FC2ブログ
TAG index

プロフィール

kubota.K

Author:kubota.K
~サイト概要~

2chのスレやゆっくりスレ、話題の記事ややる夫AAシリーズ等、気になった記事を総合的にまとめるサイトです!

よろしくお願いします!

about

『BuZZ Plus News』
バズプラスニュース

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

やる夫でドラクエ6(完結) (37)
ゆっくりいじめSS・イラスト ※残虐描写注意! (966)
ゆっくり愛でSS・イラスト (662)
やる夫でGPM(完結) (46)
やる夫が遺跡を守るようです(完結) (57)
実装石虐待系作品 (119)
やる夫がヒットマンになるようです(完結) (15)
やる夫が3つの珠を探すようです(完結) (26)
やる夫はリィンバウムに召喚されたようです(サモンナイト) (53)
やる夫がヴァレリアを平和にするようです (7)
やる夫は人気作者になりたいようです (2)
【クマー】二人の秘密【澪】(完結) (4)
やる夫が大破壊後を生き抜くようです(メタルマックス・第一部完) (11)
やる夫達は文化祭でバンドるようです(完結) (27)
やる夫達は広島でB級グルメを食べ尽くすようです(完結) (13)
やる夫とやらない夫で月旅行に行こう(完結) (18)
やる夫とやらない夫と漫画家シリーズ(完結) (12)
やらない子の周りは中2病患者(完結) (12)
【DTB】 契約者やらない夫  ―荒野の春紫苑― 【オリジナル】 (6)
DIOえもん(完結) (6)
そっきょうたんぺんすれ(完結) (8)
風魔のやる夫 (5)
東京が死んで、やる夫が生まれた(真・女神転生Ⅲ) (14)
ファイやる夫ムブレム(再録) (16)
やる夫が囲碁の幽霊に会うようです (3)
やる夫は誰かを助けるのに理由はいらないだそうです(FF9) (17)
やる夫たちの周りには愛が満ち溢れているようです (3)
やる夫の屍を越えてゆけ(俺の屍を超えてゆけ) (6)
その他やる夫短編 (58)
スレまとめ(事件) (1)
スレまとめ(ニュース) (36)
スレまとめ(趣味) (82)
SS (21)
しぃ系AA作品(虐待・虐殺) ※残虐描写注意! (88)
南ことり (21)
のんたぬ (0)
雑多 (1983)
管理人からのお知らせ (11)
未分類 (18)
う虐 (2)








検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

1654:れいむのおべんとうさん

2012/04/11 (Wed) 00:43
『れいむのおべんとうさん(上)』 24KB
虐待 日常模様 野良ゆ 現代 虐待人間 分割になります。こちらは上巻です。

3作目です。稚拙な文章ですが、よろしくお願いします。野良ゆっくり親子が、虐待に会うだけのお話です。




10月。そろそろ冬支度を始めえた町の風。
静かな朝の住宅街。
駅から続く、一本道。
その電柱の下に、彼女たちはいた。


「にんげんさん!れいむを飼ってね!とってもゆっくりできるよ!ほんっとうだよ!」

「ゆっくち!まりしゃ、ゆっくりできるんだじぇ!」



バスケットボールサイズの丸い体は泥によごれ、赤いリボンのお飾りはところどころ破けてボロボロだ。
何の痕だろうか?体中に何箇所も、赤黒い筋状の傷がある。
その丸い体にぴったりとくっついている、これもまた汚い三角帽子。
傷こそないが、やはり泥で汚れ、ボロボロの三角帽子からのぞく金髪はパサパサで艶がない。
テニスボールサイズの小さな体をなすびのように伸ばし、道を通る人に、必死に可愛さを振りまいている。

大きいほうはれいむ、小さいのはまりさという。
ゆっくりと呼ばれる生き物らしいのだが、生き物であるという確証もない。
人の言葉をしゃべる不思議な饅頭として広く知られてはいるが、ゴミ捨て場や農作物を荒らすとされ、バッジ登録された「飼いゆっくり」以外のゆっくりは駆除対象となっている。


「おにいさん、れいむを飼おうね!飼おうね!れいむは、飼いゆっくりだったんだよ!れいむのかわいいおちびちゃんも、おぎょうぎよくできるよ!だかられいむを飼おうね!おちびちゃんと一緒に飼おうね!」

「まりしゃ、おといれさんもじょうずにできるよ!にょーびにょーびも、むーちゃむーちゃもかわいくできるよ!まりしゃはゆっくちできるんだじぇ、だからまりしゃを飼ってにぇ!」


二匹は駅へ向かうサラリーマンや学生たちに向かって、一生懸命愛嬌を振りまく。
れいむは赤い飾りのついた揉み上げを「ぴこぴこ」と上下させて。
幼い子まりさは、なすびのように体を上に伸ばし、「のーびのーび」しながら。

しかし、道行く人で彼女たちの話を聞こうとする者はいない。
朝の通勤時間に、駆除対象となる小汚い饅頭の相手をするような物好きなど、いる筈もなかったのだ。


「おねえさん、無視しないでねっ無視しないでねっ!れいむの話を聞いてね、れいむは飼いゆっくりだったんだよ、ほんとうだよ!おといれさんもじょうずにできるし、かわいいおうたも歌えるよ!」


立ち止まる人は誰もいない。
れいむと子まりさは、毎朝こうして電柱の下、決まった場所まで来ては、人間たちにお願いをするのが日課となっていた。


「ゆうううう・・・。今日もにんげんさんはれいむのお話を聞いてくれなかったよ・・。おちびちゃん、ゆっくり家までかえろうね。」

「ゆぅ。みゃみゃ、どうちてにんげんしゃんは、まりしゃを飼ってくれないの?まりしゃ、こんなにゆっくちしてるのに・・」


こうして今朝も暗い気持ちで、電柱の下からおうちまで、ずーりずーりとあんよを這わせることになるのだ。


「おちびちゃん、ゆっくりれいむに乗ってね。おうちにかえって、ごはんさんをむーしゃむーしゃしようね。」

「ゆっ!まりしゃ、おうちに帰って、ごはんさんをむーちゃむーちゃするんだじぇ!」


ご飯と聞いて子まりさの表情がパアアッと明るくなり、ぽいんと跳ねてれいむの頭の上に乗った。
ここからおうちのある場所まで、れいむのあんよで10分程度。
子まりさを頭に乗せたれいむが、ずーりずーりと早朝の町を這っていく。



「ゆっくりただいまだよ!おちびちゃん、ごはんさんをむーしゃむーしゃしようね!」

「ゆっくち!ごはんさん!まりしゃ、ごはんさんをむーちゃむちゃして、ゆっくりするにぇ!」



おうち、と言っても狭い小路の自動販売機の裏、そのわずかなスペースに口の開いた段ボールを置き、中を葉っぱや古新聞などで敷き詰めただけの粗末な作りだ。
粗末といってもゆっくりにとっては十分に、生活の拠点としての機能を果たすものとなっていた。


「きょうも、おべんとうさんの残りをたいせつにむーしゃむしゃするよ!あじわってたべようね!」


れいむが段ボールハウスの奥、新聞紙を被せて隠していた容器をくわえると、おうちの真ん中に置いた。
コンビニで廃棄となった弁当だ。
プラの上蓋を舌で器用に開けると、汚い食べ残しの惣菜が現れた。

「ゆわわわわわああっ!おべんとうさん、ゆっくりしてるにぇ!きょうも、かわいいまりしゃにむーちゃむーちゃされてにぇ!」


子まりさの表情が、また一段と明るくなる。
大好きなごはんさん。それも、人間の食べる物。普段食べている公園の草や、ゴミ捨て場で拾う野菜屑と違い、格段においしかった。

「ゆふふふ。おちびちゃん、もうおべんとうさん、今日で最後だね。れいむはお腹がへっていないから、おちびちゃんがぜんぶたべてね!」


れいむが、コンビニのゴミ袋から廃棄の弁当を拾ってきたのが四日前。
未開封の幕の内弁当を一つ、まるまる拾ってきたのだった。弁当を頭の上にのせ、ゆっゆっ!と上機嫌で跳ねておうちまで帰ってきたときのおちびちゃんの喜びようといったら。
そんなゆっくりできるお弁当も、残りは食べかけのカマボコ、鮭の骨と皮にわずかな白米と漬物を残すのみ。
すべて乾いてパサパサになり、とても人間の食べられたものではないが、ゆっくりにとってご馳走なのは言うまでもない。


