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2012:幸福れいむ

2012/08/07 (Tue) 22:20
 ある休日の晴れた昼下がり。
 私は暇を持て余した末、今日という貴重な一日を、ゆっくりを虐待することで潰そうと決めた。



『幸福れいむ』



 れいむはとてもゆっくりとした夢を見ていた。
 広大な草原が広がる野原で、愛しのまりさと子供を作り、その子供たちが巣立つのを見送る、とても幸せな夢だ。
 それがふと、一瞬で暗転した。

「……ゆっ?」

 目の前に何か奇妙な人間がいた。四角い紙の袋を頭に被り、目にあたる場所に穴が開いている、そんな姿の男だ。

「ゆゆっ!?」
「デデデデストローイ ナーイン ボー」

 そしてその紙袋から、くぐもった声で何かをれいむに呼びかける。れいむには言葉の意味はわからなかった。

「に、にんげん……さん……?」

 ゆっくりよりも頭の大きさは小さい人間(ゆっくりには頭しか無いが)だが、この目の前の人間は、紙袋のせいで頭の大きさがよくわからない。
 基本的に頭の大きさで優劣を決めるゆっくりは、頭の大きさ=身体の大きさと考えており、身体が大きい方が強いものだと考えている。だからゆっくりは人間を格下に見るのだが、紙袋の大きさはれいむの体長よりも大きい。

「やあれいむ、おはよう。ご機嫌いかがかな? ゆっくりしていってね」

 男の手には注射針が見える。れいむにはそれが注射針であるという概念はわからないが、その尖った先端だけで、これはゆっくりできないものだ、と思った。

「ゆ、ゆっくりしていってね! おじさん、ここはどこなの?」
「おじさんじゃあない、私はただの鬼威山だ」

 『おにいさん』と名乗る男だが、れいむにはそのイントネーションに不吉なものを感じる。
 ──このにんげんさんは、ゆっくりしてない。
 そう思いながら、この人間から離れようとするれいむだが、そこで自身の異変に気付いた。

「ゆっ……? ゆゆっ……!? あ、あんよさん……?」

 ゆっくりは底面を動かすことで移動する。跳ねるにしても、這いずるにしても、底面を動かせなければ、どこにも移動できない。
 そのことに気付いて、何度か動かそうとして、結局動かず、ようやくれいむは思い知った。

「どぼじであんよさんうごかないのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」
「どうして、か。疑問を持つことは素晴らしいことだ。知恵がある生物ならではの行動だからな。獣は疑問を持つことで危機を脱するのだから」

 紙袋の男は一人で何事かを呟くが、あんよを微塵も動かせず泣き喚くれいむには聞こえていない。

「まぁ、疑問には答えてやることにしよう。今日の私のルールだ。『疑問には正直に答えること』、ってね」

 ぎもんにこたえる、という言葉にれいむははっとして、

「ど、どういうこと!? にんげんさん、ゆっくりしないでこたえてね!」

 うむ、と人間は頷き、もったいぶった仕草をしながら、

「──君のあんよにラムネを注射しただけさ。局所麻酔ってやつでね。最近知ったんだが、ゆっくりにとってラムネは麻酔になるらしいね」
「ゆっ……? どうゆうこと……?」
「まぁようするに、私が君のあんよを動けなくした。この注射で、だ」

 男が針をれいむに近づけると、れいむは慌てて叫んだ。

「ゆっ! ゆっくりしてないよ! はりさんこないでね! ゆっくりしてね!」

 針から逃れようと必死で底面を動かそうとするれいむだが、底面はまるでれいむから切り離されているかのように反応しない。

「はは、冗談だよ。この注射は君にはもう使わないさ。約束しよう」

 そう笑いながら注射針を透明な箱の中に仕舞うと、今度は別の茶色い箱の中から、いくつかの飴玉を取り出した。

「ゆっ! それ、あまあま?」
「ああそうだ。舐めてみるといい」

 男はれいむの目の前に飴玉を一つ置く。れいむはそれを下で拾い、口の中に放り込んだ。
 途端に、口の中に甘酸っぱい味が広がった。

「し、しあわせぇぇぇ~!」

 こんな甘いものを食べるのは初めてだった。味覚が全餡子を貫き、天にも昇るような感覚すらおぼえる。強張っていた表情も崩れ、満面のゆっくり顔だ。

「幾つか置いていこう。今舐めてる飴玉が無くなったら食べるといい」

 男はさらに飴玉を幾つかれいむの目の前に転がす。どれもれいむが舌を伸ばせば簡単に届くような距離だ。
 ああ、とれいむは至高の感動とゆっくりに打ち震える中枢餡で思う。
 このにんげんさんはれいむにこんなにゆっくりしてるあまあまさんをくれた。
 れいむがなにもいってないのにあまあまさんをくれるこのにんげんさんはゆっくりしてるにんげんさんだ。
 そして、れいむがなにもいってないのにあまあまさんをくれるのは、きっとれいむがさいこうにゆっくりしてるからだ!

