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2153:Stray1 ~れいむは地域ゆっくり~

2012/10/31 (Wed) 20:23
Stray 1 ~れいむは地域ゆっくり~


駅・繁華街・住宅街に隣接する形で存在する大きな公園に れいむは住んでいる。

「ゆ!たばこの すいがらさんが おちてるよ!ゆゆ!こっちにも!」
亜成体の れいむが、公園に落ちているゴミを拾い、ゴミ袋にいれる。

「まりさ、あきかんさんがあるよ。そっちのごみぶくろさんに いれさせてね。」
「ゆ!まつのぜ。あのあきかんさんは まりさが ひろうのぜ!」
れいむの側にいる亜成体のまりさがそう言うと、舌で空き缶を持ち上る。
まりさの側においてあるゴミ袋(燃えないゴミ用)に空き缶が入れられる。

れいむは今、公園の清掃をしている。
公園には沢山のゆっくりがおり、彼女達は公園やその周辺を掃除している。
彼女達は俗に地域ゆっくりと呼ばれる存在である。
人間に迷惑をかけず、清掃やゲス野良の排除などをすることで一応生存が認められている存在である。

れいむが所属している群れは、公園の管理者(市)と協定を結んでおり、
清掃・ゲス野良の排除・花壇の手入れ・出産制限(子供は1家族2匹まで)などを条件に、
食料(ゆっくりフードそれなり味)・住居(ダンボール箱)・家具(タオル等)の提供を受けている。

「ゆ!…………まりさ………
 こっちに きてほしいよ………」
れいむが元気なく言う。れいむの視線の先には、ありすと ぱちゅりーの死骸がある。
この2匹は れいむたちより少し年上の幼なじみで、先日結婚したばかりの2匹である。
「ありす、ぱちゅりー………きのうから いなくなってたから
 もしかしたらって おもってたけど……
 ゆぅ………ありす、ぱちゅりー いままで おつかれさまだよ。
 おそらの ゆっくりぷれいすで、いっぱい ゆっくりしていってね………」
まだ子供だった頃、れいむは2匹遊んでもらったことがある。
とても優しく、ゆっくりした ゆっくだった。

「ありす、ぱちゅりー。ゆっくりごめんだよ。
 でも、おかざりは おさを つうじて おかーさんたちに わたすから あんっしんしてね。」
れいむは2匹と遊んだことを思い出しながら、死臭がするお飾りをとる。
お飾りは後ほど長を通じて遺族に渡されるのだ。

「れいむ……。つらいけど、はやくするのぜ。
 きれいにしないと あとで しかられるのぜ。」
「ゆっくりりかいしているよ。まりさ……」
2匹は暗い顔をしたまま、口を大きくあけ、ありすと ぱちゅりーの遺体に歯をあてる。
成体ゆっくりの遺体は大きいため、ゴミ袋に入らない。
そのため、口や使って 遺体を小さくしてからゴミ袋に入れるしかない。
同族の遺体の片付けをするのは何度してもなれない。
れいむたちは襲ってくる吐き気と戦いながら、黙々と作業を続ける。


地域ゆっくりといっても、野良であることには変わりがなく、また区別も興味がない人間では難しい。
(自治体によっては、地域ゆっくりを示すバッチを提供してる所もあるが、ここではしていない。)
時には人間の気まぐれで殺されることもある。
しかし、彼女達に怒る権利はない。
仮にあったとしても、人間に怒ることはできない。
人間に反抗的な態度をとれば、一斉駆除で群れが全滅することを彼女達は知っている。
自分たちと人間との間にある決定的な力の差を彼女達は理解しているのだ。
そして、その力の差を埋める手段がないことを彼女達は知っている。

地域ゆっくりには ゆっくりできない労働の義務がある。
が、それに対して決して文句は言わない。
労働の義務を果たせば、食事には一応ありつけるからだ。
住む家・家具も一応与えられている。

公園の外で暮らす野良に比べれば、はるかに恵まれている。
彼女達はそう自分で自分に言い聞かせ、毎日を生きている。
いつの日か、もっと ゆっくりできる日がくると信じて。


