆっくちしちぇってにぇ!!」
三回目は、青年に

殊勝な子だった。
目を開いた頃から、親のれいむが世話になっていることを薄々感じていたのだろう。
そうだ、お兄さんだって自分を育ててくれた家族の一因なんだ。れいむは何かに気付かされたような思いがした。
家族なら、孫の可愛い姿を見て尚更ゆっくりできていることだろう。

れいむは青年の方を向いた。
案の定青年は笑顔で子の挨拶に答えていたので、れいむは安心した。
―良かった。お兄さんも喜んでくれてる

最初の赤れいむを皮切りに、次々と子供が生まれおちてきた。
既に生まれた子は親れいむの腹に寄り集まって頬を擦りつけていた。いつまでも大切にしたい、家族で最初の触れあい。
最後の子が生まれ落ち、体勢を整えたのを見届けたれいむは、家族で息を揃えて言おうとした。
「ゆっくりしていってね」と。
れいむは子供たちに目配せをした。
餡を分けた家族。言葉は無くとも心が通じ合う。声もピッタリと揃うはずだった。
家族揃って、お兄さんに感謝するのだ。自分達の幸せに。「ゆっくり」に。
心を籠めて感謝するんだ。

そうれいむが思って口を開きかけた時だった。
青年がタオルの端を勢いよく引っ張り、れいむから引き離した。
タオルの上に残された赤ゆっくり達は急に動いたのが怖いのか、一斉に寄り集まってゆーゆー泣いている。
平和な日常に入った突然のヒビ。

「ゆっくりさせてあげてね!! あかちゃんがこわがってるよ!!」

なぜ赤ちゃん達に乱暴なことをするのか。赤ちゃん達はすっかり怯えてしまっている。
れいむが抗議する間もなく、青年はタオルを袋状に包むと、何処かへ立ち去ってしまった。
去り際の青年の顔を見てれいむは戦慄した。
それは今まで見たことが無いほどに喜びに満ち溢れた顔だった。

青年を追う。
彼は台所に立ち、何かをしているようであった。
ゆっくりの視点の高さからでは、台所に立つ青年が何をしているのかまでは把握できない。
ドッシリと大きい黒い半球が見える。中は見えない。
その横の銀色の半球。ここに子供たちは閉じ込められているようだ。中からか細く泣く声が聞こえる。

「ゆ゛ー!!」

れいむは久しぶりに青年に喰ってかかった。大人になって初めての反抗だった。
過去を辿っても、一回たりともれいむがお兄さんに勝てたことなど無い。
でも、今はれいむも立派な"おとなゆっくり"だ。今なら勝てるかもしれない。
そう思って、何度も何度も体当たりを繰り返した。
今立ち向かわないと、取り返しのつかないことになる気がしていた。いつの間にかまりさも加勢していた。
しかし状況は、全く変わりそうになかった。
のうのうと暮らしてきた飼いゆっくりに、人間を打倒する力などあるはずも無かったのだ。
れいむは己の子の危険を目前にしても、まったくの非力だった。

「ゆっくち」
「ゆぅぅぅぅ!」

青年はコンロの上で天ぷら鍋を加熱していた。
横にはボウルに入った8匹の赤ゆっくり達。
自力で壁をよじ登ろうと必死に這っているのだが、傾斜が急になる部分で転がって底まで落ちてしまう。
中にはもう諦めてひたすら「みゃみゃー」と助けを求める者も出始めていた。

「ゆぁぁ!!」
「ちべたい!」

そこに水溶き小麦粉が流し込まれる。
赤ゆっくり達は悲鳴と共に濁流に飲み込まれていく。
一層、親ゆっくり達の攻撃が激しくなっていたが、青年はものともせずに作業を進めていた。

プカリプカリと赤ゆっくり達が浮かび上がって来る。
それを箸で摘み、砕いたコーンフレークの中へくぐらせる。
フレークを全体に塗されて元々の輪郭を失い、もはや箸の先にあるのはゆっくりではなくて、食べ物だ。
それ以前に、青年の目には赤ゆっくり、ゆっくり達が食べ物にしか見えていなかったのかもしれない。
油が適温に達した。