 そんなことを思いながら飴玉をなめていると、男が茶色い箱の中から、大きな砂時計を取り出した。

「よく見ておくんだ。この砂は三十分で全て下に落ちる。その頃にはれいむのあんよも動かせるようになっているよ」
「ゆっ! わかったよ! れいむ、ゆっくりするよ! それとれいむ、のどがかわいたよ! おみずさんちょうだいね!」
「ああ、水は用意できない、すまないね」
「ゆぅ……ゆっくりしてないにんげんさんだね」

 はは、と男は笑いながら、注射針を入れた透明な箱と、茶色い箱を持って立ち上がる。砂時計は壁際に移動させて、そこは底面を動かせないれいむの位置からでもよく見えた。

「ああ、そうそう。『私は今から、こちらかられいむに一切危害を与えない』よ。あんよが動かせるようになったら好きにしていい。そこからは見えないだろうけど、君の後ろにはたくさんの甘いものがあるからね」
「ゆゆっ! ほんとうっ!?」
「ああ、本当だ。あ、これ片づけたらもう一度来るよ。飲み物を持ってこよう」

 箱をれいむに示して、男は部屋から出ていく。
 突然のことが多すぎてゆっくり出来なかったれいむの心も多少落ち着き、二個目の飴玉を舌で拾いながら、れいむは自分がいるであろう部屋を見渡した。

 部屋は六畳程度で、れいむからすれば、れいむのおうちよりすっごくひろいね、という広さだ。
 れいむはこの部屋のほぼ中央にいる。底面が動かせないので部屋の後ろを見ることは出来ない。……あまあまのおかげでゆっくりしているので、あまり気にしなかったが。
 れいむの真正面には扉があり、男はそこから出入りしていた。扉の傍に砂時計が置かれており、あの砂が全て下に落ちた時、れいむのあんよは動くようになるという。

 それにしても広い部屋だ。ふと、れいむは考えた。
 こんなにひろければゆっくりできる。
 ごはんもあまあまもきっとあのにんげんさんがよういしてくれる。
 ここはきっとゆっくりぷれいすだ!

「ゆゆっ! きめたよ! ここをれいむのおうちにするよ!」

 そして息を吸い込んで、

「ここはれいむのおうちだよ! ゆっくりしていってね!」

 おうち宣言。ゆっくり特有の行動で、自分の巣を定める行為だ。
 たとえそこが別のゆっくりの巣だろうと、人間の家だろうと、自らが巣だと決めた場所なのだから誰も文句は言えない、ゆっくりはそう思っているのだ。
 このあんよが動かせるようになったら、真っ先に愛しのまりさをここに連れて来よう。れいむはこんな広いおうちでまりさと暮らす未来を夢見ながら、すごくゆっくりしていた。

 れいむがゆっくりとしながら飴玉を舐めていると、紙袋を被った男が入ってきた。

「ゆっ! おにいさん! ここはれいむのおうちだよ!」
「ん? ああ、おうち宣言か。ならお邪魔するよ」
「おにいさん! かってにはいったらだめなんだよ! かってにはいったらてみやげをもってきてね!」
「手土産って……まぁいいか。ほら、オレンジジュースだ。水の代わりに持ってきたよ」
「ゆっ! ゆっくりちょうだいね!」

 そういいながら、れいむの前に皿を置き、そこにオレンジジュースを注いでいく。
 その際、男は床に転がしておいた飴玉を回収するが、れいむは気付かない。

「ぺーろぺーろ……しあわせ~」

 甘酸っぱいオレンジジュースは、ゆっくりにとっては至高の飲み物だ。元々オレンジジュースはゆっくりにとっては治療薬になる。怪我をしたゆっくりや体力の無いゆっくりの応急手当によく使用されるのだ。

「そうだれいむ、飴玉よりもっと甘いものがあるんだが、いらないか?」
「ゆっ!? さっきよりももっとあまあまさん!? ほしいよ! ゆっくりしないでちょうだいね!」
「いいだろう、ちょっと待っていてくれ」

 男はれいむの横を通って、れいむの背後に何か箱のようなものを置いた。何なのかはれいむからは見えない。
 そしてれいむの横に細いチューブのようなものを伸ばし、それをれいむの口にくわえさせる。