------


ゴミ袋を所定の場所まで運び、今日の清掃を終えた れいむと まりさは長の家へと向かう。

「おさ、おそうじ おわったのぜ。」
「むきゅ。まりさ、れいむ。おつかれさま。」
「おさ、これを……ありすと ぱちゅりーの かたみさんだよ………」
れいむが悲しそうに言う。
「むきゅ。…………ありすと ぱちゅりーが……
 かなしいことだけど、しかたのないことよ。」
「ゆっくりりかいしているよ……」×2
れいむは長である ぱちゅりーに ありすと ぱちゅりーのお飾りを渡す。
長ぱちゅりーの家には、人間から支給されている死臭消しのスプレーがあり、
このスプレーで死臭を消してからお飾りは形見として遺族に返される。

長ぱちゅりーは悲しい顔をしたまま れいむたちに労働の対価、ゆっくりフードそれなり味を渡す。
「ありがとうなのぜ、おさ。」
「ゆっくりありがとうだよ、おさ。」
2匹は礼を言いながら ゆっくりフードを受け取り、自宅へと戻る。



夕方、れいむは公園の奥である雑木林の中へと入っていく。
雑木林の中にはダンボールがたくさんあり、そん中の一つが れいむの家である。
れいむは自宅であるダンボールハウスで、両親(父まりさ・母れいむ)と一緒に夕飯を食べる。
食事は ゆっくりフードと、公園で狩った雑草とセミである。
「むーしゃむーしゃ……ごっくん……しあわせー!!」×3

3匹は飲み込んでから味の感想を言う。
この群れの ゆっくりの殆どは食事のマナーを知っており、それを実践している。
飼いゆっくりでもない彼女達が食事のマナーに気をつかうのには当然だが訳がある。
稀ではあるが、この群れの ゆっくりを引き取る人間がいるのだ。

労働の義務も、人間の脅威もなく、今よりも快適な家と食事が保証される飼いゆっくり。
そんな飼いゆっくりになる僅かな可能性を信じて、この群れのゆっくりは行儀のよく食事をしているのだ。


「ゆぅ………もう おなか ぽんぽんだよ……」
「ゆぷぷ。おちびちゃん、きょうも いっぱい ゆっくりできない おしごとを したからね。
 おなかが いっぱいに なったら、いっぱい いっぱい ゆっくりしよーね。」
「おちび、おさから きいたのぜ。
 ありすと ぱちゅりーのことは ざんっねんだけど、ふたりのぶんまで みんなで ゆっくりするのぜ。」
「ゆっくりりかいしてるよ!」
3匹は互いに頬を合わせ、一時の安らぎをえる。

「ゆぷぷ。おちびちゃんと すーりすーりを すると、とっても ゆっくりできるね。」
「ほんっとうなのぜ。みんなで すーりすーりを すると、
 ゆっくりできないことなんて ぜんっぶ わすれれるのぜ。」
「ゆん。ほんっとうだね。でも……」
れいむの笑顔が曇る。
「いもーとは にんげんさんの おうちで もっと ゆっくり しているのかな?」


------


母れいむの額から実ゆっくりが2つなった茎が生えている。
「ゆ!おちびちゃんが うまれそうだよ!おちびちゃん、ゆっくり うまれてね。」
「おちび、がんばるのぜ。ゆっくり うまれるのぜ。」
先端についている実ゆっくりが震えだし、両親が不安と期待に満ちた顔で実ゆっくりを見つめる。

やがて、先端についていた実ゆっくりが地面に落ちた。
「ゆっくりちていってにぇーー!!」
産まれたばかりの れいむが元気よく叫ぶ。
「ゆーん。とっても かわいい おちびちゃんが うまれたよ!
 れいむの はじめての おちびちゃんだよ!おちびちゃん、ゆっくりしていってね!
 ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」
「おちび、ゆっくりしてってね!
 おとーさんも おちびに ぺーろぺーろするのぜ!
 ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」
両親が笑顔でれいむの頬を舐める。