「カマボコさん!むーちゃむーちゃ!ちちちち、ちあわせえええええええ!!さかなの骨さん!ちあわせえええ!!!」


弁当の容器の中に入り、食べカスを撒き散らしながらしあわせー!と連呼する子まりさを、れいむはにっこり笑顔で見守っていた。
その目尻にはうっすらと涙。


「ゆうううう。れいむのおちびちゃん。とっても、ゆっくりしてるよお。れいむのおちびちゃん、とってもとっても、かわいいよおおおお!!」


れいむのしあわせー!と子まりさのちあわせー!。
二匹の小さな命にとって、この町の喧騒はあまりにミスマッチだ。
もうすぐやってくるであろう冬。

「これで、おべんとうさんはおわりだね・・。明日からまた草さんをむーしゃむーしゃしながら、れいむがかりにいかないと・・・。それに冬さんも来るよ。さむいさむいがやってきたら、このおうちさんには住めないよ。一日も早く、にんげんさんに飼ってもらわないといけないよ・・・。」

子まりさは、ぺーろぺーろと空になった容器の中を舐めている。
まだ味がするのか、食べカスを舐めとっているのか。
やがて舐めつかれたのか、弁当容器の中で、そのままゆぴぃゆぴぃと寝息を立て始めた。


れいむは考えていた。
この段ボールでできた巣では、きっと冬は越せない。だから、おちびちゃんと一緒に、飼いゆっくりにならなきゃ。
今日もまた、お日さまがさよならする時間にいつもの場所で、にんげんさんにお願いしないといけないね・・。














日が沈み、学生が、サラリーマンが。駅から家に帰る時間。
再び、あの電柱の下で、2匹は行き交う人たちにお願いをするのだった。


「おでがいします!にんげんさん、れいむとおちびちゃんを、飼いゆっくりにしてね!」
「してにぇ!」

必死に頭を下げ、揉み上げをぴこぴこさせて。
子まりさはのーびのーびして。


「れいむは、かわいいおうたが歌えるよ!ゆー♪ゆーゆー♪」

れいむが歌を歌い始めると、まりさもそれに合わせて体をゆらし、のーびのーびする。

「まりしゃ、にょーびにょーびするよ!にょーびにょーび!」


やはり朝と同じで足を止める者はいない。
皆、見て見ぬふりをして通り過ぎるか、眉をひそめて避けて通るかだった。
だが、今日はいつもと違うことが起きた。
50代くらい、身なりの汚いおじさんが一人、電柱に近づいていく。


「ゆゆっ?」


れいむが、近づいてくる人間に気がつき、歌うのをやめる。
チャンスとうっらいっだよ!お話さえ聞いてもらえれば、きっとすぐに飼ってもらえるよ。だって、れいむもおちびちゃんも、こんなにゆっくりしているのだからねっ!


「にんげんさん!まりしゃ、にょーびにょーびだよ!にょーびにょーび!」


子まりさもおじさんに向かって、精一杯のかわいさでのーびのーびする。
こんなにかわいいまりしゃをみたら、にんげんさんはめろめろなんだじぇ!


しかし、おじさんの反応は、彼女たちの期待を大きく裏切るものだった。


「にんげんさん、れいむはしんぐるま・・・ゆべっ!?」

バーン!
れいむの頬におじさんの平手打ち。

「おめえらよ、うるせえんだよ。疲れて帰ってきて、クソみたいな雑音撒き散らしてんじゃねえよ!」

何が起こったかわからない、ただ涙目となり、呆然と立ち尽くすれいむの顔面に、おじさんの蹴りが入る。

バシッ!!

「ゆべべべべっ!!!」

ゴロンゴロン、ゴチン!
転がったれいむが、電柱に頭を打ち付けて止まる。


「ゆうううううううう!?ゆうううううううう!!??」


目から大粒の涙を流し、おじさんを見てガタガタと震えるれいむ。


「ゆえーんゆえーん!ゆっくちしてにぇ、みゃみゃー!ぺーろぺーろ、ぺーろぺーろ!」


子まりさは、ぽいんぽいんとれいむのところまで跳ねると、涙をこぼしながらぺーろぺーろを始めた。



「人間様をなめるんじゃねえ。誰がおまえらみたいなうす汚いゴミを飼うってんだ!」


おじさんが更なる暴力を振るうべく、れいむとの距離を詰める。
電柱に背中をぴったりとつけ、涙を流しながら震えるれいむは、久々に人間から受ける暴力に恐怖していた。


「に、にんげんざん!!ゆるじでくだざい!!いたいこと、しないでくだざい!れいむがわるかったら、あやばりますがら!!」

「やめてあげてにぇ?みゃみゃがいたがってるよ!まりしゃ、ぷくーするよ!」


子まりさは、大切な母親を守るべく、ぷくーと顔を膨らませる。
しかし、その膨らんだ頬を、大粒の涙が伝っていくのだった。



「ああ?謝ってすむなら警察はいらねーんだよ、このゴミゆっくりが!!」


おじさんがれいむを踏みつける。
何度も、何度も。
執拗に踏みつける。

ガスッ!ガスッ!ガスッ!
ガスッ!ガスッ!ガスッ!


「ゆべっ!にんげんさん・・・おでがいゆべっ! しまず・・ゆべっ! いたいこと・・ゆべっ! じないで・・ゆべっ!
くだざい・・ゆべっ!」


「ゆええええええん!みゃみゃー!ゆえええんゆえええええん!!」


子まりさは、ただただ踏みつけれるれいむにぴったりとくっつき、泣き喚くことしかできない。


電柱の前を通る人は、みな見て見ぬふりをして通り過ぎる。
野良ゆっくりをおじさんが駆除している。よくあること。そんな程度の認識だ。


「なんだ?このクソちびは。お前も踏まれたいのか?」


おじさんが足を振り上げる。


「ゆっ!? まってね!!まってね!!おちびちゃんにひどいごどじないでね!!おちびちゃん、ゆっくりしないで、はやくれいむのおくちのなかに入ってね!」


おじさんに散々踏まれ、地面に突っ伏したままのれいむは、子まりさを口の中へと避難させるべく、ずーりずーりと腹ばいのまま子まりさの方へ口を向ける。

「ゆぐっ・・ゆぐっ・・・!まりしゃ、ゆっくちひなんするよ!」

ベソをかきながら、子まりさはれいむの口の中へと避難した。


「はははっ!泣かせるじゃねーか。汚いゴミのくせになぁ!」


おじさんは、子まりさが入り、頬の膨れたれいむの顔面を、何度も蹴りつける。


バシッ!ドゴッ!バシッ!ドゴッ!


「んぐううううう!!・・・・・!!!・・・!! んぐううう!! んぎぎぎ・・・んんんん!!!!・・ぐっ・・・・!」


蹴られる度、口を閉じたれいむからくぐもった声が漏れる。


(おちびちゃんは・・・れいむのかわいいおちびちゃんだけは、ぜったいにまもるよ!)


れいむは、涙の溢出る目を閉じ、おじさんの蹴りから逃れるように地面に顔をつけて丸くなると、背中でおじさんの執拗な暴力を受け続けた。


「オラッ!オラッ!オラッ!オラオラオラオラ!」


バシッ!ドガッ!バシッ!


「んーーーーーーーっ!!!んーーーーーー!! んぐううううううううううううう!!」


れいむは必死に耐える。
どうしてこんなことに・・・ただれいむは、おちびちゃんとゆっくりしたかっただけなのに。
にんげんさんに、おねがいしていただけなのに。


バスッ!バスッ!!


