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4604:ゆっくり自×してね!!!

2017/09/17 (Sun) 13:00
「ゆぐぅ……ゆぎっ、ゆっぐり、ゆっぐりぃ……」

冬のさなか、とある公園、砂場の上にゆっくりの母子がいた。
それはもう、汚い汚い、汚いという表現以外に形容できぬほど、みじめで薄汚れたゆっくり達だった。

「ゆぴぃ……どーちて、まりちゃたちがこんにゃめにぃ……!」
「ゅゆ゛、ゆっ……ゆ゛っ」
「おちびちゃんたち……ゆっぐり、ゆっぐりだよぉ」

全体的に土埃と泥汚れ、そしてよくわからない油染みによって汚い化粧を施されたれいむ。
当然の如く髪はボサボサ、所々に毛の抜けた痕も見られ、もみあげは根元からちぎれ、半分ほどのお飾りは黒く染まり雑巾よりもひどい異臭を放っていた。
子まりさも母よりはマシだが、あくまでマシといった程度で、穴のあいた帽子のてっぺんからあんよに至るまでボロボロに薄汚れている。
子れいむに至っては、薄らと黒ずんでおり、半死半生の有様だった。
つまりは冬によく見られる、もはやどうしようもなくなった野良ゆっくりの姿であった。

そのほぼ詰んだゆっくり達が、砂場でいったい何をしているかと言えば、それは彼女たちの眼前にあるものが教えてくれる。
それは、砂場にしっかりと固定された、先端の鋭い木の枝だった。
天に向けられている切っ先は、ゆっくりの身体くらいならばたやすく切り裂けるだろう。
そんな代物を目の前にして、ゆっくりの母子たちは――痙攣を続ける一匹を除き――めそめそと泣きあい、互いを慰め合っていた。

「おぢびぢゃん、ごんなだめなおがーざんでごべんねぇ……!」
「ゆぴ、ま、ま、まりちゃ、こここわくないのじぇ……」
「ゆび、ゆっ、び」

頬にくっきりと形作られた涙の通り道に新しい涙を流すれいむと子まりさ。
本当ならばもっと別の方法、可能性を探したかった。
怖くない筈はない。自分だって恐ろしい。こんな事は絶対にしたくなかった。
だが、仕方ないのだ。もうこれ以外に、楽になれる方法は考え付かなかった。

「だいじょーぶだよ゛、おどーざんも、きっどおそらのゆっくりぷれいすでまっでるからねぇ…!」
「おどーしゃ、まりちゃ、おどーじゃにあいにいくのじぇ」
「ゅゅ゛ゅ」

れいむは子れいむを舌で持ち上げた。
もうこの子は自分で何かをする体力もない。
ならばせめて手伝ってやるのが、母親としての最後の役目だった。
舌先から伝わる小さな震えが、断末魔の苦しみを伝えてくる。

「それじゃ、いぐよ……! おちびぢゃん、おがーざんのやりがだをぢゃんとみでてね……!」

ぶるぶると震える体を無理やりに動かし、恐怖に凝るあんよを進める。
楽になりたいという一心で、れいむは前に進んだ。
そうして、子れいむを振りかぶろうとして、

「何やってんの?」


ゆっくり自殺してね!!!


「ゆ、ゆ゛ゆ、にんげん、ざん」

突如背後から掛けられた声に反応し、れいむが振り向いた先にいたのは、人間の男だった。
人間。
それはつまりれいむ――ひいては野良ゆっくりにとって、神であり、悪魔でもある存在だった。
ありとあらゆる能力においてゆっくりをはるかに凌駕し、気まぐれにゆっくりを生かし、気まぐれにゆっくりを殺す、ゆっくり達の住む街の支配者。
万が一気に入られればゆっくりの身では到底手に入らぬあまあまをくれる事もあるし、もしかすれば飼いゆっくりとして一生何不自由ない生活を送れるかもしれない。
だがそれよりもはるかに高い確率で怒りに触れ、そのゆっくりを――あるいは群れ、もしかすれば街ごと――駆除する、恐ろしい存在。
そのような人間が、いつのまにかれいむの後ろに居た。
自然、れいむは先のものとは比べ物にならない恐怖に襲われ、凍りついていた。