「やぢゃ  や゛ や゛ や゛ ゆ゛や゛ぁあああ」

最初の一匹、いや一個の赤れいむが鍋の上にかざされる。
衣を通してでも、分かる。目を下に向ければ、そこに広がっているのは圧倒的な存在感を持つ黄色い死の海。
火・熱への生理的な恐怖から、れいむは大きく震えた。そしてそのまま、箸先から落下した。

ジュワッ!と激しい音を立てながら、赤れいむは油の海に飛び込んだ。
その大きな音に、その場にいたゆっくり達全員に緊張が走った。
音がそのまま持続する。ジュウジュウと音に変化は無い。
何が、起こっているのか。ひとまず安心していいのか。
僅かに緊張の糸が緩んだ時、耳をつんざくような悲鳴がやって来た。

「ゆ゛ぁぁあああああああああああああ!!!!
あじゅいあじゅいあじゅいよ!!! お゛がーしゃん!!!
ゆ゛ぁっ!! いぢゃい ひじゃい だずゅげでぇぇ……
いぢゃい   いぢゃい   いぢゃい
いぢゃいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

衣を纏っているせいで、熱さを感じるのが遅れた。しかし肌の表面で「熱い」と感じた時にはもう終わり。
皮膚が重度の火傷を起こし、激烈な痛みと共に赤れいむの正気は奪われていった。
痛みに口を開いたのがさらなる不幸を呼ぶ。
かといってまともな生物なら、火傷の痛みに沈黙を守ることなど出来はしない。予定された不幸だ。

「あ゛じゅじゅじゅじゅじゅじゅ!!!!!!
ひじゃい゛!ひじゃい゛!  おぎゃーじゃ!!! ぎゅぎゅ!!……」

油が口から侵入し、口内を満遍なく巡る。
舌が爛れ落ちて、萎びたニンジンのような頼りない物に姿を変える。
口の内側が次々と180度の熱に侵され、硬くて異質なものへと変えられていく。
構音器官は完全にれいむの意思を離れて、呂律の回らないままにれいむは沈黙した。

何の罪もない。過去も無い。
そんな赤れいむは、生誕の挨拶以外に碌な会話も交わすことが出来ずに言葉を失った。
口から出た声のほとんどは、嘆きと悲鳴だった。
そしてその生が終わる。
実に十分程度の、短くて濃厚、不遇なゆん生が幕を閉じる。

「ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」

油が喉を逆流する。
餡が熱い油と混じり合ってゆっくりの生態機能に止めを刺す。
れいむは焼けた喉で一唸りすると動かなくなった。

青年は赤れいむを引き上げた。
死んでいる。
これ以上苦痛を感じることも無く、美味くはならないのだろう。それに油を内部に含んでしまった。
淡白にそれだけ考えると、青年は出来立ての揚げ赤れいむをゴミ箱に放り入れた。
もっと苦痛を与えれば更に美味しくなる。それを励みに、青年は料理を続行しようと箸を取った。

見てしまった。
赤ゆっくりの物とは思えない恐ろしいまでの悲鳴、それに圧倒されていて身動きを取れずにいたれいむ。
その目に映ったのは揚げられ、みるも無残な姿になった上に無造作に捨てられる我が子の姿。
断末魔が、れいむの脳裏に蘇った。
音と映像が頭の中で結びつき、れいむは我が子の不幸に、改めて胸が裂かれるような悲しみを覚えた。

慌ててゴミ箱に飛びつき、中を漁る。
目当ての物は紛れもなくゴミ溜めの一番上に乗っかる茶色っぽい物体。
もちろん認めたくは無かった。
それでもゴミ箱の中で湯気を立ち上らせるその物体が、今さっきまで生きていた我が子だろうことはれいむにも分かった。
熱に耐えながら舌で手繰り寄せ、外に出す。

「ゆっくりしていってね!! おちびちゃんへんじしてね!」

なおもペロペロと赤れいむを舐める親れいむ。
そうすれば息を吹き返すとでも思っているのだろうか。
しかし舌から伝わって来る感触はザラザラ。初めてすりすりした時の、あの柔らかい感触は何処にも無い。
ペロペロを繰り返すほどに、我が子が完全に「別の何か」になってしまったことをれいむは一層感じるだけだった。
それと共に怒りがれいむの体を支配する。
無残な姿にされた大事な子。
それをやったのは他でもないあいつだ。