「ふう、まぁ、こんなとこかな。おまえの母性(笑)に免じてこれくらいで許してやるよ。次見かけたら、こんなもんじゃ済まさねーからな。覚えとけよ!」


おじさんは満足したのか、あるいは蹴り疲れたのか、ペッとれいむに唾を吐きかけると、何事もなかったかのようにその場を去っていった。
後に残されたのは蹴られてボロボロのれいむと、同じく悲しくて悔しくてボロボロ泣く子まりさだった。



「ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・おちびちゃん・・・ゆっくり口の中から出てきてね・・・。」
「ゆえーん!ゆえーーん!みゃみゃ、ゆっくち!ゆっくちしてね、ぺーろぺーろ!ぺーろぺーろ!」

口の中から出てきた子まりさは、ボロボロと涙を流しながら、何度もれいむの傷をぺーろぺーろする。


「ありがとう、おちびちゃん。れいむはへいきだよ・・・・ゆぐっ・・ゆぐっ・・。」

おじさんの靴の痕が生々しい。
もう夜がそこまで来ている。薄暗い夕方の町。
れいむと子まりさは、饅頭肌をぴったりとくっつけて、すーりすーりをする。
涙を流しながら。悲しい、とっても悲しいすーりすーり。

「みゃみゃ・・・ゆっくち・・・しゅーりしゅーり・・・。」
















「キミたち、酷い目にあったね。大丈夫かい?」


しばらくすーりすーりをしていると、突然別の人間が、彼女たちの前へ現れる。



「ゆうううううううううううううううううううう!!!??」


新たな脅威に目を白黒させながら、人間のほうを振り返る2匹。
れいむはふたたびガタガタと震えだし、目からは涙が溢れ出す。
子まりさにいたっては、またやってきた緊張感からか、まむまむからしーしーがチョロチョロと漏れ出している。


「ゆうううううううううっ・・・!にんげんざん!!もうやべでくだざい!!もうゆるじでくだざいいいい!!
おでがいじまず!!おでがいじまず!!!」

れいむは泣きながら何度も頭を下げ、もう許してと懇願する。


「ゆえーんゆえーん!みゃみゃをいじめたらいけないんだじぇー!!」

子まりさは、しーしーをもらしながら泣き叫ぶ。



「ああ、驚かせちゃってすまないね。大丈夫、危害を加えるつもりはないよ。」


そう言って2匹と同じ目線になるように、屈んでしゃべるお兄さん。
20代くらいだろうか?スーツ姿から想像するに、会社帰りのサラリーマンといったところだ。



「ゆううう?ほんとにい・・・?ほんとにいたいことしない??」


優しそうなお兄さんの声に、泣き止んだれいむが、半ベソをかきながらお兄さんを見る。
まだまだ警戒しているようだ。
あんなことがあった後では、当然と言えるかもしれない。


「ゆうううう。みゃみゃをいじめにゃい?おにーさんはゆっくちできるひと?」


体をれいむの頬にぴったりとつけたまま、子まりさが聞く。


「ああ、ゆっくりできるひとだよ。ゆっくりしていってね。」


その言葉を聞いた瞬間、2匹の表情がぱああっと明るくなる。


「ゆううううううう!!おにーさん!れいむはれいむだよ、ゆっくりしていってね!!」
「まりしゃはまりしゃだじぇ!ゆっくりしていってにぇ!」


2匹はこの日初めて、とてもゆっくりとした挨拶を交わしたのだった。


「こっぴどくやられたようだね。この辺りはゆっくりをあまり快く思っていない人がいるから、気をつけないといけないよ。」


お兄さんは胸のポケットからハンカチを出すと、蹴られて汚れたれいむのからだを優しく拭う。


「ゆうううぅう。おにいさん、ゆっくりありがとうだよ・・ふーきふーきはゆっくりできるよ。」


礼を述べるれいむの饅頭肌に染み付いた汚れは、ハンカチで拭いたからといってすぐ取れるものではなかったが、優しいお兄さんにすーりすーりしてもらっているような感覚。
れいむは、とてもゆっくりできるのだった。

お尻側を拭こうと、後ろ向きにしたれいむのあにゃるの辺りを見て、お兄さんがあることに気がつく。


「おや・・・・?れいむ、このたくさんの筋は何だい?」


あにゃるから背中まで、びっしりと付いた赤黒い筋。
傷跡のようだが、蹴られたとはまた違う。野良ゆっくりとはいえ、この傷は不自然だ。


「ゆ・・・それは・・・。ゆっぐ・・ゆっぐ・・・。」


傷のことを聞かれて、れいむの目には再び涙が浮かぶ。


「れいむはね、飼いゆっくりだったんだよ・・。」


れいむが、涙を流しながら辛かったであろう過去をお兄さんに話し始めた。





「れいむは、こわいお兄さんの飼いゆっくりだったんだよ。
 お兄さんは、れいむをぶったり、けったり、無理やりすっきりーしたり、ゆっくりできないことをたくさんされたよ・・
 うんうんさんをすると、れいむはゆっくりできないおしおきをされたよ。
 むーしゃむーしゃも、ごーくごーくもさせてもらえないで、たくさんいたいいたいをされたよ。

 お兄さんは、ムチさんでれいむをたくさん、たくさん叩いたよ。
 くそまんじゅう、くそまんじゅうっていいながら、れいむを毎日いじめたよ。
 れいむおまんじゅうさんじゃないのに・・

 ゆっぐ・・ゆっぐ・・・れいむがごめんなさいしても、お兄さんはゆるしてくれなかったよ。
 れいむは必死にお兄さんの部屋を逃げ回ったよ。でもすぐにつかまって、ムチさんで叩かれたよ・・
 ムチさんはいたくて、ゆっくりできないよ。ムチさんに、れいむは何度もあやまったけど、やっぱりゆるしてくれないよ・・

 れいむは、お兄さんが狩りにいっているときに、石さんをくわえて、窓にぶつけて、逃げてきたんだよ。
 それで、ピカピカのお帽子のとてもゆっくりしたまりさに出逢って、すっきりーして・・・・。」


ゆぐゆぐと涙に声を詰まらせながら、その過酷な反省を語るれいむ。
つまり、飼い主の虐待に耐えかね、部屋にあった灰皿で窓ガラスを割り、逃げた。
町でまりさとつがいになり、母親となったが、まりさと他の姉妹は駆除され、残ったのは子まりさ一匹。
背中に走る筋は、以前飼い主から受けた鞭打ちの傷らしい。
今は野良ゆっくりとなり、再び人間に飼ってもらえるよう、こうして町で歌っているというわけだ。


「みゃみゃー、ゆっぐぢ!ゆっぐぢしてにぇー・・ぺーろぺーろ、ぺーろぺーろ。」


左右の揉み上げを目にあて、むせび泣くれいむに、子まりさも泣きながら寄り添い、ぺーろぺーろをした。


「おちびちゃん・・・泣き虫なママで、ごめんね・・・ゆっぐ・・ゆっぐ・・・。」


れいむの話を黙って聞いていたお兄さん。
今も背中に残る凄惨な虐待の傷跡。
何より、ゆっくりとはいえ彼女の心の傷は、癒えることはないだろう。


「そうだったのか・・。思い出させてしまって、すまなかったね。」


お兄さんは立ち上がり、鞄からキャンディーを2つ取り出し、包みを取ると、寄り添ってゆんゆん泣いている2匹の前に置いた。


「僕はキミたちを飼うことは出来ないけど・・優しい飼い主が見つかるといいね。」


目の前のキャンディーを見て、子まりさが笑顔になる。


「ゆゆっ!?あまあましゃん!みゃみゃー、あまあましゃんだよ!」


子まりさはキャンディをぱくっと口の中に入れると、ゆゆゆゆ・・と小刻みに震える。


「ちちちちちちち、ちあわせえええええええええええええ!!!」


だらしなく涎を四方に撒き散らしながら、まりさはぴょいん!と跳ねて叫んだ。
初めて食べるあまあま。その濃厚な甘さが口いっぱいに広がる。
子まりさの小さな口に入ったキャンディー。ゴロゴロと口の中で転がし、幸せを噛みしめる。