「ねぇねぇ、何やってんの? 無視しないでね!」

むろん、人間である男はゆっくり如きの都合などを斟酌したりはしない。
男はしゃがみ込むと、れいむに顔を近づけた。

「ねぇ、早く、何で黙ってるの? 教えてくれないと怒っちゃうよ? ねぇ」
「ゆびぃっ!!」
「きょわいよおぉぉっ!!」
「ゆ゛っ、ゅ゛ゆ」

人間が怒る。野良ゆっくりにとっては殺すという強迫以外の何物でもなかった。
子まりさが恐怖から霧状にしーしーを撒き散らす。
れいむを縛っていた恐怖は、口を動かす原動力へと変わった。

「れ、れいぶはぁっ!!」
「うん。 って臭いな」

男は顔をしかめ、一歩距離をとった。

「れいぶはぁっ! れいぶだぢはぁっ!!」
「うん、何? 早く言ってね」
「え゛、え゛、え゛いえんにゆっぐりじようどじでまじだああぁぁ!!」

れいむは感情を激発させながら叫んだ。
同時に涙があふれた。
改めて自分たちがしようとしていた事を認識し、悲しみが抑えきれなくなっていた。

「へー、ふーん」

そんなれいむに対して、男は至極気の抜けた返事を返した。
風船から抜けていく空気のような声だった。
まるで「散歩の途中だよ」とでも聞き間違えたかのような、そんな反応だった。

「れいぶはっ、おっどのまりざがかりにいっだら……」
「あーいいよ、そういうの。大体わかってるから。
 どうせツガイが死んで群れからもつまはじきにされて、そんで子供が何匹か死んだんだろ?
 ついでに飾りもメタクソになったし、もう生きてても苦しいだけだし、死にたくなったんだろ?」
「ゆ゛っ……!」

れいむは、黙った。
おおよそその通りの図星だったからだ。
夫のまりさが重傷を負いながらもおうちに戻り、れいむの看護もむなしく死んでから、一家には労働力と呼べるものは存在しなくなった。
れいむが代わりに狩りに出たが、生ごみの争奪戦には参加することすらできず、とってこれるものは萎びた草ばかり。
群もそのようなれいむ一家にかける温情は存在せず、程なくしてれいむ達はもといた群れを追放された。
十匹近くいたおちびちゃんも、一匹死に、二匹死に、今では子れいむが後を追おうとしている。
そう遠くないうちに子まりさ、れいむ自身もそうなるだろう。

「まぁ仕方ねえよなぁ、死にたくなっても。
 子供が何匹いたか知らないけど、どうせ相当苦しみ抜かせて死なせたんだろ?
 そんでそのちっこいのも死にかけてるし、楽にさせてやりたいっつーのも分かるよ。
 そういやお前らは死ぬ事を『永遠にゆっくりする』って言うし、ゆっくりっつーなら死ぬこともゆっくりできるな、良かったじゃん!」
「ゆぐっ、ゆ゛うぅ、ゆ゛ん゛ぐううぅぅぅ」

遠慮のない言葉のナイフがれいむに突き刺さっていく。
気付きたくなかった、気付いていたが無視していた真実を暴かれ、それがれいむの心を削っていく。

「そこのチビ、えっと、何だっけ? 『お空のゆっくりプレイス』?
 そこに行けばお前の父ちゃんにも会えるし、姉妹にも会えるぞ。
 どうせ生まれてこのかた殆どゆっくりしてなかったんだろ? 大変だったなぁ、お前も。
 な、だからさっさと死んで、楽になれ! お空でみんなが待ってるぞ!」
「ゆぴっ、ゆぴいいいぃぃぃ! ゆええぇぇん!!」

男の無思慮な言葉は、子まりさにも容赦なく降り注いでいた。
『おそらのゆっくりぷれいす』という死の現実を覆い隠す嘘は、辛うじて子まりさに自殺を許容させるものだった。
だが、これは違う。本当は望まぬ死を押しつけられて、子まりさは泣いた。

「いやぁ、ごめんね! 死ぬの邪魔しちゃったね!
 もう邪魔したりしないから、存分に自殺していってね!
 ソレで死のうとしてたんだろ? 自分の身体をグサーッってさ! さ、どうぞ!」
「ゆ゛っ」