「ゆっぐりぃ!!!」

親れいむと親まりさが息を合わせて青年の足にぶつかる。
よろめき、咄嗟に台所の縁に手をかける青年。

己が出せる最大限の力を振り絞って、れいむは跳んだ。そして跳ね返り、そのまま青年の足元で丸くうずくまっていた。
先ほどまでの勇ましさとは一転、れいむは泣いていた。
我が子の苦しみを思って。変わってしまったお兄さんを思って。
一旦は怒りがれいむを突き動かしたが、実際にはその心中には途方に暮れるような悲しみしか無かった。

「危ないだろ! こっちは揚げものしてるんだぞ!」

青年はその姿に僅かばかりの哀れみも持たなかった。
「天ぷら鍋がひっくり返ったら危険だ」とごく当然の判断で、青年は暴れる親ゆっくり達を別部屋に隔離した。
ドスドスとドアが音を立て続けていた。



そして料理が再開される。
先ほどの子の悲痛な叫びを聞いてしまったためか、残された赤ゆっくり達は互いに顔を寄せ合ってわんわん泣いていた。
生まれたばかりで感情も乏しい赤ゆっくりだが、その泣き顔には自分の生まれさえ呪うような絶望感が漂っていた。

赤まりさが、摘みあげられる。
両端からの感触にヒッと顔を引き攣らせ、赤まりさの涙が止んだ。
自分の番が来た。もうまりさに未来は無い。

「いぢゃい゛い゛い゛!!!!   みじゅ みじゅ みじゅ!!!!
 あぢゅい!!  あぢゅい!!」

油が衣と一体化したまりさの皮膚を揚げる。
表面の水分が飛び、一瞬にして荒野のようにガサガサ。
衣と共に硬化してしまって、もうプニプニした赤ゆっくりの肌では無いように思える。
叫びと熱で顔は歪んでしまい、まるで年老いたゆっくりの死に際のよう。

「おにーしゃ! まりしゃ ほひじゅ! ほひじゅ! あ゛じゅひ! ひんじゃう!!!」

―殺さねえよ。
青年は呟いた。
皮膚まで完全に熱を通し、そこで止める。中にはほとんど熱を通さない。揚げアイスと同じである。
その要領で赤ゆっくりを生かしたまま苦しませる。
フォークを縦に入れるその瞬間まで生きながらえさせ、食べる直前まで旨味を増す。
死んで貰っては困るのだ。

「あひゅい あひゅい  いやじゃ  ゆ゛っ ゆ゛っ」

赤ゆっくりの台詞でタイミングを図る。
口が変性して、まともに喋れなくなったら引き上げる。
赤れいむの犠牲は、青年の料理の腕を上げさせることに大きく貢献していた。

油から引き揚げられた赤まりさは、帽子毎こんがりときつね色をしていた。
苦悶の顔で固められたまりさを皿に置く。
青年は大して気にも留めていなかったが、物好きな人間ならばこのまりさを見て思いを馳せることだろう。

「ゆ゛っ ゆ゛っ ゆ゛っ」

(見えない 痛い 息苦しい 助けて どうして 動けない 熱い 喋れない)

赤まりさはもう口が動かせず、体全体が「ゆ゛っゆ゛っ」と声を発するのみ。
熱と衣の牢獄の中で、小さな体でただ耐える。
頭の中にはあらゆる苦悶が巡って、まりさの心をギリギリ締め付けていることだろう。
そしてまた兄弟も。
また一個、また一個と小さなゆっくりの絶叫オブジェが皿に並び、料理は完成した。
7匹の赤ゆっくりは、銘々の苦しみを顔で表現しながら、皿の上で細かく互いの体を打ち付けていた。
一個の赤まりさにフォークを突き立てる。
パリッと帽子が崩れ、しっとりとした感触と共にフォークの刃先がまりさ中を通った。
さらに激しく揺れる赤まりさ。

「ゆ゛っ! ゆ゛っ! ゆ゛っ!」

体を半分半分に分けられ、赤まりさは半分だけの顔で痙攣を続けていた。
次第にその震えも微弱に変わり、そして緩やかに止まる。ようやく赤まりさの命が潰えたことを青年は知った。
まりさは楽になったのだ。
同じ苦しみに苛まれる兄弟よりも一足先に、まりさは不幸まみれのゆん生から抜けだすことが出来た。
青年はと言えば、「待っていました」とばかりに半分のまりさにフォークを突き刺し、静かに口の中へと運んだ。