「お兄さん、ゆっくりありがとう!おちびちゃんも、ゆっくりお礼を言おうね。」


れいむが頭を下げ、子まりさにも礼を促す。


「おにーしゃん!あまあまはゆっくちできるんだじぇ!ありがとうなんだじぇ!」


さっきまでの泣き虫はどこへやら。
2匹はとてもゆっくりとした笑顔で、その場をあとにするお兄さんを見送った。












すっかり暗くなった町。
家までの道をずりずりと這うゆっくり親子。
れいむの口の中を、ごろごろと転がるキャンディー。
頭の上にでは子まりさが、キャンディーの入った頬を膨らませ、涎を垂らしては恍惚の表情を浮かべている。



30分後、自動販売機裏のれいむのおうち。
段ボールハウスの中、ゆぴぃゆぴぃと寝息を立てる可愛いわが子に、そっと古新聞をかけるれいむ。

「れいむのかわいいかわいいおちびちゃん。とってもゆっくりしてるよ・・・。」


れいむは子まりさの寝顔を見ながら、今日の出来事を思い出していた。
そして考えていた。


「あまあまさんをくれたお兄さん、とってもゆっくりしていたよ・・れいむ、お兄さんに飼ってほしいよ・・・。
 お兄さんと一緒にたくさんゆっくりしたよ・・・。でも、どうしたらお兄さんに飼ってもらえるか、わからないよ・・。」


とてもゆっくりとした、優しいお兄さん。
お兄さんの飼いゆっくりになりたい。
でも、どうしたらいいかわからない。
れいむは夜通し考えた。
どうしたらお兄さんに飼ってもらえるのだろう?
どうしたら、どうしたら―。


やがて、夜が明けた。
れいむは子まりさをすーりすーりで優しく起こすと、いつものように挨拶をする。


「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!」

「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」


れいむは、子まりさのお帽子をいつものようにぺーろぺーろして綺麗に整えると、いつになくキリっとした表情で話す。


「おちびちゃん、ゆっくり聞いてね!」

「ゆっ?ゆっくち聞くよ!」



「きのうのお兄さんは、とてもゆっくりしていたよ。だから、れいむとおちびちゃんは、お兄さんに、飼ってもらうことにしたよ!」

「ゆっくちー!まりしゃも、おにいしゃんに、飼ってもらいたいんだじぇー!」



れいむは考えた。
どうしたらお兄さんに飼ってもらえるか。
それには、お兄さんをゆっくりさせればいい、ゆっくりさせれば、れいむたちもゆっくり飼ってもらえるだろう。
所詮はゆっくり。
餡子脳で一晩かけて導き出した考えは、あまりに稚拙だった。

お兄さんをゆっくりさせるにはどうしたらいいか。
れいむのゆっくりできるお歌。子まりさのゆっくりできる踊り。
それに加えてもう一つ。
決定的なものが欲しい。

れいむは考えた。
自分たちが、ゆっくりできるもの。
今まで、自分たちをゆっくりさせてくれたもの。
それは何か―。


「お兄さんに、ゆっくりできるおべんとうさんをつくるよ!!」

「ゆっくちー!まりしゃも、おべんとうしゃんをつくるんだじぇ!」





こうして、ゆっくり親子の「おべんとうづくり」が始まった。





















人気のいない早朝の公園。
そこにれいむと、子まりさはいた。
れいむは、昨日中身をすべて食べてしまって、空となったプラの弁当容器を頭に乗せて運び、子まりさとともにこの公園まで来たのだった。


「おちびちゃん!お兄さんのために、美味しい草さんをたくさん集めようね!」

「ゆっくちりかいしちゃよ!」


れいむと子まりさは、公園に生えている雑草をゆっゆっと口で引き抜いては、弁当容器の隣にせっせと集めた。
成体ゆっくりの一食分ほどになったところで、れいむは舌を器用に使い、集めた雑草を自身の口の中へ運ぶ。

「ゆっくりこーねこーねするよ!」

「ゆっくち!みゃみゃのおだんごしゃんは、とってもゆっくちできるにぇ!」



クチャクチャと、れいむは口の中で雑草を咀嚼する。
クチャクチャ、ニチャニチャ。もぐもぐ、もぐもぐ。
繊維をすり潰し、唾液と混ぜる。
雑草の形がなくなったろころでペッと吐き出すと、今度は舌で器用に丸め始めた。


「ぺーろぺーろ。ゆっくり丸めるよ!ぺーろぺーろ。」

「ゆっくちまるまってにぇ!まりしゃ、こーろこーろしておうえんするんだじぇ!」


コロコロと草だんごの廻りを転がる子まりさ。
ペロペロクチャクチャと、汚い音をたて、れいむは草だんごを丸めていく。


「かんっせいだよ!」


そうこうしているうちに、一つ目の草だんごが完成したようだ。


「ゆわわわああああ~!ゆっくちしてるにぇー!」


子まりさが口から涎をたらしながら、キラキラと目を輝かせ、れいむの作った草だんごを見つめている。


「ゆふふふ!おだんごさんは、れいむのとくいりょうりっ!だよ!たくさんつくるよ!」


れいむが再び雑草の咀嚼を始める。
もぐもぐ・・・クチャクチャ
ペチャクチャ、ぺーろぺーろ。


5分後、そこにはピンポン玉サイズの草だんごが4つと、一回り小さな草だんごがひとつ。
れいむは丁寧に三つの草だんごを咥え、プラの弁当容器に入れていく。
その様子を、子まりさはやはり涎をたらしながら眺めているのだった。

「おちびちゃん、この小さなおだんごさんは、おちびちゃんの分だよ!ゆっくりむーしゃむーしゃしようね!」

「ゆうううう!?ゆっくちー!!」

れいむが舌で小さな草だんごを子まりさの前に押しやると、子まりさは驚喜の声を上げる。



「ゆっくちむーちゃむーちゃするよ!むーちゃむーちゃ!ちちちちち・・ちあわせえええええええ!」


れいむ特製の草だんごに、涎が四散するのもかまわずむしゃぶりつく子まりさ。
母親の手料理は通常の食事に比べて、本能をゆっくりさせるのだろう。
食べカスを汚く撒き散らしながら、しあわせー!と叫ぶ。
それを見ているれいむといえば、顔を綻ばせ、可愛いわが子のゆっくりした姿に、またしあわせー!を感じるのだった。

「ゆううううう・・。れいむのかわいいおちびちゃん。とってもとってもゆっくりしてるよぉ。しあわせー!」



しばらくゆっくりした後、れいむたちはおべんとう作りを再開させる。
公園での狩りは、子まりさの応援もあってか、大収穫だった。
芋虫、蝶といった昆虫から、木の実や花、まだ甘味の残るアイスの棒。
野良ゆっくりにとってはご馳走だ。
れいむは食材を丁寧に弁当容器に入れると、頭の上に乗せ、子まりさと共におうちへと戻る。




「おちびちゃん、これを見てね!たいっりょうだよ!」

「ゆうううう!ごちそうさんだにぇー!ゆっくちー!」


段ボールハウスの中で、“ごちそうさん”の入った弁当容器を囲み、2匹はとてもゆっくりした。
子まりさの目は、大好物である芋虫に釘付けだ。

「ゆぅぅぅ。いもむししゃん・・とてもゆっくちしてるのじぇー・・。ゆゆゆゆゆ。」


子まりさの口からは、涎がとめどなく溢れる。


「おちびちゃん、いもむしさんはとってもゆっくりしてるね!でも、お兄さんのために、今はゆっくりがまんしようね。」

「ゆゆゆゆ・・。まりしゃ、ゆっくちがまんするよ!」

「それじゃあ、すーやすーやしたら、今度は別のばしょでかりをしようね!」

「ゆっくちりかいしたよ!・・・・すーやすーや。」



朝から動き回っていたため、さすがに疲れたのだろう。
2匹は体を寄せ合って、昼寝を始めた。
午後からは別の場所で狩りをしよう。れいむは考えながら、子まりさと同じようにゆぴぃ、ゆぴぃと寝息を立てるのだった。




2時間後。
近くのゴミ捨て場に、2匹はいた。
投棄された大きなゴミ袋を噛み千切り、穴に頭からつっこんでは、ぷりんぷりんとお尻を振るれいむ。
生ゴミだけを口にくわえ、路上にペッと吐き出しては、子まりさとともに選別する。

