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2352:夕方のゆっくり

2013/02/22 (Fri) 00:00
れいむと、れいむの前に座る人間の影が長く長く伸びていた。

沈みかけた夕日が差し込み、部屋は赤かった。

れいむは涙を流していた。

どうして。

れいむが呟いた。

誰もそれに答えなかった。







 夕方のゆっくり








「ゆ!ようやくみつけたよ!ここがれいむのゆっくりぷれいすだね!」

「ゆわぁぁ……」「ゆっくち!ゆっくち!」「ゆっくりできりゅにょ?」

三匹の子供を連れたゆっくりれいむが人家を見つけたのは、午後も遅い時間だった。

「ゆぅぅ……ながかったよ……」

れいむは感慨深く呟いた。


一家はこの家の裏山に棲んでいたゆっくり饅頭だ。

成体はれいむだけで、その番の姿はない。

れいむの後を一列になって付いていく子ゆっくりはいずれもピンポン玉サイズ。
どれも目付きと眉だけはきりりと上がり、何故か自信に満ちた表情をしている。

しかし、ちこちこと這う動きはあまりに遅い。
近くで見なければ移動しているのか止まっているのか分からないだろう。

そんな一家がここまで来られたのだ。
よほど運に恵まれているらしい。

しかもたまたま見つけたこの家は、ドアチェーンをかけて玄関を開放していた。
こうでもなっていなければ入り口がどこなのか認識できず諦めていたはずだ。
幸運の積み重ねもここまでくればもう奇跡だ。

そんな奇跡の上をずりずりと這いずって、饅頭一家はここまで辿り着いたのだ。


「ゆっ!おきゃーしゃん!」

「ゆっくちしちゃいよ!」

「ゆっくちしようにぇ!」

子ゆっくりの声で、れいむは我に返った。

「……ゆっ?ゆゆん!ごめんねおちびちゃん!れいむついかんっどうしちゃって……」

れいむはそのもみあげを手のように動かして、目尻を拭った。
ただ運が良かっただけだが、れいむ達なりには苦労してここに辿り着いたのだ。
感動もひとしおなのだろう。

「ゆ!おちびちゃんたち!」

れいむは子ゆっくりに向き直り、お決まりの口上をあげた。

「ゆっくり、していってね!」

「ゆっくちー!」

子ゆっくり達が唱和した。


これからずっとゆっくりできる。

この一家の誰もがそう信じて疑わない。
自分が望む展開以外の事など、考えてもいない。

ゆっくりしていれば何でも解決。あらゆる事象は望む通りに動く。
息をするようにそう信じている。
実際、今まではそうなってきたのだ。

だから大声をあげてはしゃぐ一家は知らない。
それは全てただの偶然であり、彼らは何もしていない。
そして彼らの持っていた幸運はたった今、使い切られたのだ。


「ゆわぁぁ……!」

家に侵入した一家は感動のあまりその場で呆けていた。
一瞬にしてこの場所の快適さを理解したのだ。

ゆっくり饅頭は名前通り「ゆっくり」を求めるものだ。
それだけに「ゆっくりしているもの」つまり「快適なモノ」を判別することに長けている。
それは同胞や人間などに限らず、場所や現象、果ては概念的なものまで敏感に察知する。
場所やモノなどに対して「ゆっくりしている」とは快適そうだ、と言う意味だ。
視野は非常に狭く、注意力も散漫な彼らだがそういったものは目ざといのだ。
もちろん、場所やモノが能動的に何かしている訳ではない。少なくとも人間にはそう見える。
しかし彼らの目を通してみると、万物あらゆるものがゆっくりしたりしていなかったりするらしい。

その感覚で見るこの家の中は想像以上だった。
いや、いくら考えても想像すら出来なかっただろう。
土を掘った穴に暮らしていたものに、人間の住居を想像してみろと言っても無理な話というものだ。

「……ゆ!おちびちゃんたち!まだかんっどうするのははやいよ!」

停止していたれいむが子ゆっくりに呼びかけた。

「ゆ!はやくゆっくちしちゃい!」

不満げな子ゆっくりたちにれいむは説明する。

まだ空間は奥へ続いている。つまりまだここは入り口だ。

中心まで行ってから「おうちせんげん」をしよう。

先祖にペットゆっくりでも居たのか、この空間全体で一個の家なのだと認識しているらしい。
もっとも今時「おうちせんげん」を信奉している辺り、このれいむ自身は生粋の山育ちだ。

「おうちせんげん」はある程度余裕のある者同士の、ある種の善意に基づいた取り決めだ。
余裕が無くなればすぐに形骸化する。
まして社会的な制裁が期待できないのなら、宣言などあくまで心情的なもの。
市街地の個体やゲス相手では鼻で笑われてさっさと実力行使されておしまいなのだが。