   ○
      □

「ゆっぐりぃぃ!!!  ゆっくりぃぃ!!!」

れいむはドアに何度も体をぶち当てていた。
肌にはうっすらと餡が滲む。開くことが無いと分かっていながらも、れいむは止めることが出来なかった。
ジッと待っているだけで、母ゆっくり失格だと思えてきた。
半ば自暴自棄になりながらも、れいむは嫌なことを忘れるようにドアに当たっていた。

「ゆっくりしようよ」

何度も扉に跳ね返され、伸びているれいむにまりさが寄る。
まりさはおずおずとれいむの横に近づき、怪我したれいむの肌を舐めはじめた。

「ちゃんとはなせば、きっとゆっくりできるよ」

優しさがれいむの涙腺を緩ませる。ジワリと涙が広がって眼に溜まる。
れいむはまりさの体に飛びついて赤ん坊のように泣きじゃくった。
大のおとなゆっくりが同じ年のゆっくりに泣きつく姿。
まりさは戸惑っているような顔をしながらも、れいむの体をしっかりと支えていた。
二匹はそうして、誰もいない部屋でゆっくりした。
心の仲はゆっくりできていなかったが、死んでしまった子れいむの代わりにもゆっくりしようと誓った。

そんな番だからこそ、青年にも選び甲斐があったというものだ。

「仲良さそうだな」

れいむが飛び出そうとした所を、まりさが制止した。

「あかちゃんたちは?」
「美味かったぞ」

れいむはまるで弾みのついたゴム毬のように跳ねあがろうとしていたが、まりさがそれを絶えず制止していた。
話し合えば、話し合えばお兄さんだってきっとわかってくれる。
もちろん、それは無意味な試みだった。

「どうしてあかちゃんたちを…」
「ゆっくりの子供は特段美味しいと聞いたが」

「あかちゃんたちがかわいそうじゃないの?」
「お前らは餌を食べてる時、一々可哀想だと考えているのか?」

「みんなでゆっくりすればおにいさんもゆっくり…」
「知らん。『ゆっくり~♪』とかつまらないことに興味は無いんだけど」

れいむは力を失って地べたに崩れ落ちた。
なんだっていうのか。れいむはお礼がしたいだけだった。
赤ちゃんを産んで、皆で仲良くすれば必然的にこの家は幸せな方向に向かうと思っていた。
その幸せが、"赤ちゃんは美味しいから"などという下らない理由で壊されるなんてあまりに理不尽すぎる。
確かにおいしいものを食べる時はゆっくりできる。
けれども、そこで得る「ゆっくり」は、家族みんなでのんびり過ごせる「ゆっくり」とは比べ物になるはずもないのに。
いつからお兄さんはこんな悪魔のような考え方をするようになったのだろう。

もちろん、初めからだった。

青年にとってゆっくりの家族と仲良く暮らすことなど微塵の興味も無かった。
れいむを育てていたのも赤ゆっくりを生産してくれるからであって、仲良くするつもりも無かった。
逆に言えば、見下して鬱憤を晴らすつもりも無かった。
究極の無関心と、少しばかりの飼い主ごっこ。
それが餡子頭を通して「ゆっくりさせてくれる人」に変わった。でもそれは事実。
安全な人間の家で育てて貰えたのだから、れいむの認識は間違っていなかった。
それでも、両者の認識にはこの先決して埋まらないであろう大きな溝があった。

「ゆっくりって飼い主に子供見せたがるらしいな
もしかしてそれか?だったら丁度いいや、もっと作ってくれればいいから」

青年がれいむとまりさを、それぞれ右手と左手で掴んで揺らす。
上下の動きと共に「ゆっゆっ」と勝手に声が漏れる。意識がぼやけてきて、気分が高揚する。
ゆっくり達にも、青年の成されるがままにされていれば最後にどうなるかは分かっていた。

「れいむはあがぢゃんをつくりだぐないよっ!!! まりざと、おにーさんとゆっぐりできだらぞれでいーよっ!!!」
「俺は良くないよ」

揺れが細かくなる。
ぬめりを持ったまりさの肌とれいむの肌が接して、クチュクチュと音を立てた。
もう子供なんか要らない。そうは思っても発情状態で好きなゆっくりと肌を重ね合わせれば、起こることは一つだった。