我が意を得たりとばかりに微笑む男が指し示す先には、木の枝。

「ゆ、そうだよ゛……れいぶ、だちは……しにたいんだよ……」
「ゆぴぃ、ゆぴぴ……こ、こわく、なんか…ないのじぇ……」

れいむと子まりさは、木の枝を見つめた。
まりさが遺した武器である木の枝で、中枢餡を貫いて果てるつもりだったのだ。
そうすれば痛みは――少なくとも餓死の苦しみに比べれば――ない。楽に死ねる。
おそらのゆっくりぷれいすに行ける。

「いぐよ…いぐよ、おぢびぢゃん……」
「ゆっぐ、まりちゃ、おしょら、おしょらのゆっくちぷれいちゅ……」
「ゅっゅっゅっゅっゅっ」

二匹は木の枝を見つめたままブツブツと呟いている。
枝以外のすべてを視界から排除して、死ぬ覚悟を決める。

「ぐるじぐないよ……ゆっぐり、ゆっぐりぃ……」
「おとーしゃ、いもーちょ、おねーしゃ……」
「ゅ゛っ」

呟き続ける。
動かない。

「ゆっぐ……」
「いくのじぇ……やるのじぇぇ……」
「ゅ」
「まだー?」

れいむは振り返った。
男は、まだいた。

「どぼっ、どぼじでにんげんざんがまだいるのおおおぉぉぉ!!?」
「え、俺?」

れいむの素っ頓狂な叫びを浴びせられた男はむしろ当惑していた。
その様子が更にれいむを煽った。

「れいぶだちはぁっ! れいぶだぢはえいえんにゆっぐりじようどじでるんだよおおぉぉっ!
 おでがいだがらそっどじでおいでねっ! れいぶだぢにかがわらないでねっ!!」
「え、何で?」
「ゆ゛?」

今度はれいむが絶句する番だった。
男は続ける。

「いや、もちろん邪魔したりはしねーよ? お前たちを殺したり傷めつけたりする気はねーよ?
 でもいいじゃん見てるくらい。別に減るもんじゃねーんだし……いや、減るか。
 ともかく、俺も見てるから。ほれ、さっさと自殺してね!」

「はよ」と言わんばかりにチョイチョイと枝を指さす男。
れいむは今度こそ、何も言う事ができなくなっていた。

「……どうしてそんなこというの?」
「何が?」
「……れいむたちがしぬところをみものにして、なにがたのしいの?」
「特に楽しいってわけじゃないけど、興味本位だよ。
 あと俺と問答する暇があったら、さっさと死んでね!」

その言葉を受けて、れいむは諦めた。
もうこの人間は、考えている事がれいむ達とはまったく異なっている。
話し合うだけ無駄だと分かった。
ゆっくりと枝に向き直る。

「お、おがーじゃ……」
「だいじょうぶだよおちびちゃん。さ、こわくないからね」

れいむはあの人間を無視することに決めた。
まだ横目でチラチラと人間の様子を伺う子まりさを宥め、落ち着かせる。

「ゅ……」
「おちびちゃん……」

最早あの人間などはどうでもよかった。
屈辱極まる思いだが、邪魔をするつもりがないならばそれに越したことはない。
それよりも今は、子れいむを早く楽にしてあげたかった。
ゆっくりと子れいむを舌で掴む。震えが、少し小さくなっているような気がした。

「おちびぢゃん……いま、らぐにじであげるがらね……」

もう子れいむの命はあといくらも保たない。
れいむに子れいむを治療する術はなく、楽にしてやる方法はこれ以外になかった。
それでも涙が込み上げてきた。

「おちびぢゃん、ごめ――」
「ゆわああああぁぁっ!! おがーじゃっ、あれっ! あれ゛え゛ええぇぇぇ!!」

――んね、という謝罪は、子まりさの絶叫によってかき消された。
振り返る。
子まりさの視線をたどるとそこには、

「ん? ……何だよ?」

やはり、というか人間がいた。それは想像のうちだった。
しかし子まりさの視線をたどると、その先にはれいむの想像を超えるものがあった。
いつの間に持っていたのか、男の手には飴玉があった。

「あま、あま」
「ゅびっ」

れいむは、思わず子れいむを取り落とした。
飴玉、即ちあまあま。
糖分こそが最大のエネルギーであるゆっくりにとって、それは極上のご飯であり、同時に万能薬でもあった。
例えばの話、そこに転がっている子れいむを治すことも難しくはない。