「ゆっくりりきゃいしちゃよ!」

穴だらけの提案に元気よく返事を返す子ゆっくり。

早速れいむは跳ねて床に上がろうとして

「ゆびぃ!?いぢゃいぃいいいいいい!」

顔面を強打して転がった。
この家の床の高さは、れいむの跳ねる高さより高かったのだ。
飛び乗ろうとしても思い切り顔面を打つだけで上がれない。

「どぼじでぇええええ!」

どうして上がれないのか理解できないれいむは叫んだ。

「いじわるしないでね!せいっさいするよ!」

誰に向かって話しているのかれいむ自身もいまいち分かっていない。

こういう時、壁があるならその壁に向かって命令するのだが、目の前にあるのは段差だ。
段差の上に景色が見える。すなわち壁ではない。ならそのまま進めるはずだ、と考える。

ゆっくり饅頭にとって、自分の跳ねる高さなどを把握するのは難しい。
知能的な限界で、遠近感の把握や物の大きさ比べはほとんどできないのだ。

段差の高さが超えられないとは気付かない。
故に、何に対して命令すれば良いのか分からない。
強いて言えば土間から上がれないという結果に文句を言っている。
もちろん返事は無い。

「もうおこったよ!ぷくーするよ!」

その場で空気を吸い込んで膨らんでみせた。

「ぴゅきゅー!」

「きょわいでしょ!でもやめにゃいよ!」

「おぉ、あわりぇあわりぇ!」

子ゆっくりたちも一緒に膨らんだり、挑発しだした。
親と同じように騒いでいるが彼らも誰に対してそんな事をしているのか分かってはいない。
全く意味のない行動はしかし、状況に変化をもたらした。

家の奥から唐突に人間が現れたのだ。

チェーンがかかっている以上当然住人が居るし、これだけ騒いでいれば当たり前だ。
適当に斜め上に向かって膨らんでみせていたれいむが真っ先に人間に気づいた。

「どおしてれいむのおうちににんげんがいるのぉおおおおお!」

れいむは山育ちだ。人間を見た事はない。
だが祖先から伝わる記憶でそれが人間だと瞬時に理解できた。
そろそろ強くなり始めた西日が逆光となって顔はよく見えないがこちらを見下ろしているようだ。
そして自分たちはまだ土間からあがれないのに、その人間は床の上に立っている。

れいむはここに住みたいと思った。だからここはれいむのものだ。
当たり前ではないか。
どうしてそんな事が分からない。何故ゆっくりの言う事に従わない。

先程やろうとしていた「おうちせんげん」の無意味さを自ら示しながられいむは言い放った。

「ゆ!なんなの!ここはれいむのおうちだよ!にんげんはゆっくりしないででていってね!」

れいむが吠えると子ゆっくり達も続く。

「でちぇいっちぇにぇ!」

「しょれからちんでにぇ!」

「ぷっきゅぅぅぅ!」

しかし人間はまるで聞こえていないかのように傍にあった棚に手を伸ばす。

「ゆっがぁああああ!むしするなぁああああああ!しねぇえええええ!」

しゅっ

そして棚から取り出した霧吹きをれいむたちに向けて噴射した。

「ゆぶっ!?つめたい!ゆがあぁあああああ!せいっさい……ゆ?なんだか、ねむくなってきたよ……?」

「ねむくなっちぇきちゃにぇ……」

霧吹きの中身はラムネだった。
ゆっくり饅頭はどういう訳かラムネの味に眠気を誘われるのだ。
その香りもしかり。

「れいむはすーやすーやするよ!」

「しゅりゅよ!」

目の前にいる、たった今まで殺すかどうかの段で考えていた相手の事はもう眼中にない。

眠くなった時に寝る。好きなだけ寝る。
それはれいむにとっての美徳だった。
そして、寝ると宣言すると同時にもう寝ていた。

「すーや!すーや!」

「しゅーや!しゅーや!」

人間は霧吹きをしまうと、ドアを抑えていた楔を外してドアを閉めた。

ゆっくり一家は延々と「すーやすーや!」と喋り続けながら寝ていた。


「……しゃ……!……っ!」

遠くからか細い声が聞こえる。

「……ぃ……っ!」

その合間に時々何かの音が入る。

「……し……っ!」

何の音だ。

うるさくてゆっくり眠れない。

れいむは段々と意識が浮上していくのを感じた。
とりあえず文句を言おうと思った。

「ゆぅ、うるさ……」

しかしそれは途中で遮られた。

「やめちぇぇええええええ!」

「いぢゃいぃいいいいいいい!」

「ゆっくちできにゃぃいいいいい!」

火の付いたように泣き叫ぶ子ゆっくりの声だ。

「ゆぅううううう!?」

間違いない、自分のおちびちゃんの声だ。
れいむは一瞬で覚醒した。

周囲を見渡して、すぐにあの人間を見つけた。
そして、その周りで転がっている丸いもの。
痛い痛いと泣いている。

れいむの母性が、ゆっくりとしてはかなり素早く状況を理解させた。
おそらくここはれいむの「おうち」の中だ。
あの人間が卑怯な手を使って、自分たちを眠らせてここへ連れてきたのだ。
そして、あの人間が可愛いおちびちゃんをいじめている。

「やめろぉおおおおお!」

れいむは全力で跳ねた。
そのまま人間に体当たりをかけて、殺すつもりだった。

あんなに可愛いおちびちゃんを泣かせたのだ。

制裁してやる!