「吸ってみるといい」

 言われたとおりに吸い込んでみると、チューブの先から何か物凄く甘いものが飛び出してきた。

「!!!」

 特上の甘味が舌を焼き尽くし、全餡子を震わせる。先ほどまで堪能していた飴玉の味すら一瞬でどこかに行ってしまう衝撃に、

「し、し、し、し、しあわせえええぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!」

 れいむは至上の幸福を、その舌で味わった。

「う、うっめ! めっちゃうっめ!」

 思わずチューブを思いっきり吸い込み、さらなる甘味を味わう。全身に雷が走るような快楽に、れいむはこれ以上なくゆっくりとした気分になれた。
 何よりも素晴らしいのは、吸うたびに至高の甘味が、その甘さをさらに強くしていくことだ。今まで味わってきた甘味ランキングが現在進行形で更新されていく。

「しあわせぇ~……けぷっ」

 腹一杯になるまで甘味を堪能したれいむに、男は満足げに頷いた。

「どうだいれいむ、甘かっただろう?」
「さいこーにしあわせだよぉ~……とてもゆっくりしたあまあまだねっ!」
「それはよかった。もしよかったら、そのあまあまがなんなのか見せてあげようか?」
「ゆっ! みせてみせて!」

 男は頷くと、れいむの後ろに置いていた箱を、少しずつれいむの横へずらしていく。
 どんなあまあまさんなんだろ? 無邪気に考えるれいむは、少しずつ見えてくる箱を横目で見て、

 凍った。

「…………ゆ?」

 それは、その透明な箱の中にいるのは、

「……あ、あ……?」

 バレーボールくらいの大きさの痩せ細った饅頭のような物体に、だらしなく開いた口がついていて、その饅頭の上からは金色の髪に似たものが波を描き、横で三つ編みを作っている。口と髪の中間には目が二つ並んでついていて、その視線は、れいむを化物を蔑むように、涙を流しながら見つめている。
 金色の髪の上には、れいむが好きな、今度告白しようと思っていた、近所のまりさとまったく同じ黒い三角帽子が乗っていた。

 その頬にはチューブが刺さっていて、そのチューブが伸びた先は、れいむの口元のチューブに繋がっていて、

「……どぼじでええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!?」

 それは、れいむが好きだったまりさだった。

「ではご対面だ」

 男がチューブを外し、透明な箱からまりさを出して、れいむの真正面に置いた。

「ばりざっ! ばりざぁぁぁぁ! ごべんねっ! ごべんねえええぇぇぇぇぇ! ばりざだっでじらながっだのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 涙を流して、ろれつの回らない舌でひたすら謝るれいむに、まりさはぼそりと、振り絞るように呟く。

「……まりさの、なかみを、すいとる、れいむは、ゆっくり、しないで、しね」
「あ……!」

 愛しいまりさからの憎悪の言葉に、何も言葉が出せなくなる。まりさの眼は殺意に満ちていて、痩せ細っていなければ今すぐにでもれいむを殺そうとするだろう。
 口をパクパクと開いたり閉じたりするれいむに、男が語りかける。

「先ほどのどうして、という疑問に答えよう。『どうしてまりさがここにいるのか?』簡単だ、私がそこに入れた。お菓子をあげると言ったら簡単に入ってくれたよ。『どうしてこんなことをするのか?』これも簡単だ、私の趣味だ。私は単に痛めつけるより、こう、いたぶる? みたいなのが好きでね」

 言葉が出ない。この男への怒りよりも、愛しのまりさの中身を吸っていたという事実が、れいむの声を奪っていた。
 現実逃避をしたくても、まりさの憎悪の言葉が、れいむの淡い妄想を破り捨てる。

「しね……っ、れいむは……、ゆっくり、しないで、しねっ……!」
「あ……ああ……!」

 狂ってしまいそうなれいむに、男が声をかけた。手には注射器を持っている。やたら針が太く、注射器の中は透明な液体で満たされていた。

「提案がある。この注射器の中には、まりさをあっという間に元気にさせて、しかもれいむを死ぬまで愛するようになるものが入っている」
「ゆ……!? ほ、ほんとう……?」
「ああ、私は嘘はつかない。さて、どうする? これをまりさに注入しようか?」
「ゆ……」

 この男は、れいむに嘘は吐かなかった。きっと本当のことなのだろう。ちらり、とまりさを見ると、

「ゆっくりごろし……! しね……!」

 今にも永遠にゆっくりしてしまいそうな痩せ細った体で、れいむに憎悪と殺意を飛ばしていた。
 まりさは、全然ゆっくりしていない。

「このまま、まりさをゆっくりさせないまま、死なせたいか?」

 そんな男の言葉に、れいむは反射的に叫んだ。そもそもこの男が原因だということも忘れて、叫んだ。

「おねがいじまずううぅぅぅぅぅぅぅ! ばりざをっ! ばりざをゆっぐりざぜでええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 ぶすりと、注射針がまりさの後頭部に刺さった。