「にんげ……お、おお、お、おに゛ーざん!!」
「ん?」

先ほどとは打って変わった、懇願じみた叫びでれいむは男に詰め寄った。
れいむの視線は、きらきら光る飴玉に釘付けられている。

「そ、そのあまあま、あま、どぼじ、あまあま」
「あ? これ? ちょっと腹減ったから食おうと思って」
「それ、ちょ、そのあまあま、あまあまを、れいむたぢに、ちょ――」
「くれって言うんなら、嫌だけど?」

そう言うと、男はひょいと飴玉を口の中に入れた。

「ゆ゛あ゛っ!! ゆ゛う゛う゛う゛あ゛あ゛ああぁぁぁっっ!!! ゆあ゛あ゛あーーーっっ!!! ゆう゛う゛うぅぅっ!!!」
「あ゛あ゛っ!! まりぢゃのお゛ぉぉ!!! まりぢゃのあばあばざんがあ゛あぁぁっっ!! にゃんでええぇぇっ!!」
「おお、どうしたよ?」

れいむは本日何度目かの、感情を爆発させた。
子まりさは飴玉が消えた瞬間、大声で泣き喚き始めた。
男はそんな二匹の反応を、微笑を浮かべながら見ていた。

「どぼっ、どぼじっ!! どぼじでごんなごどぉぉ」
「いや、だってお前らもうすぐ死ぬんだろ? それじゃあ飴なんてやっても無駄じゃん」
「ゆぐっ」

れいむは言葉に詰まった。
男はニヤニヤと笑いながら続ける。

「お前らこの世がゆっくりできないんからあの世へ行くんだろ?
 別にそれはいいよ、存分にゆっくりすればいいと思うよ。
 俺は俺でこの世で存分にゆっくりするから、お前らもさっさとゆっくりできる所へ行けばいんじゃねえ?
 さっきも言ってたけど、お空のゆっくりプレイス()とかさ! ほら、どうしたんだ? さっさと行けば? ん?」
「ゆっぎぎぎぎぎぎぎぎ……」

もう決定的だった。
この人間はれいむ達を嘲笑っている。
遅まきながらようやくれいむは理解した。

「どうしたの? こーんな安っすい飴玉一つ食えないこの世なんかさっさと見切りつけてさ、死んじゃえばいいじゃん!
 どうせなら俺も応援してやろうか? ほら、頑張れ! さっさと死ね! れいむ!
 お空のプレイスはきっと良い所だぞ~、死んだら好きなだけ、それこそ永遠にゆっくりできるぞ~」
「ゆぐっ、ゆっぐ、ゆぐうううぅぅ……」

楽しげに応援まで始める男。
そんな男を、れいむは睨みつける事くらいしかできなかった。
先ほどとは比べ物にならないほどの屈辱が、れいむの餡子を熱く苛む。
こみ上げる涙は、既に悲しみとは別の感情によって齎されていた。

れいむにとって、既に死ぬ気持ちなど、あまあまを見た瞬間に吹き飛んでしまっていた。
余計な希望を持ってしまったせいで、より絶望が深まった。
死への恐怖は倍し、死ぬ事を考えただけで震えが止まらなくなる。
でも、それが、何だというのか。

「ゅっ」

傍らの子れいむを見る。
黒ずみが徐々に濃くなっていく我が子を救う手立てはない。
もしやと思ったものも、それは幻で、結局は人間を喜ばせるだけに終わった。
もうこれ以上人間のおもちゃになるのは沢山だ。一刻も早く、おちびちゃんを――

「まりちゃはもう、しにたくないのじぇっ!!」
「あ?」

れいむ思考が詰みに入りかける直前に、打ち消したのは子まりさの叫び声だった。

「おかーしゃ、やっぱりまちがってたのじぇ。しぬなんてゆっくちしてないのじぇ」
「おちびちゃ……」

れいむは子まりさを見つめた。
子まりさの瞳には、何かとてもゆっくりできるものが燃え盛っていた。

「えいえんにゆっくちなんて、うそなのじぇ。 おしょらのゆっくちぷれいしゅなんて、うしょっぱちなのじぇ」
「ゆん、ゆん……!」

れいむは頷いた。
そうだ。『えいえんにゆっくり』なんて、ゆっくりが死の恐怖を隠すために造り出した方便にすぎない。
『おそらのゆっくりプレイス』なんてものも、存在するはずがない。

「にんげんしゃんは、すごいのじぇ。ちゅよいのじぇ。ゆっくちしてるのじぇ。
 でも、だからって、まりちゃたちがゆっくりちできないなんてきまったわけじゃないのじぇ!」
「ゆ!そうだよ!」

れいむは、我が子に教わる思いだった。
確かに人間はすごいかもしれないが、だからと言って自分達ゆっくりがゆっくりできなくなるわけではない。
そうだ、ゆっくりでも、ゆっくりすることは出来るんだ!