「にんげんんんん!しねぇええええええ!」

インパクトの直前までれいむはしっかりと目を開いて、渾身の体当たりを繰り出した。

「ゆぶっ!」

人間は硬かった。

ゆっくりのような柔らかさのない、じつにゆっくりしていない感触だった。
そして、そんなものに全力で体当りしてしまったれいむのダメージは大きかった。
堪えているが、おちびちゃんの前でなければこのまま泣き叫んでいただろう。

だがこれだけの衝撃だ。

おそらく人間は即死、少なくとも大量の餡子を吐いてゆっくりできなくなっているはず。

れいむは固く瞑った目を開けてみた。
そこには何事も無かったかのように人間が居た。

「どぼじでぇえええええ!?」

どうしてだ!なぜ死なない!制裁したのに!

理解を超えた現象に、れいむは疑問形で絶叫する。
しかし人間はぶつかってきたれいむを完全に無視し、泣き叫び逃げ惑う子ゆっくりへ手を伸ばす。
そしてその手が子ゆっくりへ近づいた瞬間。

びちっ

何か音がして子ゆっくりが飛んだ。

「っ……っびぃいいいいいいいっ!」

飛ばされた子ゆっくりはそのままころころと転がり、一瞬歯を食いしばってから叫び声をあげる。

「ゆっ!?おちびちゃん!?」

ゆっくりの目では何をしているのか見えないが、人間は軽いデコピンで子ゆっくりを弾いたのだ。
弾き飛ばされたゆっくりは摘み上げられ、また人間の手元に置かれる。
同じように、もそもそ逃げている二匹目を指で弾く。それを摘み上げて手元に戻す。
三匹目の子ゆっくりにも同じことをしてから、再び一匹目に戻る。

れいむが気絶している間、三匹の子ゆっくり達はこうして順番に痛めつけられていた。
摘み上げられても何も言わずに泣いている所を見ると、既にかなり痛めつけられているらしい。
おそらを、などと言える余裕が無いのだ。
それどころか、人間に対して威嚇はおろか話しかける事すらしていない。
あらゆる努力が無意味だと理解させられている。

親を呼び、泣きじゃくりながら子ゆっくりは秒速1センチの逃走をしては跳ね飛ばされていた。


「やべろぉおおお……じねぇえええ……じねぇええええ……!」

頭を押さえつけられたれいむが、人間に対して呪詛を吐いていた。

再度体当たりをしたのだが、れいむが痛い思いをしただけで終わり、そのまま人間に捕まったのだ。
今は、口から餡子を出さない程度の力で頭を抑えつけられている。
潰されたり、餡子を出してしまったりはしないが全く動くこともできなかった。
目の前で人間が繰り返す暴力を黙って見ているしかなかった。

「もういやぢゃぁ……」

「ゆっくちできにゃぃ……」

「どうちちぇたしゅけちぇくりぇにゃいにょ……」

目の前で可愛いおちびちゃんが助けをもとめている。
その鳴き声の合間に一定のリズムでばちんという音が挟まれる。
吹き飛ばされころころと転がってから火がついたようにまた鳴き出す。
やめろ、死ねと命令しても人間が従う様子は無い。
そして自分はその人間のせいで一歩も動けない。

自分はゆっくりだ。
この世で最も尊く、ゆっくりしている。
ゆっくりしている自分がどうしてこんなゆっくりしていない者に!

「ゆっぎぃいいいいい!」

れいむの感情が爆発した。

「にんげんがぁああああ!ふざけるなぁああああ!いいかげんに……ゅ?」

叫べる。さっきまで口が思うように開かず大きく叫べなかった。
動ける。頭の上からかかっていた重みが無い。

「……ゆ?」

人間が手をどけていた。

「ゆっ!ゆゆん!ようやくわかったんだねくそにんげん!れいむの……」

びちっ

「……っぢゃぃいいいいいいい!」

得意げに喋るれいむをよそに、人間が再び子ゆっくりを指で弾いた。

「ゆ!?」

れいむは自分の気迫に人間が圧されたのだと思っていた。
本気を出した自分の強さにおそれをなした。だから自分を解放したのだと。
だが人間は、相変わらず機械的で単調なリズムで子ゆっくりを痛めつけている。

「ゆがぁあああああ!やめろぉおおおおお!」

どういう事だ。反省したんじゃなかったのか。身の程を理解したのではなかったのか。
れいむは再び激昂したが、同時に人間の意図を理解した。
人間は反省などしていない。
れいむの強さに恐れをなしているが、今度は弱いおちびちゃんだけを狙う事にしたのだ。

なんというゲス!どこまで卑怯な手を使ったら気が済むのだ!

もう許さない!