「れいむぅぅぅ !!! ゆっくりできるよ!!! とってもゆっくりしてきたぁぁぁああ!!!」

まりさは既にトロンとした目で涎を垂れ流している。準備が完了しているようだった。
れいむはそんなまりさを軽蔑しながらも、自分の体が全てを受け入れる体勢を整えるのを止められなかった。

「ゆっくり!!! ゆっくりしてるよぉおぉぉぉおお!!!」

叫びながら、れいむは自己嫌悪に陥っていた。
次の瞬間、抑えていた快感が一気に溢れだし「すっきりぃいいいいいいいいいいいい!!!」と咆哮をあげる。
ギリギリまで我慢しながらの「すっきり」だったためか、情けないことにゆっくり二匹は気絶寸前で床にへばっていた。
れいむの頭の上にするすると茎が伸びる。
赤ゆっくりの形をした実が、仲良く一列に並んで姿を現した。

「あ……ぢゃん…… れいむの……」

青年は実の個数を淡々と数えると、部屋を後にした。




ゆっくりにとって、平和な家族は「ゆっくりしていること」の象徴。
そしてゆっくりには「ゆっくり」こそがしわ背のバロメータ。
ゆっくりの価値観は何処まで行っても「ゆっくり」の上にしか無い。
野山を跳ねまわれなくとも、多くの仲間と一緒に冒険出来なくとも、
何にも怯えること無くゆっくりさせてもらえる環境が幸せ。そんな生き物。
そんな生き物の、精いっぱいの恩返し。

最初から人間と価値観が合うはずなど無かった。
ゆっくりが語る「ゆっくり」など感覚的なものだ。腹の足しにはならない。
人間は酷く現実的な所に生きている。
仕事や勉学に疲れ、癒しでも求めていれば、わけのわからぬ「ゆっくり」さえ多少の足しにはなるかもしれない。
けれども運の悪いことに、青年にそういう目的は無かった。それだけのことだった。

「ゆっゆっゆっゆっ」
「ゆっゆっゆっ」

「「すっぎりいぃぃぃいいいいいいい……」」

れいむの思いは届かなかった。

されど、れいむの願いは確かに叶った。

最高の恩返しは、今日も青年の食欲を満たす。




【あとがき】
続き物のモチベ維持。兼リハビリです。
長い方も一応書いてるのでゆ゛るじで

どうせ料理するなら揚げてみたい、等と思っていたら街中あきさんの絵を発見。揚げるイメージの参考にさせていただきました。
勝手にすみません。どうしても食べてみたくなったので。

恩返しに子供を見せる。この設定を目にした時は興奮で眠れなかった覚えがあります
こんな話書いてた奴どっかで見たな…?って感じた人、もしかしたらそれは思い違いではないかもしれません



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コメント

736:

  ┏┳┳┓     ハイ.     ┏┳┳┓
┏┫┃┃┃   ゆ虐は   ┃┃┃┣┓
┃┃┃┃┣┓   ここまで ┏┫┃┃┃┃
┃      ┃┃┏━━━┓┃┃      ┃
┃  ゆ虐 ┣┫ . ・∀・ ┣┫. STOP!┃
┗━━━━┛┗┳━┳┛┗━━━━┛
            ┏┻┓┃
        ┏━┛  ┣┻┓
        ┗━━━┫  ┗━┓
.             ┗━━━┛

2012/04/19 16:54 | zx #- URL [ 編集 ]
794:

やっぱ親の目の前で子、赤、実ゆを虐殺するシチュが1番だな。
この話は親の目の前で潰してないから物足りんが。

2012/06/16 19:27 | 名無しさん #dMtXu4sA URL [ 編集 ]
882:

まぁ残虐度は
やや低めだが、
これはこれで
素晴らしい、

やはり
ゆ虐は最高。

2012/07/14 06:46 | 柱歌丸 #- URL [ 編集 ]
2421:

揚げ饅頭か・・・・・
かつ丼なみにカロリー高そうだ。

2012/11/11 20:13 | 名無しさん #/5LHBRow URL [ 編集 ]
2426:

ゆっくりに同情する気はないけど
この人間もなんか調子に乗っててうざいから揚げとくか

2012/11/12 00:54 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
5174:

できれば親の視界内で揚げたいとこだね

2013/03/17 15:53 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
7581:

ちょっと腹減ったなwww

2013/06/04 13:26 | な #- URL [ 編集 ]

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