「ゆきゃわぁー。く、くしゅぐったいよ。
 ゆ!おかーしゃん、れいみゅの いもーちょが うまれしょーだよ!」
れいむは笑顔で、茎についている実ゆっくりを舌で指す。

「ゆ!ほんっとうだね!ぷるぷる ふるえだしたね。
 おちびちゃん、ゆっくり うまれてきてね!」
「おちび、いもーとが うまれたら ごはんさんに するのぜ。」
「ごはんしゃん!ゆーん、れいみゅ おなかが すいちゃよ!
 きゃわいい きゃわいい れいみゅの きゃわいい いもーちょ。
 ゆっくり うまれてね!すぐで いいよ!」
れいむの声が届いたのか、実ゆっくりが落ちた。

「ゆっくりしていっちぇくだしゃいね!」
「ゆっくりしていってね!」×3
産まれた ゆっくりは さなえだった。
産まれたばかりの末っ子に家族は笑顔で挨拶をする。

「さ、かわいい おちびちゃんたち。ごはんさんに しよーね。」
母れいむは額の茎を折り、咀嚼し柔らかくした物を れいむたちに与える。
「むーちゃむーちゃ……ちあわちぇー!!」×2
れいむと さなえは初めての食事に喜びの声をあげた。
そんな2匹を、父まりさと母れいむは目を細めて眺める。


通常、まりさ種とれいむ種の番から産まれる子供は まりさ種と れいむ種である。
だが、極々稀に、両親とは違う種族の子供が産まれることがある。所謂チェンジリングだ。
群れでは出産制限があり、子供は2匹までである。
父まりさと母れいむは話し合いの末、チェンジリングは幸運を招くいう噂を信じ、
さなえと、姉妹の中で一番大きい実ゆっくりであった、れいむを残した。



数日後。
「むーちゃむーちゃ……ごっくん……ちあわちぇー!」
「ゆーん。れいむにの おちびちゃん。
 ちゃんと ごはんさんを のみこんでから しあわせーができたね!
 ゆっくりできるよ!ぺーろぺーろ してあげるね。ぺーろぺーろ……ぺーろぺーろ……」
上手にご飯を食べることができた れいむを母れいむは過剰なほどに褒める。
ゆっくりの本能に逆らうことをさせているのだ、過剰に褒めなければ食事のマナーは習得できない。

「さ、つぎは おちびちゃんの ばんだよ。ゆっくりがんばってね!」
母れいむが笑顔で さなえに言う。
「ゆっくりりきゃいちましたわ。
 むーちゃむーちゃ……ちあわちぇー!」
れいむと違い、飲み込むまえに歓喜の声をあげてしまう さなえ。
さなえの口内から食べ物が飛び散り、ダンボール箱の中が汚れる。

「あらら、しっぱい しちゃったね。おちびちゃん、だめだよ。
 しあわせーは ちゃんと のみこんでから しないと。」
「ゆぅ……おかーしゃん、ゆっくち ごめんにゃさい……」
母れいむに注意され、さなえが素直に謝る。

「おちびちゃん。あきらめたら だめ だよ。
 がんばって、のみこんでから しあわせーが できるように なろうね。」
「ゆっくりがんばりましゅ。」
「いもーちょ、がんばっちぇね!こうやりゅんだよ!
 むーちゃむーちゃ……ごっくん……ちあわちぇー!」
「おねーしゃん、すっごいでしゅ。さなえも がんばりまちゅね!」
「ゆぴゅぴゅ。そ、それほどでも ありゅよ。
 もっと ほめちぇいいよ。そんっけいちてにぇ!!」
さなえに尊敬の眼差しで見られ、れいむは笑顔になる。

無能の代名詞である れいむ種だが、例外的にも れいむは優秀であった。
食事のマナー、おねしょの卒業時期、かけっこ、ボール遊び等、
どれも さなえよりもはやく憶え、また、さなえよりも上手であった。