再び人間に体当たりをしようとして、れいむは留まった。

体当たりは、痛い。

この人間を潰したいが、痛いのはゆっくりできない。

「……おちびちゃんたち!おかーさんのおくちにはいってね!」

そう叫ぶとれいむはぱかりと口を開けた。
体当たりが嫌だったれいむは、自分の口に子ゆっくりを非難させることにしたのだ。

「ゆっ!?おきゃーしゃんのおくちににげりゅよ!」

その声を聞いて子ゆっくり達は一斉に親へ向かって移動を始めた。
人間は邪魔をすることもなく手を止めてそれを眺めている。

「ゆっゆー!きょれであんじぇんだにぇ!」

子ゆっくり達は一様にまた眉毛をきりりと上げて這いずっていく。
既にその顔は何かの自信に満ちている。
さっきまで死にそうな形相をしていたが、実際のダメージはそれほどでもなかったのだろう。

「ゆっくちひなんしゅりゅよ!」

何回も何回も非難するよ、と叫ぶ。

ちこちこ、ちこちこと人間の前を横切っていく一口饅頭。

「ゆぴゅー……もうしゅこしでちゅくよ!」

自分で実況しつつ、小休止も挟む。

れいむは口を開けて待ち、人間もそれを黙って見ている。
三匹の子ゆっくりの声だけが響く時間が続いた。

やがて。

「ゆっくち!ゆっくち!」

最後の一匹がようやくれいむの口に収まった。

「ゆっくちひにゃんしちゃよ!」

わざわざ言われなくても見れば分かる、大変ゆっくりした避難が終わった。
全ての子ゆっくりを収容したれいむが得意げな顔をして

「これでおちびちゃんはあんっぜんっだよ!」

などと言う頃には太陽が赤くなりかけていた。


「ゆふー!ゆっくちしゅりゅよ!」

「ゆーん!おきゃあしゃんのおくちのなかはしゅごくゆっくちできりゅにぇ!」

「ばかなにんげんにかっちゃよ!」

れいむの膨らんだ顔の中から、子ゆっくり達の声がする。
れいむはゆふふと不敵な笑みを浮かべ、人間を正面から見据えた。

「これでもうおちびちゃんにてだしできないよ!ざんねんだったねくそにんげん!」

だから諦めろ、と口を閉じたまま言った。
ばーきゃ!ばーきゃ!と罵る声がその中から聞こえている。

人間は動かなかった。ただ黙ってれいむの正面に座っていた。

「ゆふん!ようっやくあきらめたんだね!じゃあしんでね!いますぐでいいよ!」

「いいよ!」

「ちねー!」

れいむが勝利宣言をして子ゆっくりも口の中からそれに続く。
しかし人間は相変わらずそのまま動かない。

「ゆがぁああああ!むしするなぁあああああ!にんげんがぁああああああ!」

「むししゅりゅにゃぁあああああ!」

いくら命令しても、思いつく限りの罵詈雑言をぶつけても動かない。
れいむはふと思いついた。

この人間は死んでいるのではないか。

そうだ、やはりさっきの体当たりが効いていたのだ。
きっと痩せ我慢をしていたに違いない。
こんなにゆっくりしている自分たちにゆっくりしていない人間が勝てる訳が無いのだ。
れいむはそう考えた。

「おちびちゃんたち!このにんげんはしんでるよ!」

れいむは口の中の子ゆっくり達に呼びかけた。

「ゆ!ほんちょ!?」

「やっちゃー!」

「ゆわーい!」

くぐもった甲高い声がれいむの口から聞こえてくる。

「ゆふー……」

れいむは大きく息を吐いた。
この人間はできるだけ苦しめてから制裁してやりたかったが仕方ない。
それによく見れば太陽はもう大分傾いてきている。
外から入ってくる光にも赤色が混じり始めていた。
日没までにはまだ時間があるが、夜はれみりゃの時間だ。
いつまでもここでこんなゆっくりしてない人間に構っている事はない。
陽が沈む前にここでおうちせんげんをして、正式にこの家を奪い取ろう。
そう思ってれいむが部屋の出口へ向かおうとした時だ。

人間が動いた。

死んだとばかり思っていた人間が突然動き出したのだ。

「ゆうぅぅっ!?」

人間はゆっくりと片手をあげてみせた。

そして。

ぱんっ

乾いた音が響いた。

「ゆ!?……っゆっびぃいいいいいいい!いぢゃいいいいいいい!」

人間が平手でれいむを叩いたのだ。

「いぢゃいぃいいいいい!いぢゃいよぉおおおおおお!」

経験の無い痛みに、れいむは転げまわろうとした。

しかし。

「いぢゃぃい……ゆっ!?」

転げまわる前に人間によってがっちりと掴まれ、そのまま人間の正面に置き直された。
しばらくそのままれいむは動けなかった。

「ゆっ……ゆっ……ゆふー……ゆふー……」

ときおりびくっと痙攣するれいむを人間は黙って見ていた。
ようやく平手打ちのダメージから立ち直ったのか荒い息をつきながられいむは人間を睨んだ。

「ぐぞにんげんんんん!なにをじだぁあああああ!」

放たれた平手打ちは見えなかったのだ。
ただ人間に、何かとてつもなく痛いことをされたのは分かった。

「じねええええええ!ゆっぐじじないでざっざどじねぇえええええ!」

れいむは今までこの人間から直接的な暴力は一切受けていなかった。

自分が制裁として攻撃を仕掛けることはあっても、反撃があるなどとは露程も考えていない。
だから、痛覚的なものと同時に精神的な衝撃も大きかった。

誰かが自分に害意を向けるなどありえない。
全ては自分の命令に従うだけの存在。
なぜなら自分はとてもゆっくりしたゆっくりだから。

既に何一つ思い通りにならない存在を前にしているのだが、まだれいむはそんな考えがあった。
故にその怒りは激しかった。
燃えるような怒りは体当たりをして痛い思いをした事など簡単に忘れさせた。