「いもーちょのれいみゅだってきっとなおるのじぇ! あきらめたら、そこでしあいしゅうりょうなんだじぇ!!」
「そうだよ!! おかーさんもがんばるよ!! おちびちゃんをなおすためにたくさんたくさんがんばるよぉ!!」

結局は、自殺なんて逃げに過ぎなかったのだ。
れいむは、ようやくその事を自覚した。
子れいむは確かに救い難いかもしれないが、諦めてしまえば本当に救う事は不可能になってしまうのだ。
母として、それだけは認められぬことであった。

「だから!! まりちゃといもーちょ、おかーしゃはなにがあってもいきるんだじぇええぇぇ!!!」
「ゆううぅぅぅ!! そうだよ! おちびちゃん!!」

れいむは、餡子に何かじんわりとするものを感じていた。
これが「ゆっくり」だ、と思った。
生まれてこのかた感じなかったゆっくりを、今明確にれいむは感じ取っていた。
もう人間に惑わされたりなどしない。れいむは人間を睨みつけた。

「……ふーん……」

男は、明らかに白けていた。
先ほどまでの笑顔はとうに消え去っており、鼻白んだ表情になっている。
声もどことなく沈み、そこには落胆の色も窺えた。

「もう死にたくない?」
「ゆんっ! もうしにたくないのじぇっ!」
「そうだよ! もうぜったいしにたいなんていわないよっ!!」
「自殺はやめる?」
「ゆんっ! そんなゆっくちできないこといやなのじぇっ!!」
「そうだよ! れいむめがさめたよ!!」
「………ふーーーん………」

れいむ達の答えを聞いてなお、男は数分間なにかを悩む様子を見せていた。
眉間にしわを寄せて、じっとれいむ達を見る。
やがて、おもむろに立ち上がると、

「つまらん。帰る」

そう言い残し、振り向きもせずに男は立ち去った。

「……ゆーーーっ!!!」
「ゆっ!! おちびちゃんっ!! かったよぉっ!! かったんだよぉっ!!!」

残されたのは、勝利の喜びに沸くれいむ達。
二匹は信じがたい気持だった。
あの人間を相手取り、こうまでうまく勝つ事ができるなど、奇跡を以てしてもなお難しい。
おちびちゃんを信じて良かった。
れいむは今日何回になるかわからない、涙を流した。

「ゆん……まりちゃたち、ぜったいいきのびるのじぇ。いもーちょも、がんばってなおすのじぇ」
「そうだね、おちびちゃん…! れいむ、がんばるよ!!」
「ゆっ」

親愛のすりすりを行う。
死にかけの子れいむを挟み、二匹で温め合った。
気のせいか、子れいむの顔色が良くなった気がした。

れいむは、もう死にたいなど思わなかった。
死んでしまっては、ゆっくりなど出来ない。
生きてこそ。生きてこその、ゆっくりなのだ。死んでしまうのは逃げだ。

「おちびちゃんたち、ゆっくりしていってね!!!」
「ゆっくちちていってね!!!」
「ゅっく……」

冬の公園に、ゆっくりの挨拶が木霊した。



結果を言うと、子れいむはそれから三日後に餓死した。

人間に啖呵を切った翌日、再び砂場に現れたれいむ達を迎えたのは、当の男だった。

「よぉ! また死にたくなったんじゃねえかと思って来てみたら、大正解だったな!」

輝くような笑顔で尋ねる男を前に、死んだような顔をしたゆっくりの母子が居た。
結局のところ、ゆっくり程度が何を決意したところで、そんなものは何の意味もなかった。

「おやぁ? 昨日俺に何か言ったのを忘れたのかぁ? ああ?
 もしかして昨日の今日で自殺するつもりじゃねえだろうなぁ! まさかそんなことあるわけねえと思うけど!
 『もう死にたくない』って言ってたのはどこの誰だったけなぁ? なぁチビ!」