「さっすが おねーしゃんでしゅ。さなえは おねーしゃんを そんっけい ちていましゅ!
 おねーしゃんにゃら、きっちょ すぐに かいゆっきゅりに なれましゅね!
 そちたら、さなえも かいゆっきゅりに してもらえりゅよう、
 にんげんしゃんに おねがいちてくだしゃいにぇ!」
れいむは妹である さなえから尊敬され、優越感に浸れる幸せな日々を過ごしていた。


れいむのそんな生活はある日、唐突に終わりを告げる。
『お、さなえがいるじゃん。
 気まぐれで覗いて さなえを見つけるだなんてラッキー。』
ゆっくりを飼おうとしていた人間が、
ペットショップに行く前にたまたま地域ゆっくりの群れを覗き、さなえを見つけたのだ。

父まりさと母れいむは、一家全員を飼うように頼んだが、
『通常種はいらない。仮に飼うとしてもペットショップで教育済みのを買うしな。』
と断れた。

「ゆぅ………しかたがないのぜ。
 にんげんさん、さなえは まりさたちの だいっじな かぞくなのぜ。
 ぜったいに しあわせーに してほしいのぜ。」
「やくっそくだよ。おちびちゃんを しあわせーにしてね。
 あと、だいっじな おちびちゃんと はなればなれになって
 かわいそうな れいむたちに あまあまを ちょうだいね。とくもりで いいよ!」
一家全員が飼いゆっくりになれないのは残念だが、自分の子供が飼いゆっくりになれるのだ。
子供の幸せは嬉しいし、子供を渡すことで菓子が貰えるかもしれない。
自分の子供が飼いゆっくりになったことで、群れの中で自慢ができるようにる。
また、今後さなえが菓子をもって来るようになるかもしれなし、
人間を説得して自分たちを飼いゆっくりにしてくれるかもしれない。
そんな打算的な考えもあり、両親はさなえを人間に渡すのを承諾した。(拒否権などないが。)

「ねぇ、にんげんしゃん。
 いもーちょよりも れいみゅのほうが ゆうっしゅうで ゆっくちしてるよ!
 だから、れいみゅも かいゆっくりに ちてにぇ!」
両親と違い、れいむは妹だけが飼いゆっくりになることは納得ができなかった。
自分は妹よりも優秀で ゆっくりしていると考えているからだ。

『は?無能の代名詞の れいむが稀少種の さなえより優秀なハズないだろ?』
「にんげんしゃん。おねーしゃんは さなえよりも ゆうっしゅうなんでちゅよ。
 だから おねーしゃんも いっしょに かってくだちゃい。」
『お、さっすが さなえ。優しい性格をしてるな。
 でもな、れいむは飼えない。もし本当に れいむが優秀だとしてもな。
 だって、俺は通常種に興味がないから。
 そんなわけで優秀な れいむは他の人間に飼われるよう努力してくれ。
 ほら、これは さなえを貰うお代だ。ゆっくり食べてくれ。』
人間は駄菓子を れいむたちの前に てきとうにバラ撒き、さなえを連れて行った。


両親は駄菓子を喜んで食べるが、れいむは食べる気がしなかった。
妹だけが人間に選ばれたのがショックだったのだ。
「おちび、きに することないのぜ。あっちの おちびは きしょうしゅなのぜ。
 ものめずらしい きしょうしゅだから にんげんさんに えらばれただけなのぜ。」
「そうだよ。あっちの おちびちゃんも ゆっくりしているけど、
 れいむにの おちびちゃんのほうが もっと もっと ゆっくりしているよ。
 だから、おちびちゃんも きっと すぐに かいゆっくりになれるよ。
 げんきを だしてね。いっしょに あまあまを たべようよ。とってもゆっくりできるよ。」
「…………ゆぅ……
 そ、そうだよにぇ。れいみゅのほうが いもーちょよりも ゆっくりちていりゅもんにぇ。
 いもーちょが かいゆっくりに なれちゃんだから、れいみゅも すぐに かいゆっくりなれりゅよね。
 ゆ!あんっちんしたら、おなかが ぺーきょぺーきょになってきたよ。
 れいみゅも あまあまを たべりゅよ!……むーちゃむーちゃ……ごっくん……ちあわっちぇー!!」
両親に慰められ元気を取り戻た れいむは菓子を頬張る。
飼いゆっくりになれたのは、妹が自分より優れているからではない。
ただ、さなえ種という稀少種だからだ。
自分は通常種だが、とてもゆっくりしている。だからすぐに飼いゆっくりになれる。
子供のれいむは飼いゆっくりになった自分を想像しながら、笑顔になった。