れいむは再び体当たりを仕掛けた。


「おきゃーしゃん?」

「どうしちゃにょ?」

「ゆっくちー?」

子ゆっくり達は混乱していた。
人間は制裁した、と聞かされてから親の返事が無いのだ。
聞こえてきたのはれいむが平手打ちを受けた際の悲鳴だけ。
そのれいむが受けた平手打ちも、あくまで表皮へダメージを与えるもの。
口の中の空間に居た子ゆっくり達はほとんど何の衝撃も感じていないだろう。
しかし親は何かゆっくりできない叫び声をあげている。

子ゆっくり達は何が起きているのか分からない。
その時、また親が何か叫ぶ声が聞こえた。
何が起きているのか親に聞こうとした時、口腔全体が揺れてからどすん、と軽い衝撃があった。

「ゆぅぅ?」

「なんにゃの?」

「ゆっくちしゃしぇちぇにぇ!」

親からの返事は無い。
しかしそれから何度も口腔全体が揺れ、最後にどすん、と衝撃がくる。

「おしょらをとんでるみちゃいー!」

「ゆっくちはにぇるよ!」

「たのちいにぇ!」

中の子ゆっくり達は存分にその感触を楽しんでいた。
適度な揺れで縦横無尽に跳ね回る。
親の口の中だ。どこへ当たっても痛くない。

「ゆっくちできりゅにぇ!」

それは親が人間に体当たりを敢行している衝撃なのだが、
もう親がどうなっているのか気にするものは居なかった。


「ゆぶぅ……ゆぶぅ……」

ぜいぜいと荒い息をついて、れいむは体当たりを止めた。

「こんどこそ……せいっさいしたよ!」

れいむでは数えきれない程体当たりを繰り返したのだ。
あまりの攻撃の激しさに人間は反撃もできなかったのか、じっとしていた。
もっとも、それはれいむの妄想だ。

口の中に子供を入れたままなので、体当たりは弱々しいものだった。
重くなった体は思うように動けず、ぼすんと顔を押し付けるだけ。
れいむが激しい攻撃、と思っていたのはこんなものだ。
でなければ、一度の体当たりで痛がっていたれいむがそう何度も体当たりなどできない。

「しぶといにんげんだったよ……」

何度目かの体当たりをして、れいむは今度こそ人間を制裁したと判断した。
気づけば太陽は真っ赤に輝いている。
もう日没まであまり時間が無いだろう。
ゆっくりしていられない。
そう思ったれいむが見たのは、ゆっくりと手を上げる人間の影だった。


「ゆ……ゆぐ……」

れいむは人間と向かい合っていた。
何度制裁しても人間は生き返ってくる。
いや、さすがにれいむも気付いている。
死んで生き返ったのではなく、そもそも体当たりされても死なないのだ。
攻撃してもただ黙って受けているが、れいむがどこかへ行こうとすると突然攻撃してくる。
あの恐ろしい平手打ちだ。
振った瞬間こそ見えない。
だがそれまでの動作はゆっくりと、れいむにも見えるようにしてくるのだ。
わざとやっているのだろう。ゆっくりと手をあげる。
そして不可視の攻撃が飛んでくる。
その威力はれいむの心をへし折るに十分だった。
そして激痛に悶絶していると、また元の位置へ戻されるのだ。

「ゆゆーん!にんっげんをーしぇいっしゃいー!」

「ゆっくちー!ゆっくちー!」

「ゆっくちしちゃおうただにぇ!」

口の中に隠した子供には、自分が人間を制裁しているのだと言ってある。
今も楽しそうに人間を制裁する歌を歌っている。
痛みに悶絶するれいむの口から楽しげな歌う声が聞こえていた。


いよいよ太陽の色は赤みを増して、日没が迫っていた。
れいむも、人間も、部屋の全てが赤く染まっていた。

れいむは動けずにいた。

その口の中からは先程から「しゅーや!しゅーや!」と聞こえている。
もはや力で制裁する気力は無くなっていた。
しかし逃げれば平手打ちが飛んでくる。
状況はかなり詰んでいた。

「ゆぅぅ……ゆ?」

ふと、れいむは舌の上の違和感に気づいた。
れいむの舌がわずかな甘味を感じているのだ。
そういえば意識したのは今だが、大分前から甘さを感じていた。

それは子ゆっくりの底部が溶けだしている事を示している。
ゆっくりの唾液は少量なら表皮の修復効果を持つ。
だが液体である事に変わりはない。
小麦粉と砂糖と膨張剤でできた皮を浸ければやがて溶ける。

「ゆ!?ゆぅぅぅ!」

慌ててれいむは子ゆっくりを吐き出そうとした。

「しゅーや!しゅー……ゆ!?にゃんにゃのー!?」

寝ていたせいか、子ゆっくり達はまだ自覚症状が無いらしい。
これなら乾かせば治る。

しかしその時。

今まで座って見ていた人間が唐突に動いた。
今、れいむは移動しようとしてはいない。

「ゆっ!?」

何故だ。話が違う!