「お野菜さんがあるよ!これもおべんとうさんに入れようね。」

「おやさいしゃんは、とってもゆっくちだにぇ!」


腐りかけのキャベツの芯、にんじんの皮、大根の葉などの野菜屑を集めては、持ってきた弁当容器に入れていく。
弁当容器は、れいむたちの集めた食材によりあらかた埋まり、もうすぐ完成といったところだ。


「ゆううぅぅ!ゆっくちできるぴかぴかさんだにぇー!まりしゃの宝物にするんだじぇ!」


どうやら、子まりさがビール栓、いわいる王冠を発見したらしい。
れいむに一通り自慢した後、大事そうにお帽子の中へとしまう。


それからもれいむたちはゴミを漁り、肉の脂身や卵の殻、味噌汁の残りであろうしじみ貝などを見つけては、弁当容器に入れていった。
そろそろ夕暮、といった時間まで必死にゴミをあさっていた甲斐もあり、ついに弁当容器は隙間なく埋まった。
れいむは弁当容器にフタを被せると、揉み上げを使い、容器ごと頭に乗せる。
子まりさの方へ向き直ると、キリっとした表情で高らかに宣言した。



「れいむのおべんとうさん、かんっせい!だよ!」

「ゆっくちー!!」


パアアァっと明るい表情になる2匹。
れいむの目には、うっすら涙が浮かんでいる。
今日一日。お兄さんのために、一生懸命頑張った。
まだ幼い子まりさも、れいむを応援して、支えてくれた。
達成感で2匹は、胸がいっぱいだった。



「とっても、とってもゆっくりしたおべんとうさんだよおおお。お兄さんもきっと、よろこんでくれるよ!」

「しょうだにぇー!ゆっくちだにぇー!」





れいむと子まりさは、のーびのーびしたり、すーりすーりしたりして、お弁当の完成を喜びあった。



「おちびちゃん、そろそろお兄さんが帰ってくる時間だよ。ゆっくり電柱さんまで行こうね!」


すっかり日も暮れ、夜はすぐそこ。
れいむは、頭の上に乗せた大事なお弁当を落とさぬよう、慎重にずーりずーりと足を進める。


「ゆっくち!ゆっくち!まりしゃのおべんとうしゃん、ゆっくち!」


上機嫌の子まりさは、這い進むれいむの隣でぴょいんぴょいんと跳ね回る。




ゆうううう。はやく、お兄さんに会いたいよ。
お兄さんに、れいむのおべんとうさんを食べてもらいたいよ。
れいむのおべんとうさんで、ゆっくりしてほしいよ―








夕暮れ、多くの人が帰路へつく時間。駅から続く一本道。
その電柱の下に、再び彼女たちはいた。
道を通る人の中に、昨日のお兄さんを探しているのだ。


「ゆー。お兄さん、まだかな。はやく、れいむのおべんとうさんでゆっくりしてもらいたいよ。」


中身の詰まった弁当容器を、頭の上に乗せたれいむは、待ちきれないといった様子で、体を左右にふーりふーりしていた。
その足元では、同じように待ちきれない様子の子まりさが、こーろこーろと転がっている。

「まりしゃ、お兄さんがくるまでこーろこーろするよ!」


通りがかる人たちは、電柱の前の奇妙な光景に眉をひそめる。
うす汚い野良ゆっくりが、大小二匹。
大きいほうが頭の上にコンビニの弁当容器を乗せて体を揺すり、小さいほうがそのまわりを転げまわっている。
所々毛羽立ち、ボロボロになった汚い飾り。れいむのまむまむの辺りは、こびりついたしーしーで黄ばんでいる。
最近よくこの場所でお歌、もとい騒音を撒き散らしている固体だろうか。
野良ゆっくりは汚く、臭い。関わるだけ時間の無駄だ・・・。
人々は無関心を装い、彼女たちを徹底的に無視する。見て見ぬフリを決めこむ。
それが、彼女たちがこの町で駆除されずに、生き残ってきた理由かもしれない。
しかしながらそんな事は、ゆっくりにとってはどうでも良いことだった。


「ゆゆっ!?お兄さんだよ!」

しばらく行きかう人々を眺めていたれいむが、お兄さんの顔を見つける。
お兄さんは昨日と同じくスーツの格好で、帰宅する人に混じって道を歩いていた。


「お兄さん!ゆっくり待ってね!れいむはれいむだよ!」


れいむは、左右で揉み上げで頭上の弁当容器を押さえると、ぽいんぽいんと道の真ん中へ跳ねていった。
その後ろを子まりさが続く。


「うわっ!なんだ?野良ゆっくりか?」


お兄さん―と呼ばれた男は、目の前に出てきた汚い野良ゆっくりを見て一瞬たじろいだ。
コンビニの弁当容器を頭に乗せたゆっくりに突然呼ばれたら、誰だって驚くだろう。


「お兄さん!昨日はゆっくりありがとうだよ!れいむは、お兄さんにお礼がしたくて、おべんとうさんを作ってきたよ!」

「だじぇ!だじぇ!」


ゆっへんと得意気な表情のれいむの廻りを、例によって子まりさがぴょいんぴょいんと跳ね回っている。


「昨日のこと?なんだ?お弁当って・・・お前が?」



男は、何の事かわからない。最も、ゆっくりの喋る言葉など何の意味もないと思っているのだが。
この男は、昨日れいむたちに優しく接したお兄さんとは別人であった。
人間が、ゆっくりの個体差を外観から判別できないように、ゆっくりもまた、人間の個体差を判別するのは難しい。
20代くらい、昨日のお兄さんと同じ背格好で、同じ色のスーツを着た人間。
れいむが見間違うのも仕方ない。


道路の真ん中に、野良ゆっくり親子と会社帰りの青年。
道行く人々は我関せず、避けるように、何も見えていないかのように振舞う。


「お兄さん!れいむのおべんとうさんを見てね!とってもゆっくりしたおべんとうさんだよ。」


れいむは頭の上の弁当容器を地面に置き、上蓋を口で取る。
舌で男の足元に容器を押し出すと、中身を披露した。

「ゆっくりしていってね!」

「ゆっくちしていってにぇ!」



男はポカンとしている。
足元には、コンビニの弁当容器にこれでもかと詰まった生ゴミ。
腐った野菜クズに、すえた臭いを放つ、ドロドロの草だんご、虫の死骸、そして汚い何か。
目の前には、得意気な表情でこちらを見ている2匹の、これまた汚く、臭い野良ゆっくり親子。


「お兄さん、どうしたの?たべないの?・・・えんりょしてるんだね!」

「そうだにぇー!」



れいむは、ゆっへん!と誇らしい顔つきになると、男の足元の弁当の一品一品を舌で指し示し、説明を始めた。



「れいむのとくいりょうりっ!のおだんごさん。たくさんこーねこーねして、ぺーろぺーろしたよ!」

「ゆっくち!ゆっくち!」

「大きなまんまるいもむしさん。とーっても、とーってもおいしいよー!」

「まりしゃの、だいこうぶつだじぇー!」

「ふわふわちょうちょさんに、あまーいおはなさん。デザートさんには、おちびちゃんのみつけた、アイスの棒さんもあるよ!」

「アイスの棒さんは、まりしゃがみつけたんだじぇー!すごいんだじぇ!」

「たーくさんのお野菜さんに、海の幸さんもあるよ。えいっようっ!バランスまで考えるなんて、れいむはりょうさいけんぼっ!だね!」

「まりしゃのみゃみゃは、せかいいちなんだじぇ!ゆっくちー!」



野良ゆっくりが2匹、生ゴミの前で騒いでいる。
しかも、この生ゴミを、自分に食え、だと・・?
男は拳を握ると、プルプルと震え始めた。


「ゆゆっ!?お兄さん、れいむのゆっくりしたおべんとうさんに、かんどうっ!してるんだね!れいむにはわかるよっ!」

「かんどうやさんなんだじぇ!」


れいむの、一生懸命作ったおべんとうさん。とっても、とってもゆっくりできる筈だ。
れいむは確信していた。
このおべんとうさんを食べたら、きっとお兄さんはゆっくりする。


「お兄さん!おべんとうさんを食べて、ゆっくりできたら、・・・れいむを飼ってね!」

「飼ってにぇ!」


きっとお兄さんは、感動して、れいむたちを飼ってくれる。
れいむとおちびちゃんは、お兄さんと一緒に、ずっとゆっくりできる―






だが、れいむの思い描く明るい未来は、決して現実にはならなかった。


「・・・ふざけんじゃねぇ。」

男が口を開く。静かに。それは、れいむの想像していた言葉とはまったく違うものだった。


「ゆっ!?お兄さん・・・?」

「ゆっくち・・・してにぇ・・?」


突然のゆっくりしていない言葉に、驚いた2匹は、恐る恐る男の顔を覗き込む。
それとほぼ同時に―









グシャアアアアアアアアアアアッッッ!!!!