「ゆびっっ!?」

 じゅうと、注射器の中身がまりさの中へ入っていく。

「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」
「ばりざぁぁ……」

 目の前で痙攣するまりさを心配そうに見つめるれいむ。
 男が注射針を抜くと、まりさの動きが不意に変化した。

「ゆぅぅぅぅ……ゆひぃぃぃぃぃ……」

 呼吸が細く、掠れた笛のような声がもれる。目の焦点は定まらず、口からは砂糖水が垂れていた。

「ま、まりさ……?」

 れいむが恐る恐るまりさの顔を窺おうとすると、突然まりさの目が見開かれた。

「ゆっぴぃぃぃぃぃぃぃぃっ!! ……ゆ?」

 不意に、まりさの表情が元に戻っていた。ゆっくり特有のおとぼけ顔は相変わらず痩せていたが、れいむを不思議そうに眺めており、先ほどの憎悪や殺意はどこかへ行ってしまったかのようだ。

「ま、まりさ……?」
「れいむ、ゆっくりしていってね!」

 満面の笑顔で挨拶するまりさに、れいむは知らずうちに涙を流していた。

「まりざぁっ! よがっだぁっ! ゆっくりしていってねぇっ!」
「れいむはなきむしだねっ! ゆっくりしていってね!」

 泣きじゃくるれいむをあやすように頬を重ね合わせるまりさ。

「すーりすーり」
「ゆゆっ、まりさぁ……すーりすーり」
「「しあわせ~」」

 あっという間に泣き止み、頬をすり合わせるれいむとまりさを、男は満足そうに頷きながら眺めていた。

「すーりすーり」
「すーりすーり」
「す、すーりすーり」
「すーりすーり」
「ま、まりさ……?」
「すーりすーり」

 何故かまりさは、いつまでたっても頬ずりを止めない。そのことにれいむは、ふとまりさの顔を窺う。
 満面の笑みのままのまりさの表情は、何か、奇妙な既視感があった。

「ま、まりさ、これいじょうはだめだよ、あかちゃんできちゃうよ……」
「すーりすーり」
「にんげんさんがみてるんだよ? れいむ、はずかしいよ……」
「すーりすーり」
「……まり、さ?」

 れいむは、その既視感を、思い出しかけていた。
 何か恐ろしいもののような、思い出したくもない顔。満面の笑顔のはずなのに、頬ずりでゆっくり出来てるはずなのに、れいむの芯の底が冷えていく。

 そして不意に、まりさの動きが変わった。

「すりすりすりすりすりすりすりすり」
「ま、まりさ!?」

 明らかに、コミュニケーションとしての頬ずりとは違う。感情を押し付けるようなそれは、れいむのトラウマの一つ、

「……ありす!?」

 いつの間にか、満面の笑顔だったはずのまりさの顔は崩れ、口元はだらしなく歪んで砂糖水を垂れ流し、眼球はむき出しでれいむを見下ろす。
 れいむはかつて、れいぱーと化したありすが、他のれいむを襲っている光景を見たことがある。その時は運よく逃れられたが、今のまりさの表情は、あの時甘い笑顔で他のれいむを誘い出し、おぞましい表情で襲っていたあのれいぱーありすそのものにしか見えなかった。

「どぼじでええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!? やべでぇぇぇぇぇぇ! ばりざ、やべでえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「すりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり、んほおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! すっきりいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
「ずっぎりい゛い゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃ!!」

 それまでゆっくりしていたれいむの餡子は、まりさの豹変で一瞬にして絶頂まで上げられた。
 次の瞬間、れいむの頭から茎が生える。枝分かれした茎の先には合計六つの小さな球体が付く。れいむとまりさの子供だ。
 何が起こったのか理解できないれいむに、男が優しく語りかける。

「疑問に答えよう。先ほどまりさに注入したのは、いわゆる精力剤というやつだ。時間差はあるがゆっくりを発情させ、感情を整え、目の前にいるゆっくりと交尾をしたくなる。まぁようするに、即席れいぱー作成薬というわけだ。……ただ、副作用があってね」

 呆然と男を見るれいむに、男はまりさの方を示した。

「すっきりーをすると、ゆっくりしてしまうんだ。永遠にね」
「……え?」

 まりさを見る。先ほどまでのおぞましい表情は消え、そこには眠るように穏やかな表情のまりさしかいなかった。
 永遠に眠るような。

「ご覧のとおり、まりさはれいむを愛したまま、ゆっくりと死んだ。よかったね」
「あ……ああ……?」

 れいむはもはや何も考えられない。ただぐるぐると、今までのことが巡っていた。
 さいしょは、あんよさんがうごかなかった。
 でも、にんげんさんはあまあまさんをくれた。
 でも、あまあまさんはまりさだった。
 まりさはれいむのことをゆっくりしないでしねっていった。
 でも、まりさはにんげんさんのおかげでれいむのことをあいしてくれるようになった。
 でも、まりさはれいぱーありすとおなじになってた。
 れいむにあかちゃんができた。
 でも、おとうさんになるはずのまりさはえいえんにゆっくりした。
 どうして?
 どうして?
 どうして?
 いくら考えても、足りない餡子では答えが浮かばない。

「れいむ。君はゆっくりしなくていいのか? 君とまりさの子供が実っているだろう?」

 男に言われ、れいむははっとした。
 そうだ。れいむにはおちびちゃんがいるんだ。
 そうだ。これかられいむが、まりさのぶんまでゆっくりすればいいんだ。
 そうだ。これかられいむが、まりさのぶんまでおちびちゃんをゆっくりさせればいいんだ!