そう思うれいむなどお構いなしに、人間はれいむの前にすっと手を伸ばした。

また殴られる!

そう思ったれいむは反射的に目を閉じて身をすくめた。
しかし。

「……ゆ?」

いつまで経っても痛みはなかった。

「……ゆぅ……?」

きつく閉じていた目を恐る恐る開いてみると。

「ッ!?ゆぅうううううっ!?」

目の前に人間の手があった。

今度こそ殴られる!

そう思ってまた身を固くして目を瞑ったが、やはり何も起こらない。

「なんなの……?」

おかしい。
人間はれいむの目の前に手を突き出している。
だがそれだけだ。
殴るでもなく、人間はそのまま止まっているのだ。
そもそも殴るような手つきでもなく、中途半端に開いた手をれいむの前に出しているだけ。
傍から見れば、れいむを相手にかるた取りでもやっているように見えるだろう。

「ゆぅぅ?」

れいむは人間の意図が分からない。
今までも分からなかったが、今回は本当にさっぱり分からなかった。
不思議に思ったれいむは視線を上げた。
そして目が合ってしまった。

人間の目。

それがじいっとこちらの目を覗きこんでいた。
まともに目を合わせてしまったれいむは慌てて視線を外す。
目が合っただけで、思わず餡子を吐き出してしまいそうだったからだ。
なんてゆっくりできない、目。
まるで死んだゆっくりのそれだ、とれいむは思った。

そのとき、唐突にれいむは理解した。
目の前に突き出された手の意味。

出てきたおちびちゃんを潰すつもりだ!

「ゆぐぅううう!?」

慌てて口を閉じる。
今まさに外に飛び出そうとしていた子ゆっくりを口に戻す。

「ゆっ?ゆー、ゆっくちこりょがるよ!」

「ゆわーい!こーりょこーりょ!」

「ゆっくち!ゆっくちたにょちいにぇ!」

舌の上を赤ゆが転がっている感触が伝わってくる。
どうやらまだ自身の変化には気付いていないようだ。
楽しげな声を上げる子ゆっくり。
その声はれいむを安心させたが、状況は変わっていない。

溶け始めている事に気付かれれば確実にパニックを起こすだろう。
そうなってしまえばお終いだ。
この状態でパニックを起こし暴れ始めれば薄くなった皮が裂けてしまう。
皮の裂傷は尚一層のパニックを引き起こし、更に暴れだす。
ただでさえ薄皮饅頭の子ゆっくりだ。
小さな裂け目がすぐに手の施しようがない裂傷になるだろう。
それだけは避けなければならない。

「おちびちゃん!まってね!まだにんげんがいるからゆっくりまってね!」

「ゆっくちりかいしちゃよ!」

れいむとしては本当はこれは言いたくなかった。
人間如きをいつまでも制裁できないと思われてしまう。
そもそも人間は既に制裁して殺してやった、と言ってしまったのだ。
幸い子ゆっくり達はまだその辺りの事についても何も感じていないようだ。
だが口から出た子ゆっくりがこの無傷の人間を見たらどう思うだろう。
なんとか上手い言い訳も考えておかねばならない。
れいむの懸念事項が増えた。

その時、再び人間が動いた。
今度はしかし、すっと手を戻して座りなおしたのだ。

「……ゆぐ……?」

人間はいつも唐突に動き、いつも最初はその意図が分からない。
今回もやはり分からないが、とりあえず危険は去ったのだろうか。

「ゆ……あきらめたの?」

れいむも今更この人間が応えるとは思っていない。
今もただ黙ってあの目でこちらを見ているだけだ。
だからこれは独り言に近い。

「あきらめたんだね?あきらめてね!」

質問とも懇願ともとれる。
こんな事を言ってしまえばいかな子ゆっくりとて怪しむ。
しかしもはやそんな事を気にしている場合ではなかった。
舌で感じる子ゆっくりの底部が、ざらざらしたそれから段々滑らかな感触に変わってきたのだ。
ゆっくりしている場合ではない。
もうとにかく何でも良いからこの訳の分からない人間から離れたかった。

「あきらめてね!ついてこないでね!」

そう言ってれいむが逃げ出そうとした時。
人間が今度はゆっくりと片手を上げた。
それは先程までれいむが受けていた平手打ちの予備動作。
恐怖で学習したその予備動作を見て、れいむが一瞬にして身を固くする。

しかし今度は平手打ちは来なかった。
れいむがその場で固まったからだ。

攻撃は、この場所から動いたときに来る。

これも恐怖で学習したルールだ。
れいむは理解した。
人間は諦めてなどいない。
ルールは健在で、自分はここから動けない。
その時、れいむの口から悲鳴が上がった。
叫んだのはれいむではない。
口の中の子ゆっくりだ。