しかし、現実は違う。れいむを飼いゆっくりにしたいという人間は現在まで現れていない。
亜成体にまで成長した れいむは、毎晩考える。
なぜ妹よりも優秀な自分が飼いゆっくりになれないのかを。
そして、あの日の父まりさの言葉を思い出す。

「ものめずらしい きしょうしゅだから にんげんさんに えらばれただけなのぜ。」

稀少種だから妹は選ばれた。自分は通常種だから選ばれなかった。
「ゆぅ………ひきょーだよ……
 きしょうしゅ だから かいゆっくりに なれるだなんて……
 きっと いまごろは にんげんさんの ところで
 おいしーものを いっぱい むーしゃむーしゃ しているんだよ……。」
毎日自問自答し、悔し涙を流す。

「おちび……すーりすーり……すーりすーり……
 おちびは おとーさんににて ゆうっしゅう なのぜ。いつか きっと かいゆっくりに なれるのぜ。」
「そうだよ、おちびちゃん。いっしょに かいゆっくりに なれるまで、ここで ゆっくりしよーね。
 すーりすーり……すーりすーり……」
そんなれいむを、両親は毎晩慰める。目から涙を流しながら。

このような光景は珍しいものではない。
どのゆっくりも飼いゆっくりになりたいのだ。
しかし、飼いゆっくりになれるものは少ない。
優秀だと思っている自分が飼いゆっくりになれない現実に涙し、
家族で互いに慰め、励ましあう光景は毎晩この群れのいたるところで見ることができる。


------


翌日、れいむは昨日と同様にゴミ拾いをしている。
今日は公園の駐車場の側にある生垣の中を まりさと一緒に掃除をしている。

「ゆぅ……きょうも あついよ。」
揉み上げで汗を拭きながら れいむが言う。
ふと駐車場の方を見ると、れいむの両親が駐車場で掃除をしていた。

「ゆ。おとーさんと おかーさんだ。
 ゆゆ?えださんを くわえて あすふぁるとさんを こすってるよ?
 そっか。がむさんが ついているんだね。ゆぅ……がむさんは ゆっくりできないよ……」


れいむの言う通り、れいむの両親はアスファルトにコビリ付いたガムを剥がそうとしている。
「ゆ!ゆ!なかなか がむさんは とれないのぜ……」
「ほんっとうだね。でも、きれーに しないと だめなんだよ。
 まりさ、ゆっくり がんばろうね!」
父まりさとは少し離れた場所で、母れいむが笑顔で言う。
「まっかせるのぜ!さいっきょうの まりささまが ほんきを だせば、がむさんなんて いちっころなのぜ!」
2匹は枝でアスファルトを夢中で擦る。
父まりさのすぐ後ろで停車中の車のエンジンがかかったことに気がつくことなく。

「あぶない!!!」
れいむが叫ぶがその声は両親には届かなかった。
「げすな がむさんは さっさと こうっさんす っぐっべぇえええええ!!!!」
父まりさはバックで動きだした車の後輪に潰され、ゆっくりすることのない生涯を終えた。
「ゆ?なんだか くさいよ?それに すぃーの おとが するよ。
 まりさ、ゆっくり きをつけ……ゆ?っば!ばりざぁあああ!!!
 ど!どぼじでぇええ!!??どぼじで ずぃーが うごいでるのぉおおお!!??」
死臭と、自動車がバックする警告音に反応した母れいむは父まりさの死骸をみつけ、泣き叫ぶ。
そして、泣き叫びながらも、自動車から逃げようとする。
母れいむが跳ねた方向は駐車場の出口。つまり、自動車が向かう方向である。