「ゆっ! ゆっぐりじでいっでね! ばりざぁっ! ばりざのぶんまでっ! ゆっくりするがらねぇっ!」

 嗚咽混じりでそう誓い、茎に実った子供たちを見上げると、れいむはおかしなことに気付いた。
 実った赤ゆっくりの成長が、やたら早い。

「……ゆ?」

 不思議に思ったが、れいむはこう結論付けた。

「せっかちなおちびちゃんだね! すぐにうまれて、いっしょにゆっくりしようね!」

 素晴らしきかな餡子脳。実は男がまりさに注入した精力剤には、成長促進剤も入っていたのだが。
 早送りのように少しずつ大きくなっていく赤ゆっくりを見上げながら感動の涙を流すれいむの横で、男はまりさを茶色い箱の中に仕舞っていた。
 あっという間に大きくなる実に、れいむの餡子が吸い取られるが、先ほどれいむはまりさの餡子を吸っていたので問題は無いようだ。
 砂時計の砂が半分ほど落ちた頃、すっかり赤ゆっくりは大きくなり、もう生まれてもおかしくなくなっていた。六つの赤ゆっくりは、全てれいむ種だった。
 本当はこんな速さで成長するわけがないのだが、しあわせに浸るれいむはそのことに気付いていない。

 やがて、実たちがプルプルと震え始める。

「ゆゆっ! もうすぐうまれるよぉっ!」
「よかったな、れいむ。きっとまりさも祝福してくれているだろう」

 れいむは嬉しさのあまり、元凶が目の前の男だということをすっかり忘れていた。
 震えた赤い実が、やがて一つ、また一つと茎から離れ、落ちていく。
 床に落ちた衝撃でうっすらと目を開く赤ゆっくりは、この世に生を受けた証を叫んだ。

「ゆっくちしちぇいっちぇね!」

 六匹が同時に声を上げ、れいむは感激の涙を流しながら、その証に答えを返した。

「ゆっくりしていってね!! おちびちゃん、れいむがおかあさんだよっ!」
「おかーしゃん?」
「おかーしゃん、ゆっくちしちぇいっちぇね!」
「みゃみゃー」
「おにゃかしゅいたよぅ」
「ゆっくち! ゆっくち!」
「ゅ? おかあしゃんー」
「ゆゆ~ん、すっごくゆっくりしたおちびちゃんだよぉ!」

 思い思いに母親に応える赤れいむたちに、れいむはこれ以上ないほどゆっくりしていた。まりさの中身を吸った時にもゆっくりしていたが、もはやそのことは嫌な記憶になっているらしい、すっかり忘れていた。
 全て生まれたことを察したのか、れいむの頭から生えた茎は根元から自然に折れ、赤れいむたちの上にぽとりと落ちた。茎はとても軽く、赤れいむの上に落ちても心地よいくらいにしか感じない。
 この茎は赤ゆっくりにとって生後初めての食事となる大事な食事だ。ほんのりと甘苦いこの茎は赤ゆっくりの味覚を刺激し、今後食べる食事全ての基準になるのだ。
 つまりこの茎よりまずいものはゆっくりできず、この茎よりうまいものはゆっくりできる、そういう思考を作り出すのだ。

「おちびちゃん、おなかがすいたでしょ? そのくきさんはゆっくりできるよ! ゆっくりむーしゃむーしゃしてね!」
「くきしゃん? ゆっくちできりゅ?」
「れいみゅおにゃかしゅいたよ! むーちゃむーちゃ……ゆびえぇぇぇぇん! くきしゃんかちゃくてむーちゃむーちゃできにゃいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「ゆっ! れいむうっかりしてたよ! ゆっくりまっててね!」

 泣き虫らしい赤れいむの言葉にはっとして、舌を伸ばして茎を口に含む。茎は固いので、こうやって噛むことで柔らかくするのだ。
 すっかりふにゃふにゃした茎を吐き出すと、待ちくたびれていたのか一斉に赤れいむが群がった。

「むーちゃむーちゃ! ちあわちぇー!」
「むーちゃむーちゃ! ちあわちぇー!」

 どのゆっくりも口々に幸福表現を口にする。れいむは子供たちが喜ぶ姿を見ているだけでゆっくりできていた。
 ああ、そうだったんだね。これがほんとうのゆっくりだったんだね。