「おきゃあああああしゃぁああああああん!」

「あんよがぁあああああ!あんよがとけちぇりゅのぉおおおおお!」

「ここからだしちぇえええええええ!」

れいむが恐れていた事が起きてしまった。

「お、おちびちゃん!ゆっくり!ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」

れいむは自分の口の中で暴れる子ゆっくりを必死に宥めようとする。
今の状態で暴れるのは自殺行為に他ならない。
しかし予想通りパニックを起こした子ゆっくりには聞こえていない。

「だちちぇにぇ!しゅぎゅでいいよ!」

「ゆぇえええええん!だしちぇええええええ!」

「ゆっくちできにゃいぃいいいいいい!」

子ゆっくりが暴れる感触が強くなってきている。
限界だった。
そろそろ裂傷ができ始めているかもしれない。
れいむは咄嗟に口を開こうとした。
しかし。
目の前に、人間の手があった。

「ゆぐぅううううううう!?」

子ゆっくりが叫んでから、人間はずっとれいむの前に手を伸ばして待っていたのだ。
れいむは、口をこじ開けて外へ逃げようとしていた子ゆっくりを強引に口へ戻す。
奥へ転がしたときに、赤ゆの低部がはっきりと溶け始めている感触が舌に伝わってきた。

「ゆっびぃいいいいいい!」

「ここかりゃだちちぇええええええ!」

「しゃっしゃとだしぇえええええええ!」

泣き叫ぶ我が子の悲鳴が聞こえてくる。
人間はもう手を戻していた。
だがおちびちゃんを出す訳にはいかない。
おちびちゃんを出す気配が無くなれば座りなおしてじっとこちらを見ているのだ。
あの、ゆっくりできない目で。
子ゆっくりを出そうとすればその瞬間には目の前に人間の手がある事だろう。

れいむは状況が詰んだ事を理解した。
もう子ゆっくりへの見栄も何も無い。
このままでは全員が「えいえんにゆっくり」してしまう。
れいむは諦めた。

諦めて、人間に説教を始めた。

「どうして……」

こんなひどいことするのか。
自分たちはゆっくりだ。
だからゆっくりさせないといけないのだ。

「りかいできる?」

生殺与奪の権を完全に握っている人間に語りかけた。

力関係は分かった。

だが、それはそれ。

れいむは言い切った。

この世全ての「ゆっくり以外」は皆等しくゆっくりをゆっくりさせなくてはならない。

当たり前の事だ。

自然にそう考えているれいむ。
根拠も何もないのに、ここまで信じ込んでいるソレはもう何があろうと変わることはない。
だからこれでも最大限の譲歩をした。

そもそも自分が力で負けた、自分が全能でないなどと認めることさえ不本意極まりないのだ。
そんなれいむの譲歩はしかし。

「どおじでわがらないんだぁああああああ!」

人間の沈黙を以て迎えられたのだ。
無視しているのか否定しているのか聞こえていないのか。

「むじずるなぁああああああ!ゆっぐじざぜろぉおおおおおお!」

れいむは完全に逆上していた。
口の中の子ゆっくりの事すら忘れて大声で人間を糾弾する。

「どれいがぁああああ!たちばをわぎまえろぉおおおおおお!」

激昂し叫ぶれいむの口の中に、ふやけた小麦粉で包まれた餡子玉が見えている。
先程まで元気に叫んでいた子ゆっくり達だ。
饒舌に喋ったれいむの舌と、自ら暴れたおかげで体の崩壊が一気に進んでいた。

「ここから……だしちぇぇ……」

「ゅ……っち……しちゃ……」

「………あんよしゃ……っくち……」

まだ僅かに動いて声を出しているそれは、ゆっくり饅頭の奇跡を失いつつある。
ぼろり、と一匹の餡子が大きく崩れた。

「……ゆ……あんこ……しゃ……ゅっ……」

崩壊していく自らの体を、涙を浮かべて眺める子ゆっくり。
崩れた塊はそのままれいむの喉奥に消えていった。
子ゆっくりは涙を流しながらそれを見ていた。

「しあわせー!」

一瞬遅れて、素っ頓狂な声が響いた。
餡子の塊を食べたれいむの声だ。

「……っ!?ゆっ!?おちびちゃん!?」

れいむは甘味を食べた瞬間にあらゆる感情がキャンセルされ、本能のまま叫んだ。
しかし沸騰していた感情も同時に消え去り、れいむに一瞬で平常心を取り戻させたのだ。
その結果、今の餡子は我が子の餡子であり、その持ち主が瀕死である事を思い出した。

子の一欠片の餡子が親の理性を取り戻させたのだ。

平常心に戻ったれいむは今までに無い程落ち着いていた。

「おちびちゃん……」

一気に感情が凪いだれいむは、同時に現状を把握した。
目の前に居る逃げることすら出来ない相手。
おちびちゃん達は順調に溶け出している。

詰みだ。

完全に詰んだのだ。

れいむは心を折った。

「……たすけてください」

れいむは素直に命乞いをした。

れいむ達の負けです。

このままでは子ゆっくりが死んでしまいます。

罵詈雑言を吐いた事も謝ります。

「だから……」

口の中のおちびちゃんが居なければ土下座も辞さないつもりだった。

ゆっくりしている自分こそ何より尊い。
自らの考えと異なっているが、我が子の為にれいむはそれを折り曲げた。
余計な事はせず、家族の生存を最優先にしたのだ。
れいむは静かに涙を流していた。
涙は夕日に反射してきらきらと光った。
れいむはもう一度、助けてくれ、と言った。
人間からの答えは、やはり沈黙だった。