振り上げられた男の右足が、れいむのお弁当を踏み抜いた。


「ゆうううううううううううう!!?? どぼぢでえええええええええええええ!!??」


れいむは訳が分からず、混乱している。


「ゆえーんゆえーん!まりしゃのおべんとうしゃん、ゆっくちしてにぇ!ゆえーんゆえーん!」

子まりさはただただ、泣き喚く。



「クソ饅頭どもが・・・生ゴミ見せやがって・・・」


男が、再び右足をゆっくりと振り上げる。
靴の下から現れた、見るも無残なれいむのお弁当。
草団子は潰れ、花は踏みにじられ、野菜屑は飛び散っている。


「ゆうううううううう!!れいむのおべんとうさん!ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!!」


グシャグシャに潰れたお弁当を目にしたれいむは、大粒の涙をボロボロとこぼす。
飛び散った野菜屑を戻そうと、地面に顔をつけ、必死に拾い集めている。


「なにが弁当だ・・・生ゴミじゃねえか!!」



男の振り上げた右足が、原型を留めていない弁当容器の上で踊り狂う。


グシャッ!グシャッ!グシャッ!!


「ゆーーーーーっ!!やめてにぇ!やめてにぇ!まりしゃのおべんとうしゃん、いじめにゃいでにぇ!ゆえええん!!ゆええええん!!」


子まりさは泣きながら、おさげをぴこぴこさせ、弁当を蹂躙する男の靴に抗議する。
ぴょいん、ぴょいんとその場で跳ねるたび、小さなまむまむからはしーしーが飛び散るのだった。


グシャッ!!グシャッ!!


男は無言で弁当を踏みつける。



「おにいざん!!!やめでねぇえええ!!れいぶのおべんどうざん、ぎにいらながっだらあやばりまずがらああああ!!!」

れいむも揉み上げをぴこぴこと上下させながら、ただただ踏みつけられる弁当を見ているしかない。


グシャッ!!グシャッ!!グシャアアッ!!


「まりしゃのいもむししゃん!!みゃみゃがいっしょうけんめいつくった、おだんごしゃん!!ゆああああ!!やめちぇにぇえええ!!」


弁当の中身が飛び散るたび、子まりさは泣き叫んだ。



やがて男の右足は止まり、残ったのはグチャグチャに潰れ、泥まみれとなった文字通りの生ゴミだった。



「ゆあ・・・ゆあああああ!!れいむのおだんござん!!いっしょうげんめい・・つくったのに・・・。」

緑色の、草団子“だった”ものの前で、ぴこぴこを振りながら声をあげるれいむ。
その体は、涙と涎でグショグショだ。

ずーりずーりと、他の生ゴミの前まで這う。

「ゆうううううう・・・。ごっちは・・・ちょうちょさん・・とってもふわふわで、おいしいのにいい・・ゆああああ!!」

ずーりずーり。

「おちびちゃんのだいすきな・・いもむしざん・・!ぷくぷくのまんまるで、ゆああああああ!!」

ずーりずーり。

「お野菜さん・・・!がんばっで・・あつめたよ・・・なのにいいいいい!! ゆええええええん!!」


れいむは、男の足元に散らかる生ゴミを名残惜しそうに眺めては、ただただ涙を流すのだった。




「ゆえーん!ゆえーん!おだんごしゃん!ゆっくちしてにぇ!ゆっくちしてにぇ!ぺーろぺーろ!」

子まりさはというと、容器から飛び出してアスファルトに張り付いている緑色の何かを舌で必死に引き剥がそうとしていた。

「ゆっくちなおってにぇ!ぺーろぺーろ!ぺーろぺーろ!」

泣きながら、ペロペログチャグチャと地面を舐める子まりさ。
れいむの作った草団子を、再び丸め直そうとでもしているのだろうか。
しかし、子まりさの唾液のまじったそれは、染みのように広がるばかりだった。

「おだんごしゃん、どぼちてなおってくれにゃいの~?まりしゃおこるよ!ぷくー!」

涙をポロポロと流しながら、地面の染みにぷくーする子まりさ。
それを見ていたれいむは、再び悲しみの涙を流すのだった。



「おにいさん・・・どぼぢで・・? どぼぢて、こんなひどいことするの・・・?いっしょうけんめい・・つくったのに・・・。」


れいむは、男を見上げると、ガチガチ震えながら問いかけた。

「どぼぢでえ・・・?」



しかし、男の答えは暴力だった。


ベゴオッ!!


男の右足が、弁当ではなくれいむの顔面を蹴り抜く。

「んぎいいいいいいい!!!」


ゴロゴロゴロゴロ、ゴチン。

「ゆげっ!!」


地面を転がるれいむは、電柱に後頭部をぶつけて止まった。
前歯が数本折れ、切れた唇から餡子を垂らしながら震えるれいむに、男がゆっくりと近づいて行く。


「やめるんだじぇ~!みゃみゃをいじめにゃいでにぇ~!!ゆえーんゆえーん!」

泣きながら、ぽいんぽいんと男の足に体当たりする子まりさ。


「お前らさ・・・いつもここでギャーギャー喚いているやつだろ?毎日うるさくしやがって・・」


ビシッ!!

「ゆうううううう!!!」

子まりさが男の足によって、電柱まで蹴り飛ばされる。


「それだけならガマンすりゃいいだけの話だが、生ゴミを食えだ?人間ナメすぎだろ・・・」


「ゆえーん!ゆえーん!!まりしゃのきゅーとなおかおがああ!!いたいんだじぇー!!ゆえーん!」

「おちびちゃん!ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!ぺーろぺーろ!」

れいむは泣き叫ぶ子まりさの傷を治そうと、舌でぺーろぺーろをする。


男がゆっくりと電柱まで近づいてくる。
2匹は寄り添い、ガタガタと震えるしかない。


「お前らさ・・・どうしてあの生ゴミを俺に食わそうとしたの?」


2匹の前でしゃがみ、れいむの顔を覗き込むように、男が尋ねた。

「ゆっ・・・れいむは・・お兄さんにゆっくりしてもらだぐで・・おべんどうざんをつくったよ・・。
 おべんどうざんを食べて、ゆっくりしたら・・れいむをかってほしくで・・いっしょうけんめいつぐっだよ・・・。」

ゆぐゆぐと泣きながら、れいむは答える。


「あの生ゴミが弁当?はっ!笑わせるなよ・・」


「生ゴミじゃないのじぇ!みゃみゃのおだんごしゃんは、とってもゆっくちできるんだじぇ!ぷくー!」

れいむに足元で震える子まりさが、頬を膨らませて精一杯の威嚇をする。
しかし、ポロポロと涙を流しながらでは、その効果も半減するというもの。
否、効果など最初からなかったのかもしれない。