指差し嘲笑する男に、れいむ達は黙って耐えるしかなかった。

「おいおいチビ、『永遠にゆっくり』も『お空のゆっくりプレイス』も嘘っぱちなんだろ?
 死んだらゆっくりできねぇと思うけどなぁ、俺は!
 あ、でもお前らはまたなんか新しい言い訳でも思いついたのか? それならゆっくりできるな!」

むしろ時には自殺を思いとどまらせるような事さえ言った。
結局はまりさのみじめさをより強めるだけだったが。

「なんかお前らしけたモン食ってるなぁ! 何その草。うまいの?
 俺はとりあえずケーキ買ってきたよ! おいしいケーキを食べて俺がゆっくりするところを見ていってね!」

連日連夜、男はゆっくりからすればごちそう以外の何物でもないものを目の前で食べ続けた。
れいむ達には、欠片すら恵まれなかった。

男は特別れいむ達の邪魔をしたわけでもないが、かといって自殺の手伝いなどは一切行わなかった。
彼がやったのはただ嘲笑うだけだ。
れいむ達は男の侮蔑に耐えられず逃げ出し、しかし自殺しようとすると男が現れ――そうして数日、れいむ達はまた生きていた。
子れいむは苦しみ抜いて死に、そして子まりさがその後を追おうとしている。

「ゆっ…ゆっ…ゆっ…ゆっ…」
「おちびぢゃ……」

全身が黒ずみかけ、かつての子れいむのようになっているのは子まりさ。
その傍らではれいむが俯き、ボロボロと涙を流している。
つまりは冬によく見られる、もうどうしようもなくなった野良ゆっくりの姿、の焼き写しだった。
違う所があるならば、一匹足りないところか。

「おーどうしたチビ、苦しそうだなー、可哀想に。
 そんなに惨めになっちまって、ぶるぶる震えて、もう辛くってどうしようもねえんだろうなぁ!
 もういっそ楽になりたいか? それともまだ頑張って生きたいかー?
 俺はどっちでも応援するよ! がんばれよ、チビ!」

暗く沈んでいる二匹を尻目に、男はこれでもかというほどゆっくりしていた。
厚く着こんだ服は冬の寒さを跳ね返し、先ほど二匹の前で平らげたたい焼きは体の中を温まらせている。
その笑顔はゆっくりが見ても「ゆっくりしている」と言うだろう。悪意に塗れている事に気付きさえしなければ。

「ゆっ……ゆっ……ゆっ……」
「ゆっぐりぃ、ゆっぐりだよぉ! おちびぢゃあん!!」
「そうだな! ゆっくりしろよ。チビ! まぁできるかどうかは知らねえけどな!」

れいむは男を睨んだ。
視線が威力をもつのならば、男が三回は消し飛ぶような殺意に溢れた眼光だった。
無論、れいむの視線には何の効果もない。男はどこ吹く風というように笑い続けている。

「ゆ゛っ………ゆ゛っ………」
「おちびぢゃん、じっがりじでぇ!! ゆっぐりずるっでいっだでじょお!?」

れいむは子まりさに縋り付かんばかりになっていた。
あの時れいむにゆっくりする事、死んではいけない事を教えてくれたおちびちゃん。
そのおちびちゃんが、今やこんなに黒ずんで、衰弱している。

子れいむが死んだ時の状況を、れいむは覚えている。
そして今はその状況にそっくりだった。

「ゆ゛っ……………」
「あーそろそろ死んじゃうかなぁ」
「だばっでねっ!! おぢびぢゃんはじんだりじないよっ!!」

ニヤニヤと笑う男を黙らせ、れいむは子まりさに向き直る。
口では否定したが、れいむにも分かっていた。
痙攣が少なくなってきている。
このままでは、死ぬ。

「おでがいっ!! おぢびぢゃん、おめめをあげでええぇぇ!! おがーざんをひどりにじないでええぇぇ!!!」
「ゅ…………………」

狂ったようにれいむは泣き、叫んだ。
もうどうしようもなかった。
今、目の前で子まりさの命が潰えようとしていた。

「…………………………」
「あー死んだか。 以外とあっけなかったなぁ、チビ」
「ゆ゛あ゛ああ゛あ゛あああ゛あああ゛ああああ゛あ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁぁ゛ぁぁ゛ぁぁぁ!!!」
「おいおい悲しむなよ、お前もすぐに後を追ってやれば」
「…………………………おかーしゃ」
「ゆ゛っ!!?」
「おお!!?」