れいむには分からない。

命乞いは認められたのか、果たして自分たちは許されたのか。
しかしもう時間はない。
人間は否定するような事もしなかった。

ならば。

れいむは思い切って子供を吐き出そうとした。

「おちびちゃんたち!ゆっくりで……ゆ?」

れいむの顔に影が落ちた。

「……どうして」

れいむは呟いた。

目の前に、人間の手があった。

「……どうして」

何が「どうして」なのか、れいむにもよく分からない。
どうして許してくれないのと言いたかったのかもしれない。
あるいはどうしてこんな事になった、かもしれない。

もうれいむは何も分からなかった。
何故か人間の目だけがよく見えた。
やっぱり死んだゆっくりの目みたいだな、とれいむは思った。


夕日は沈み、僅かな残照が空を照らしていた。

子ゆっくりの声はもうずっと前から聞こえていなかった。

ゆっくりいじめSS・イラスト ※残虐描写注意!コメント(21)トラックバック(0)|

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コメント

4513:

何も言葉を出さず、ただ淡々とゆっくり一家を肉体的、精神的に追い詰めていくお兄さん。

何というか・・・怖いわね・・・。

2013/02/22 01:07 | 司馬玖乃 #- URL [ 編集 ]
4514:

そこで終わるんかい!
続きないんかい!

2013/02/22 02:27 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4516:

やっぱウザリボンとゲスぼうしはゲス種だわ

2013/02/22 03:02 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4518:

お兄さん(ウザい糞饅頭を自滅させて遊ぶか…哀れ哀れ)

2013/02/22 03:21 | 名無し #- URL [ 編集 ]
4519:

能無しリボンとさいっきょう()ぼうしはいつ見てもイラつく

2013/02/22 06:40 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4521:

いいねーこれ
最近更新された中では一番いい
文章は上手いし誤字脱字もない
何よりゆっくりが絶望していく描き方が秀逸

2013/02/22 11:13 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4522:

どぼじでぇええええ?!
なんで途中でやめちゃうのぉおおお!?
れいむにトドメを刺すまで書かなきゃだめでしょぉおおお!?

お兄さんおこりゅよ?

2013/02/22 12:07 | 名無しのお兄 #- URL [ 編集 ]
4524:

このおにいさんはゆっくりなんぞと会話することはもう無意味だと悟ってるんだろうね
ゴミクズ饅頭には暴力でわからせるしかないと痛感してるんだと思う
そりゃゴキブリ以下の存在と会話するなんて口が腐るし徒労に終わるだけだもんな
このおにいさん正解だわ

2013/02/22 12:53 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4525:

さすが、通常種にも劣るクズ種のクズ紅白とクズ白黒。
もっともっともっともっともっともっと苦しんでしんでね。

え?れいむ、まりさにも稀に善良がいる?
いや、そんなのがいたら、それこそ希少ですからー。

2013/02/22 12:53 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4527:

自分の子ども食って「しあわせー!」って…引くわぁ~

2013/02/22 14:08 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4531:

この虚脱感はなんなんだろう

2013/02/22 17:43 | 名無しの鬼威山 #- URL [ 編集 ]
4532:

虐待アンチの人達って虐待派全員が愛でサイトを凸る虐厨と思ってないかな?

2013/02/22 20:52 | 超絶善良しか愛でない者 #- URL [ 編集 ]
4533:

この親れいむは都会の卑屈な野良ゆっくりを見たらどうなるんだろう?
ヒャッハー!妄想だぁ!!

2013/02/22 21:29 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4534:

人間側の意図がはっきりしないのも
色々考えさせられる

2013/02/22 21:35 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4538:

やっぱ通常種はウゼえわ  
超虐待したいわ わかったか糞饅頭ども!

2013/02/22 22:25 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4543:

ゆっくりこそ正義とか思ってるゲス(というか馬鹿)をじわじわと追いつめていくお兄さん。
大変おもしろかったです。ありがとうございます!

2013/02/22 23:38 | きめぇ丸を愛でる者 #- URL [ 編集 ]
4553:

ゆっくりの心理(笑)を描写するとこんなに腹が立つのか
れいむ、おちびちゃんはおいしかったかい?

2013/02/23 03:07 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
4622:

おちびちゃんはあまあまのあじだにぇー!!ゆぷぷぷww

2013/02/24 06:58 | 子まりさ #- URL [ 編集 ]
4637:

人の家に勝手に上がりこむのは、
いつもお前らクズ種共だな。

もっともっと、クズ種共に虐待してほしかった・・・

2013/02/24 16:36 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
9058:

糞饅頭を痛めつけて殺すところまでやってほしかった

2013/07/18 21:48 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]
19570:

率直に言って物足りない
口から出したくない理由も弱く感じる

2016/08/21 07:15 | 名無しさん #- URL [ 編集 ]

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