「ホントうぜえよ、お前らゆっくりは。」


男は立ち上がると、れいむを頭から踏みつけた。

「ゆぶっ!!!んーーー!!んーーーーーー!!!」


男の靴の下で、揉み上げをぴこぴこさせながら、苦しそうにもがくれいむ。

「ゆ~!!やめてあげちぇにぇ!みゃみゃがいたがってるのじぇ!!」

子まりさの嘆願は却下され、男の靴にはさらに力が加わる。


「・・・・・・っ!!! ・・・・・・!!! ~~~~~~~~っ!!!」


もはやれいむは、声を上げることすらできない。


「みゃみゃが、みゃみゃがあああ!!やめてにぇ!やめてにぇ!!」

男の足元でぴょんぴょん跳ねては、母親の解放を要求する子まりさ。
しかし、男は何も言わずにれいむを踏み続ける。

「~っ!ゆうう!!」

何かを決心したのか、子まりさはお帽子の中にお下げを入れ、ガーサゴーソすると、カランと音を立ててビール瓶の金属栓が出てきた。
子まりさの宝物、王冠だ。


「おにいしゃん!!まりしゃの宝物の、ぴかぴかさんをあげるのじぇ!!だから、みゃみゃをいじめないでにぇ!!」

大事な王冠を口に咥え、男に差し出す。
すると、男は足の力を弱め、れいむは男の靴から解放されたのだった。

「ゆひぃっ・・ゆひぃっ・・・。おちびちゃん・・・ごめんね・・たからものなのに・・・ごめんね・・・!」


苦しそうに呼吸しながら、れいむはゆぐゆぐと嗚咽を漏らす。
おちびちゃんの宝物。とっても大事なぴかぴかさん。


「ふうん・・宝物、ねぇ。俺はこっちのほうがいいな。」


子まりさの口元へと伸びた男の手は、王冠ではなく、お帽子を掴むと、ヒョイと奪った。


「おぼーち!!まりしゃのすてきなおぼーち!!かえすんだじぇー!!おぼーちいいいいい!!」


命の次に大切なお帽子を取られ、子まりさはてんってんっ!と跳ねながら舌を伸ばし、必死に取り返そうとする。


「お兄さん!!おでがいじまず!!おちびちゃんのおぼうし!!がえじであげでくだざいいい!!」


れいむも泣きながら懇願する。


「お帽子返して欲しかったらさ、いつもみたいに歌えよ。ゆっくりできたら、返してやる。」


男はニヤニヤと笑いながら、右手でつまんだお帽子をヒラヒラと揺らす。


「ゆうううう・・。ゆっくりりかいしたよ・・・。れいむ、ゆっくりできるおうたをうたうよ。おちびちゃん、ゆっくりれいむの頭の上にのってね。」

れいむが促すと、子まりさはゆんゆん泣きながら、れいむの頭の上にぴょんと乗った。



「ゆっくりうたうよ!ゆぅー♪ゆーーーー♪ゆぅ~~~♪」

「ゆっぐ・・にょーびのーびするんだじぇ・・・にょーびにょーび・・・ゆぐゆぐ・・。」


歌うれいむの頭上で、涙をポロポロと流しながらのーびのーびする子まりさ。
お帽子のために、必死に体を上下させ、ゆっくりできる踊りを踊る。



「ヘタクソッ!!!!!」


べちーん!!


「ゆううううううううううう!!??」


男の怒号、それと同時に、れいむの頬に平手打ちが飛んだ。
れいむの饅頭肌には、赤い紅葉がうっすらと浮かんでいる。


「そんなクソみたいな雑音じゃちっともゆっくりできないぞ?オラ!ちゃんと歌えよ!大事なお帽子なんだろ?」


男がひらひらと、またお帽子を子まりさの前でちらつかせる。

「おぼーちぃ・・・まりしゃのおぼーちかえすんだじぇ・・ゆっぐ・・ゆっぐ・・・。」


れいむの頭上で、泣きながら必死に舌を伸ばす子まりさ。
しかし、お帽子には届かない。
れいむはというと、自慢のお歌をヘタクソ呼ばわりされ、精神が揺らぎ始めていた。


「れいむのおうたは・・・ゆっぐりできるのにぃいいいい・・・。ゆっぐ・・ゆえええええん!!」


涙がとめどなく溢れ、紅葉の模様を濡らしていく。


「オラ、しっかり歌えよ。クソ饅頭が!」


男にせかされ、れいむは再び歌い始める。


「ゆううぅううう。ゆ~~~~。ゆううう。ゆーーー。」

「ヘタクソ!!ヘタクソ!!!」

「ゆううううう!? ゆっぐ・・ゆっぐ・・・ ゆ~~~・・・。ゆうううーーーー。ゆっぐ・・。」

「ヘタクソ!!マジメやれよ、ヘタクソ!!!」

「ゆううううう!!ゆっぐ・・ゆーーーーーーっ・・! ゆ~~~~~~っ・・・!! ゆええん!ゆえええん!!」

「泣いてても終んねーぞ、クソ饅頭!」

「ゆええええん!!ゆっぐ・・ゆっぐ・・ゆっ~~~~! ゆーー・・・・・・っ!! ~~~~っ!!」

「ヘタクソ!!もう一度最初からだ!!」

ビシッ!!

「・・・・・・っ!! っーーーーーーーー!!ゆええっぐ!!ゆえええっぐ!!」




れいむは、泣きながら、嗚咽を漏らしながら、一生懸命歌った。
その度に、男にヘタクソ、饅頭と怒鳴られ、なじられ、罵られた。
れいむのおうたは、とてもゆっくりできる。
ずっとそう思っていたれいむにとって、自分のおうたをけなされるのは、耐え難い苦痛だったのだろう。
声が出なくなるまで、れいむは何度も歌わされた。
涙で声が詰まると、容赦なく男の平手打ちが飛んできた。
れいむは何度も平手打ちを受け、何度も、何度もおうたを歌った。
そのれいむの頭上では、これまた泣きながら、子まりさがのーびのーびと、踊りを踊っていたのだった。



何十回目かのお歌が終わり、男はようやく満足したのか、子まりさに「降りろ」と指示をした。


「ゆっ・・・・!ゆっ・・・・!」

男の度重なる平手打ちにより、れいむの頬は真っ赤に腫れあがっていた。
それ以上に、れいむ種のアイデンティティとも言えるお歌を、ヘタクソと言われた心の傷は計り知れない。
涙としーしーに濡れた汚い饅頭は、プルプルと震えては嗚咽を漏すのみだった。


「ゆええええん!!かえすんだじぇ!おぼーち!すてきなおぼーち、かえすんだじぇーー!!」


子まりさはというと、未だにお帽子を返してもらえず、舌を伸ばしてはてんってんっと跳ねている。


「クソ饅頭ども。お前らのお歌、ぜんぜんゆっくりできねーわ。弁当もゆっくりできないし。お前らさぁ・・全然ゆっくりしてないな。汚いし臭いし、生ゴミと一緒じゃねーか。」


「ゆっ・・・ゆっ・・・れいむは・・生ゴミさんじゃないよ・・・・っ!ゆっくりだよ・・・・」


心身ともにズタボロのれいむだったが、まだゆっくりとしての自我は保たれていた。
男は道の真ん中に落ちた、潰れた弁当容器を拾い上げると、れいむの前の置いた。


「クソ饅頭。ここにクソしろ。今すぐだ。さもないと、クソチビのお帽子燃やすぞ。」


男はそう言い放つと、つまんだお帽子に、火をつけたライターを当てた。
チリチリと火の先端が、お帽子を焦がす。


「ゆーーー!!おぼーち!!やめてにぇ!やめてにぇ!!」


子まりさがしーしー、涎、そして涙など、体中の体液を撒き散らしながら跳ね回る。


「おちびちゃんのだいじなお帽子があああ!!!お兄さん、ゆっくりやめてくだざい!!おでがいじまず!!おでがいじまずうううう!!!」


れいむが頭を地面にビターンビターンと打ちつけながら、何度も懇願する。
土下座のつもりなのだろう。


「やめて欲しかったら、その容器にクソしろ。ほら、本当に燃えちゃうぜ?」


お帽子の焦げる臭い。
子まりさの悲鳴が一段と大きくなる。

「おぼーちいい!!まりしゃの、すてきな、おぼーーちがあああああ!!!」

「おにいさん!!わがりまじだ!!うんうんさんしまずがら、やめでね!!やめでね!!!」


れいむは弁当容器までずりずりと這うと、底部を上げ、あにゃるを容器の中へと向けた。
羞恥心、屈辱感、色々な感情が交錯するのか、目を覆うように揉み上げを振り上げ、涙を流しながらきばりはじめた。


「うんうんするよ・・・・ゆぅうう・・・・っ!んんんん・・・・・っ!!」


「はははっ!こいつ、本当にクソしてやがる。最高だな、さすがクソ饅頭だ!」


「ゆっくちしてにぇ、みゃみゃー!ゆええええん!!ゆえええんん!!」


子まりさも泣きながら、母親の痴態から目を背ける。


「オラ、クソチビも見てみろよ。お前の親が、クソひねり出してるぜ!」


男は子まりさを掴み上げると、れいむのあにゃるがよく見えるように、容器の反対側に置いた。


「ゆうううっ・・見ないでねっ見ないでねっ・・・!!れいむのうんうん、みないでねっ・・・んんんんっ・・・!!」


ブリブリブリッ、ブビビビビッ・・・!
情けない音とともに、れいむのあにゃるからうんうんが捻り出される。
ブブブブッ・・!ビリリリリ! 