「っだ!だずげでぇえええ!!」
運転手は母れいむの存在に気がついていたが、駐車場は狭く、母れいむを避けて走らせるスペースがない。
加えてこの運転手は時間に余裕がないため、母れいむが退避する時間を惜しんでいる。
不幸にも、運転手は ゆっくりを潰すことに罪悪感を感じないタイプの人間であった。
父まりさを轢き殺したことも運転手は気にしていない。
車体が汚れることになるが、後日洗車予定がある為、運転手は母れいむを気にすることなく車を走らせる。


「だずげ!だっずげ!!だっずげっでぇえええ!!!!!」
母れいむは必死に跳ねて逃げる。
が、どれだけ必死になっても、所詮は ゆっくりである。
自動車の徐行速度には敵わない。
「だっずっげ っゆっぎゃぁああああぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!」
母れいむは自動車に尻の部分を轢かれた。

「おどぉざぁぁん!!おがぁあざぁぁあん!!!」
両親が轢かれる光景を見た れいむは泣き叫びながら、母れいむの側へとかけよる。
父まりさは頭から潰されており、すでに絶命しているが、母れいむはまだ生きているからだ。

「おがぁざん!!ゆっぐりじで!ゆっぐりじでねぇ!!」
尻から下を失い、餡子が溢れ出ている母れいむに れいむは泣きながら声をかける。
「お……おぢびじゃん………
 ごべんね………おがーざん、ぼう だめびだい。
 おぢびじゃんは ゆっぐりじでね。がいゆっぐりに なっで、いっばい ゆっぐじずるんだよ……」
「ゆっぐりりがいじだよ!だがら ぼう しゃべらないでぇええ!!
 おがぁざん!!ゆっぐりりがいじだがら!だがら ゆっぐり なおっでよ!!おでがいだよぉお!!」
泣きながら れいむは母れいむの身体を舐めるが、餡子の流出は止まらない。
「………ごべんだよ……おぢびじゃんを ぎじょうじゅに うんで あげれなぐで……
 ぼじ、おじびじゃんが きじょうじゅ だっだら……
 あの おぢびじゃんびだいに すぐ がいゆっぐりに なれだのに……」
「おがぁざん!ぼう じゃべっじゃだべだよ!!
 あんござんが!あんござんが!あんござんがぁあああああ!!」
母れいむは涙を流しながら、揉み上げで れいむの頬を撫でる。
死が間近だというのにその顔は穏やかだ。
母れいむは最愛の娘に看取られて逝ける事に満足している。
「だべだよ……おちびじゃん……ないでだら ゆっぐりでぎないよ……
 ゆっぐじ じでないごは……がいゆっぐりに なれないよ……
 だがら…ながないでね……
 いづか……ぜっだいに……かいゆっぐりになっで……もっどもっど……ゆっぐりじでね……
 ………もっど ゆっぐじじだが………だ………」
母れいむの揉み上げが暑いアスファルトに落ちる。


「!!お!!おがぁざぁああああああああああああああああああああああああああん!!」
れいむが絶叫をあげる。愛する両親を目の前で失った。
父まりさが頭から潰されるところを見た。
母れいむが静に息を引き取る際、何もできなかった。
れいむは何もできずに、両親を失った。

「っゆっがぁぁあああああああああああああ!!
 っど!どぼじでぇええ!?なんでぇえええ!!おどぉざんぼ!おがぁざんぼ!!
 なんで れいぶだぢが ごんな め゛にあうのぉおおおおおおおおおおおお!!!
 ごんなの!ごんなの ゆっぐり゛でぎなぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
れいみは我を忘れて泣き叫んだ。母れいむの遺体に顔を埋めながら。




「ゆっぐ………ゆっぐ………」
暫くして、れいむが大声で泣くのを止めた。
泣き叫んだことで、少しだけ落ち着きを取り戻せたのだ。

「………れいむ……その………
 いいにくいけど…………おそうじ しないと だめ なのぜ………」
まりさが申し訳なさそうに声をかける。
「……ばりざ……わがっでるよ………」
母れいむの遺体に顔を埋めたまま れいむが言う。