死んだと思われていた子まりさが、目を開けた。
これには男ですらも驚愕した。まさかこのような事が起こるとは考えてもいなかったからだ。
黒ずんだ体にポツンと、二つの瞳が浮かんでいる。
何とも不気味であった。

「おぢびぢゃっ!!? おぢびぢゃん、おぢびぢゃおぢびぢゃおぢびぢゃあんっ!!!」
「うるせー黙って聞け! 聞き逃したらどーすんだ!」
「…………………………」

発狂寸前に陥るれいむを、男が止めた。
子まりさは小さく震えている。
最後の力を振り絞り、何かを言おうとしていた。

「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」

異様な静寂が訪れる。
子まりさの震えが止まり、口が開かれた。

「やっぱり、あのとき、しんでれば、よかった、じぇ」

ぐしゃり。
それだけ言い残して、子まりさは黒ずんで、潰れた。

「………ぷっ! ぶはははは!! はっはっはっはっは!!!」
「……………」

男は吹き出した。
れいむは何も言わない。

「あの時! あの時死んでればよかった! だってさ!
 は、腹痛いっ! ぷ、くく、チビサイコーっ!!」
「……………」

男は笑いだす。
れいむは何も言わない。

「なぁおい! あの時っていつだろうな!
 一番チビが死んだ時か!? それともチビがマヌケな事言った時か!? もしかして、俺の関係ない、もっとずっと前の事かぁ!?」
「……………」

腹を抱えて男が笑う。
れいむは何も言わない。

「そうだよなぁ! ゆっくりするとか言わずに、もっと早くに楽になれってんだよな!
 あのチビ最期の最後に賢くなったんだなぁ!」
「……………」

ゲラゲラと男が笑った。
れいむは何も言わない。

男は笑い飛ばし、笑い飛ばして、笑い飛ばした。
その間、れいむは何も言わなかった。

「……っあー面白かった。満足満足。いやーここ最近の中で一番笑ったわ。
 もうお前許してやるわ、勝手に死ぬなり生きるなり、もうどうでもいいや、好きにしろよ」

子まりさの最後の一言は、男にとって満足のいくものだった。
もはやれいむに興味はなかった。
それどころか、今なら子まりさの母親としてある程度は優しくしてやれる余裕すらあった。

「あ、そういや、満足ついでにアドバイスするけどさ。あの棒っきれじゃお前、多分うまく死ねないぞ。
 楽に死にたいならどっか高い所から落ちるか、車にでも轢かれたら? その方が確実だよ?
 あーでもそうすると結構人様に迷惑かかるかもしれねえや。やっぱあの棒っきれが迷惑かけずに済むかな」

それを聞くと、れいむは何も言わずに這いだした。
向かう先は公園の出口。
そしておそらく、その先にある車道だった。

「…迷惑かけんなよー」

それだけ言って男は歩きだした。
遊びは終わった。
あのれいむは、きっと死ぬが、まぁどうでもいい。もう関係なかった。

やっぱり惨めなゆっくりを馬鹿にするのは楽しいなぁ。

男はそのような嗜好を持つ、虐待家だった。
傷めつけたりはしないが、徹底的にゆっくりの惨めさを浮き彫りにする。
そうして苦しむゆっくりを指差し、笑い、それに反応するゆっくりをまた笑う。
男にとって、ゆっくりはそうやって遊ぶものだった。

今回は面白かったなぁ。

男が満足げな足取りで公園を出るときに、車のブレーキ音と、水袋が潰れるような音が聞こえた。
だがそれは気のせいだと決めて、男は去った。

結局のところ、れいむは逃げた。
この世でゆっくりしようとすることに疲れ、楽になろうとして逃げ出した。
そして子まりさの言っていたように、永遠のゆっくりも、お空のゆっくりプレイスも存在しなかった。
同じように、もっと早くに死んでいれば、少なくともれいむはもう少し幸せだっただろう。


おわり

ゆっくりいじめSS・イラスト ※残虐描写注意!コメント(0)トラックバック(0)|

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