「うんうん出るよっ・・・!!ゆううううううううっ・・・!!!」


もりゅん!


弁当の容器の中に、まだ温かいれいむのうんうんが頓挫している。
その前で、目を揉み上げで覆い、ゆっぐ・・ゆっぐ・・と涙を流してるれいむ。
そのれいむに、同じく涙を流しながらぺーろぺーろしている子まりさ。


「本当にしやがった!はははは!きったねぇなぁ、クソ饅頭!」


男は上機嫌だ。
だが、これで終わりではない。
悪夢にはまだ先があった。


「クソ饅頭、これが本当に最後だ。ちゃんとできたら、お帽子返してやる。」


男はしゃがみ込み、涙を流し続けるれいむに優しく、囁いた。


「―食え。」


「ゆううううううううっ!!?? ぞんなごど・・・・できまぜん・・・もうゆるじでくざいいいいい!!!」


れいむの精神は限界だ。
ゆっくりとしての尊厳、というものがあるなら、徹底的に踏みにじられた。
その上で、さらに排泄物を食え、という男の命令は、あまりに残酷だ。


「おでがいじまずうう・・・・れいむがわるがっだならああ・・あやまりばずがらあああああ・・。」


男が、無言でライターに火をつける。
もう一方の手には、子まりさのお帽子。
大事な大事な、子まりさのお帽子。
それを人質に取られては、なすすべもなく。
れいむに出来るのは、ただ服従。

ゆんゆんと泣き喚く子まりさがれいむの視界に入る。
れいむは、ゆっくりと自らの排泄物に顔を近づける。
思わず顔を背けたくなる、とてもゆっくりしていない臭い。


「ゆううう・・・やっぱり・・でぎないよ・・でぎないよおおおお!!」


うんうんの前で泣き崩れるれいむの、後頭部を男が踏みつける。


「ゆぶううっ!!」


れいむの顔は、うんうんに覆いかぶさる形になった。
揉み上げをぴこぴこさせながら、必死に身をよじるれいむ。


「んーーーーーーーっ!!! んーーーーーーーーっ!!!!」


しかし男の力は強く、踏みつけられた足から逃れることなど出来るはずもなかった。


「しっかり食えよ!ゆっくりできるおべんとうさん、ってやつだ。」


れいむの抵抗もむなしく、強制される形で、れいむの口内にうんうんが侵入する。
男の足が上がり、下がる。
また上がり、下がる。

バスッ!バスッ!


「オラッ!オラッ!クソ饅頭!クソ饅頭!!」


「んんぐっ・・!!んぐうううーーー!!っううううう!!んぐーーーー!!ぐべええええぇええっ!!!」


れいむの口内のうんうんは、踏みつけられる男の足によって咀嚼され、息の出来ない苦しさもあり、やがてれいむの喉を通ったのだった。
それを確認した男は、足による束縛を解く。
押さえつけていた力が消失し、ようやくれいむは悪夢から開放された。

「ゆべえええっ!!ゆげほっ!!ゆげほっ!!ゆげええええええ!!ゆうううううっ!!ゆべえええっ!!」


れいむは、しーしーを垂れ流しながら何度もえずき、涙し、嘔吐した。

「みゃみゃー!!ゆえええん!!ゆええええん!!しゅーりしゅーり!しゅーりしゅーり!!」


子まりさが、必死にすーりすーりしている。


「はははは!最高だな、クソ食いやがった。はははは!」


男は腹をかかえて笑っている。
どうして。
どうしてこんなことに。
れいむは考えていた。
わからない。どうして。
やさしかった、すーりすーりしてくれたお兄さん。
あまあまさんをくれたお兄さん。


「・・・・っ!?」



男は、れいむの片方の揉み上げを掴むと、乱暴にれいむを持ち上げる。


「ゆぎぎぎぎ・・・いだいいいい!!いだいいいいい!!!はなじでねっ!!はなじでねっ!もういじめないでねっ!!!」


もう一方の手には、子まりさが掴み上げられ、ぷりんぷりんと身をよじっていた。

「はなちぇー!!」


男は不気味な笑みを浮かべ、2匹に語りかける。


「たしかおまえら、飼ってほしい・・・とか言ってたよな?」


「ゆううううううっ!?」


れいむと子まりさが震え上がる。なんだか、とてもゆっくりできない予感がする。


「おまえらさ、お望み通り飼ってやるよ。毎日、ゆっくりできる弁当を食わせてやるよ。」


ーーーーーーっ!!!??





「―クソ饅頭ちゃんの、捻り出したー♪ クソだけどなっ!!!」


「「ゆんやあぁああぁあああああああああああああああああああああああああっーーーーー!!!!!」」






すっかり暗くなった町。
駅から続く、一本道。
男は、2匹を掴んだまま、まっすぐ帰る。
家へ。
男の足取りは軽い。
その両手には、涙を流しながら身をよじる、2匹の親子ゆっくり。
彼女たちの目的は達成されたのだった。
飼いゆっくりになって
お兄さんと
ゆっくりする。




ゆっくりできるおべんとうさん。


ゆっくりできる、

れいむの、

おべんとうさん。




おしまい





reimu_bentou.jpg


ゆっくりいじめSS・イラスト ※残虐描写注意!コメント(11)トラックバック(0)|

≪前の記事 「いや、いいっす」
≫次の記事 役場職員は定年までに2億稼ぐ薄給の可哀想な職業ですぅ

コメント

762:

男(演:南野やじ)

2012/05/26 13:44 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
775:

一言―「なに糞袋に弁当やっているんだよ!!!!!!
ブッコロスぞ!!!!!!」
糞袋はブっ殺せ!!!!!!!

2012/06/05 20:14 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
888:

糞袋よりもネチネチした糞屑親父がむかついた
糞袋ごと血だるまにして死んでいってね!!!

2012/07/16 03:56 | ゆ殺者 #- URL [ 編集 ]
2952:

このサラリーマンを見る周りの反応が最高だな、割とゆっくりより
じじいとこの男の方がゲスだな、虐待は歓迎だがこいつらは許せないな・・・


2012/12/09 12:42 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
3296:

ゲス一歩手前のクソ饅頭どもにはおにっあいの末路だね!ゆっくりできるよ!

2012/12/26 12:08 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4175:

こういう悪意のないゆっくりが理不尽な目にあう話が大好きです

2013/02/05 19:07 | 名無しさん #mQop/nM. URL [ 編集 ]
5167:

飴玉のお返しの善意だけでやったなら可愛そうかもしれないが
根底にあるのが「あわよくば飼ってもらう」っていう薄汚い欲望だからな
同情の余地は無い

2013/03/17 13:07 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
5267:

とりあえず元飼い主の性癖がキモすぎて死ねばいいのにと思った。

2013/03/21 18:05 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
9713:

ざまあwwwww
生意気にも飼われようとするからこうなるwwww

どうせならまりちゃのたからもの(笑)の王冠も徹底的にひねりつぶしてほしかった。
あと何でこの話しのゆっくり達は漢字使うんだよ…

2013/08/05 11:54 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
10686:

べちゃべちゃ嘗め回して作った草団子とか食いたくねえ…

2013/08/30 04:49 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
19583:

ゆっくりはムカつくし
わざわざ虐待を読みに来て、人間のほうがムカつくなどといちいち言う気はない
ただ、人間だって神頼みはするから
街ゆっくりが飼いゆっくりになろうとするのを偉そうに批判はできないよな

2016/09/13 23:22 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]

コメントの投稿

名前
題名
メールアドレス
URL
コメント

パスワード
Secret
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

ブログ TOP