「れいむ。きょうは もう やすむのぜ。
 あとのことは、まりさや むれの みんなで するのぜ。」
「…………いいよ……」
「ゆ?」
「れいむが するから……いいよ……」
「で、でも、れいむ。その、おかーさんなのぜ?おとーさんなのぜ?
 れいむの おとーさんと おかーさんの いたいさんを………」
「できるから!れいむが するから いいよ!!
 おどーざんの ぼうも れいぶが ずるがら!!!
 ぜっだいに ざわらないでね!ゆっぐりりがいじでね!!!」
れいむはそう叫ぶと、泣きながら、母れいむの遺体に歯を立てた。

成体ゆっくりの遺体を丸々ビニール袋にいれることは ゆっくりの力ではできない。
そのため、遺体は小さく噛み千切りながら捨てるしかないのだ。

「おがぁざん……ごべんね……
 でぼ、でぼでぼでぼ、おがぁざんの がらだを……
 ぼがの だれがに きずつけざぜだぐないんだよ……」
れいむは泣きながら、母れいむに謝りながら、母れいむの遺体を小さくしていく。
母れいむの遺体をビニール袋にいれ終えたところで、
れいむはアスファルトに飛び散った死臭のする餡子を舐めとる。

母れいむの方の処理が終われば、次は父まりさの遺体だ。
「おどうざん。まだぜで ごべんね。」
涙を溜めた目で れいむは父まりさの遺体に謝り、そして処理を始める。

れいむの口内に父まりさの死臭が広がる。
体内にある母れいむの餡子から発せられる死臭と、父まりさの死臭が混じり、強烈な吐き気が れいむを襲う。
だが、れいむは決して餡子を吐かなかった。
大好きな両親の餡子なのだから。
もし吐いてしまえば、自分は両親を愛していなかったと勘違いをしそうだから。

吐き気と必死に戦いながら、必死に父まりさの遺体の処理を続ける。
その瞳からは、涙がとまることなく流れている。



「れいむ……………」
れいむのまわりに数匹のゆっくりが集まる。
彼女達は、家族の遺体を必死に片付けている れいむに対して何も言えず、
ただ見ていることしかできなかった。

同族の遺体の片付けは辛いことだ。
それが家族の、しかも目の前で亡くなった家族のものであれば、その辛さはいつも以上のものになる。

れいむの周りのゆっくりたちも目から涙を流す。
れいむに同情したこともあるが、いつ自分が同じ目にあってもおかしくない事を理解しているからだ。
飼い主という保護者いない彼女達は、地域ゆっくりといっても野良と変わりない。
常に死と隣り合わせなのだ。




数時間後、広くなってしまった家の中で れいむは独り泣いている。
もし両親が飼いゆっくりならば、あんな風に死ぬことはなかったハズだ。
飼いゆっくりでない自分たちが悲しくて悲しくて、れいむの瞳から涙が止まることはない。

「……るよ……なってびぜるよ!
 れいぶはぁああ!!れいぶはぁあああああ!!
 ぜっだいに!ぜっだいに がいゆっぐりに なっでびぜるよぉおおお!!!」
れいむは決意を叫ぶ。

「だがらぁあああ!!だがら おぞらの ゆっぐりぶれいずで! てんっごくで み゛ででね!!
 おどうざぁああん!!おがぁあざん!!!!
 いぼうど だっで なれだんだよ!!
 れいぶだっで なれる ばずだよぉおおお!!!
 ぜっだいに ぜっだいに がいゆっぐりに なっでびぜるよぉおおおおおおおお!!!!」
近所の ゆっくりは れいむの声を黙って聞いた。
皆同じなのだ。飼いゆっくりになりたいのは。


今夜も公園のいたるところで、
ゆっくりたちは飼いゆっくりになれない自分に涙を流し、互いに慰めあってる。



つづく

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