「おかーしゃん、しゅーりしゅーりしちぇね!」
「ゆふふ。みんな、れいむとすーりすーりしてゆっくりしようね!」

 食事も終わり、早速子供とスキンシップをとるれいむ。本当に、本当にその顔はとてもゆっくりしている。

 だがれいむは忘れている。この男の存在を。

「モォーリカードゥールサァーン」
「ゆっ!?」

 男が歌うように呟くと、ゆっくりたちは一斉に男の方へ向く。

「おめでとうれいむ、ゆっくりとした赤ゆっくりたちだね」
「ゆふん、もっとほめていいよ!」
「にんげんしゃん?」
「ゆっきゅりできりゅ?」
「ゆっくちしちぇいっちぇね!」

 うむ、と頷くと、男は砂時計を示した。

「この砂はあと五分程度で全て落ちる。そうしたら君たちにとても甘いものをやろう」
「ゆゆっ! ほんとう!?」
「あみゃあみゃ!?」
「ゆっくちできりゅの?」
「おかーしゃん、れいみゅあみゃあみゃたべちゃい!」

 ざわめき立つゆっくりたちに、男はただし、と付け加えた。

「彼女たちから逃げ切ったら、の話だがね」
「ゆ?」

 ぎぃぃ、と、何かが開く音がした。次いで、何かが羽ばたく音がする。
 底面を動かせないれいむには、背後から聞こえるその音の主を見ることは叶わない。
 だが、れいむの眼前にいる赤れいむたちの表情が、言葉が、その答えを示していた。

「れ、れみりゃだああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うー☆」

 叫ぶ赤れいむたちの声に混じって、正真正銘のれみりゃの鳴き声が、確かにれいむに聞こえた。

「ど、どおしてれみりゃがいるのぉ!? ここはれいむとおちびちゃんのおうちだよ!?」
「うー☆」「たーべちゃうぞー!」

 さらにれいむは戦慄した。れみりゃは一体だけじゃない。
 赤れいむたちが一斉に逃げ出し、ある赤れいむは男の足元に隠れ、ある赤れいむはパニックで半狂乱になりながら親であるれいむにすーりすーりし続けた。

「おきゃーしゃぁぁぁん! きょわいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 れいむは、はっとして口を大きく開けた。

「お、おちびちゃん! おかーさんのおくちにかくれてね!」

 なんとか三匹ほどの赤れいむを口の中へ避難させることは出来たが、他の三匹はれいむからは遠い位置にまでいってしまっていた。
 呼び戻そうとするれいむの横を、れみりゃの影が二つ、ふらふらと飛びながら赤れいむの方へ向かう。まだ小さい、子れみりゃだ。

「うー!」「あまあまー」
「れ、れみりゃだぁぁぁぁぁ! きょわいぃぃぃぃぃぃぃ!」

 ぽよんぽよんと男の足元で跳ねていた赤れいむに真っ先にとびかかるれみりゃ。

「やめてええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! おちびちゃんにてをださないでえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 口の中に不安げな表情の赤れいむを入れたまま叫ぶが、れみりゃはお構いなしに赤れいむに牙を立てた。

「いぢゃい! やめちぇね! れいみゅおいちくにゃいよ! ……やめちぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「うー♪」「うー♪」
「おちびちゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

 あんよを動かせないまま、愛しの子供が中身を吸われていく様を見せつけられていく。その捕食者の恐怖に、まだ外にいる他の二匹も、れいむの口の中にいる赤れいむたちも、ただただ震えるばかりだ。
 あっという間に中身を吸いつくし、断末魔の叫び声すらあげられずに皮だけしても、れみりゃはまだ物足りないらしく、次に砂時計の傍に隠れていた赤れいむを狙いに定めた。

「お、おちびちゃん! ゆっくりしないでおかーさんのおくちのなかにかくれてね!」

 急いで叫ぶが、反応できたのは狙われていない方の赤れいむだけだ。砂時計の傍の赤れいむは、時すでに遅し、れみりゃの牙に噛まれてしまっていた。

「いぢゃいいいぃぃぃぃぃぃ! たしゅけちぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! おきゃぁしゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「おちびちゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

 助けを請う赤れいむに、れいむは何も出来ない。なにせあんよが動かないから。
 はっとして、れいむは男に叫んでいた。この男なら、きっとおちびちゃんを助けてくれるんじゃないか、そう根拠もなく思ったのだ。

「に、にんげんさん! おちびちゃんをたすけてね! ゆっくりしないでたすけてほしいよ!」
「構わないが……もう遅いと思うぞ?」

 見ると、もう赤れいむは中身を吸われつくして、

「もっちょ……ゆっくち……しちゃかっちゃよ……」

 そう言い残して、永遠にゆっくりしていた。

「おちびちゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「ゆああああぁぁぁぁぁぁぁぁん! おねえしゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

 泣き叫ぶれいむに同調してか、口の中に合流できた残り一匹の赤れいむと他の赤れいむたちも一緒に泣き叫んだ。

「うー、おなかいっぱい」「うー、ねむい」

 れみりゃたちは腹が満たされて眠くなったのか、その場で目を閉じてうつらうつらと眠りに入った。

「……ふむ、ちょうど砂も落ち切った、か」

 男の言うとおり、砂時計の上の砂は全て下に落ち切っていた。
 ふと、れいむは自分のあんよが動かせるようになっていることに気付いた。
 その様子を見て、男が語りかける。

「れいむ、子供のことは残念だったな。ところでだが、れいむはこの部屋を自分のおうちにすると言ってたな?」
「ゆ……そうだよ……ここはれいむのおうちだよ……」

 すっかり元気が無くなった声で答える。口の中に匿っていた赤れいむたちはれみりゃが眠っていることで外に出してある。
 そんなれいむに、男が突き刺すような声で言った。

「……こんなれみりゃがいるおうちで、ゆっくりできるのかい?」
「……ゆっ!?」
「こんなれみりゃだらけのおうちに住むより、前の巣に戻った方がいいんじゃないかな」
「ゆぅ……」

 暗い顔で考え込むれいむの顔を見上げる赤れいむたちは泣いたり、不安そうに見上げたり、子れみりゃたちを恐ろしげに見ていたりしている。
 ここは広いおうちだが、れみりゃがいるのではゆっくりできないだろう。
 昔のおうちに戻ろうか迷っていると、男が今度は優しげな口調で言った。

「後ろに大きな箱があるだろう?」

 振り向くと、確かに大きなダンボールの箱が置いてある。その隣には「れみりゃのこーまかん」と書かれた赤い箱がある。

「あの茶色い箱に入れば、昔の巣に戻してあげよう。ああそうだ、約束の甘味はあの箱の中に入っている」
「ゆっ! あみゃあみゃ!?」

 真っ先に赤れいむが反応した。

「れいみゅ、あみゃあみゃほちい!」
「にんげんしゃん、れいみゅにあみゃあみゃちょうらいね!」
「やきゅしょくどおりあみゃあみゃよきょせー!」

 ぽよんぽよんと飛び跳ねる赤れいむたちに、そうだね、と頷いて、

「れいむ、むかしのおうちにもどるよ……にんげんさん、れいむたちをはこさんのなかにいれてね!」
「ああ、了承した」

 男は頷くと、まずれいむを持ち上げて箱の中にいれる。見ると、箱の片隅にお菓子の山が出来ていた。

「ゆゆっ! おしょりゃをとんでるみちゃい!」

 次々と赤れいむたちもダンボール箱の中に入れられていく。

「あみゃあみゃ! あみゃあみゃたくしゃんありゅよ!」
「むーちゃむーちゃ……ちっ、ちあわちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 早速つまみ食いを始める赤れいむたちに、男が声をかけた。

「早速食べるのはいいんだが、まずこれを食べるといい。ゆっくりできるよ」

 そう言って、れいむたちの目の前にラムネ菓子を落としていく。
 ゆっくりできると聞いて早速赤れいむたちがラムネ菓子にかじりつく。れいむの目の前にもラムネ菓子が差し出され、

「そうだね! みんなでゆっくりしようね! むーしゃむーしゃ、しあわせー……ゆぅ?」

 不意にれいむは、まぶたが重くなっていることに気付いた。意識が遠くなり、ぼんやりと景色が閉じていく。
 閉じかけた視界には、既に寝息をたてている赤れいむたちがいた。

「ゆぅ……みんな……ゆっくりおやすみなさい……」



 ◆



 …………。
 ……………………。

 れいむたちが眠ったことを確認して、ダンボールの蓋を閉じる。
 睡眠薬代わりに食べさせたラムネ菓子は加工所特製の強力なやつで、ちょっとやそっとの衝撃でも目覚めることは無い上に、副作用がまったく無い優れものだ。
 多少乱暴に扱っても、途中で目を覚まされてギャースカ騒がれることもない。

 私はゆっくりを虐待する時、紙袋を被る。これは下手にゆっくりから顔を覚えられないようにするために始めたのだが、いつの間にか一種のトレードマークになってしまっていた。
 なんにせよ、今回の私のゆっくり虐待は終わった。いや、正確には「やるべきこと」を全て終えて、これから楽しむのだ。

 私の飼っている二体のれみりゃを巣、こーまかんにゆっくりと入れる。千差万別のゆっくりだが、この寝顔だけは共通して天使のようだ。
 まぁ、その天使の寝顔を歪めるのもまた楽しいのだが。

 紙袋を外し、ダンボールを持ち上げ、部屋のドアを開けた。



 れいむの巣は近所の雑木林にあった。木の根元にぽっかりと空いた空間を利用しており、この近くには今回有効に使わせてもらったまりさの巣もある。
 ダンボールを開け、ゆっくりとれいむたちを巣に押し込み、食料置き場に菓子をたくさん置いてやる。
 これでもう私から何かすることは無いので、帰ることにしよう。

 私のやることを手ぬるいと言う者は多い。
 何せれいむを散々怖がらせただけで、実際にれいむに危害を加えたわけではないのだから。まぁ、精神的には危害を与えているともいえるが。
 特に最終的にれいむを生かすことを批判されることが多い。同好の士の中でも私はやや異端側というわけだ。

 だが、時には生きる方が辛いことがよくある。死すら救いになることが多いのだ。
 救済の無い絶望の日々を生きるくらいならば、さっさと死んでしまう方が苦しまなくていい。安楽死の考え方だろう。
 生きていればいつか良いことがあるならばいいが、それが可能なのは物や人に溢れた人間だから言えることであって、野生に生きる獣にそんな安易な延命は通じない。
 足の骨が折れて走れなくなった草食動物を、生きていればいつか良いことがあると言えるだろうか。
 牙が折れて武器を失った肉食動物を、生きていればいつか報われるとのたまうことが出来るだろうか。

 ゆっくりも同じだ。
 野生で生きるための力を失ったゆっくりは、もはやどうにもならない。「いつか必ず報われる日々」なんてものは決して訪れない。
 れいむはまりさとつがいになることで野性を生き延びようとしていた。だから私はまりさをれいむに殺させた。れいむ種は母性で子供を育てる役目を持ち、狩りはそもそも役割ではない。
 それにれいむの舌はもはや蹂躙されてしまっている。私が用意した最高級の甘味──まりさの餡子を知ってしまったのだ。もう昆虫や木の実でその舌を満足させることは出来ないだろう。
 そしてれいむの役割である子育ても、その子供がまともに育て上げられる理由があってのことだ。食料は菓子類でなんとかできたとしても、それで赤れいむの舌が肥えたならばもうおしまいだ。
 狩りで忙しいれいむは本来の育児を満足に出来ず、かまってもらえない子供は不満が溜まっていく。しかも頑張って狩ってきた食料は菓子類とは比べ物にならないほどまずいものしかないだろう。

 れいむはやがて絶望するだろう。不慣れな狩りをしなければならず、舌を満足させられず、不平不満を叫ぶだけしか能のない子供を養わなければならない。

 想像するだけで楽しくなってくる。これからあのれいむたちはどうなるのだろう?
 あのまま菓子類を喰いつくしてから、死ぬまで付きまとう不満足感に、れいむたちはどうやって狂っていくのだろうか。
 あの親になったれいむが「おたべなさい」で自らの身体を子供に食べさせるだろうか。もしそうなったとしても、子供に生き延びる力は無い。
 もう一度甘味を食べるために人間にお願いするだろうか。どうせ相手にされず、虐待派の人間に見つかって凄惨な最期を遂げるだろうか。
 それともひょっとして、他のゆっくりを襲ったりするだろうか。もう一度まりさの甘さを味わうために。

 明日、早速れいむたちの様子を見よう。僅かな菓子を何日で食い尽くすだろうか。その顔が絶望に染まるのは何日だろうか。いや、数時間もかからないかもしれない。
 手ぬるい虐待方法だが、私はこういった方が好きなのだ。

 とりあえず、今日のところはここまでとする。



 ◆



 れいむは夢を見ていた。
 愛しのまりさや子供たちと一緒にゆっくりと過ごす夢だ。
 広大な草原が広がる野原で、愛しのまりさと子供を作り、その子供たちが巣立つのを見送る、とても幸せな夢だ。

 そんな、淡い夢だ。













 このような稚拙な文章を読んでいただきありがとうございました。すごくぬるいいじめですね。
 ではまたいつかどこかで。

 by EGS

ゆっくりいじめSS・イラスト ※残虐描写注意!コメント(5)トラックバック(0)|

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コメント

2938:

これはこれでありだが、その後死ぬまでも書いて欲しかったなぁ
書かなくても分かりきっているし、想像するのも楽しみの一つだが
個人的には書いて欲しかった。

2012/12/09 09:23 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
2966:

まさかのレイヴン鬼威参w

2012/12/10 04:38 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
5151:

ぬっるいなぁ
すっきりできないよ!

2013/03/17 01:55 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
5187:

デストローイを忘れかけてたタイミングで唐突にモリカドゥールサーンとかいわれて吹いたわww

2013/03/18 03:34 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
9254:

れいむ一家が狂って死ぬとこまで書いてほしかったな

2013/07/22 23:51 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]

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